-ガラテア-

ザクロ

エピソード5 「訓練と成長と…」(脚本)

-ガラテア-

ザクロ

今すぐ読む

-ガラテア-
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇訓練場
  訓練場の門の前に案内されると、左側から聞き覚えのある男女の声を耳にする
乾「おい神宮!お前、どこやったんだ!」
神宮「知らないわよ!アンタが探せばいいじゃない!」
シルク「なんだ・・・?あの2人は言い合ってるみたいだが」
シルク「邪魔になるからどいてもらおう」
  ガラテアが嫌がる顔をしたままシルクの袖を引っ張る
シルク「いきなりどうしたんだ、気が滅入って訓練が嫌になったのか?」
  首を横にふってシルクを片足つける程度の力で突き飛ばす
シルク「!?なんだお前!」
乾「はあ・・・これじゃまたおかんに叱られるじゃねえか」
神宮「そんなこと知らんわ!アタイが知らん言うたら知らんのや!いいかげんにしい」
乾「なんかお前の怒り方、俺のおかんみたいだ・・・」
神宮「アンタのオカンの顔なんか知らんわ!アタイはもう帰るで・・」
神宮「あ!」
乾「あっ・・・」
  2人「あぁあああ〜〜〜っ!!ガラテアああ!」
乾「お、おまえいたんかい!気配がないからわからねえ・・!」
神宮(偶然だね、ね、ねえ?今日はお出かけ?)
  満面の笑みでおおきくうなずく
神宮「これからどこいくの?」
  シルクを指差してから、訓練場を指差す
神宮「あそこにいるのってガラテアのお兄さん?」
神宮「やっぱりお兄さんなんだ!え、なんかすごい怖そうな人・・・」
  シルクはイライラをすべて舌打ちで発散する
神宮「あ、そういえばあの場所でなんかするの?」
  優しい表情のまま首を横にかしげる
神宮「まだわかんないって感じか!でも、お兄さんもついてるから安心だね!」
乾「それにしても、お前そんな格好で暑くないのか?それにこれからどんどん暑くなるぞ」
  するとそこへシルクが近づいてきた
シルク「大丈夫だ・・・あといつになるかは分からんが2人の中だけで秘密にしてくれるなら・・・ガラテアのことを「一つ」喋ってもいいぞ」
神宮「えっ!」
乾「い、いきなりじゃないっすかなんで!?」
シルク「一応、身内と仲がいい友人らは信頼するつもりでいるんだ」
乾「ぷ、プレッシャーに感じますって!ガラテアのその、兄さんはなんだか怖そうな・・・」
シルク「気に触れるようなことさえしなければ大丈夫だ」
乾「わかったっす、き・・・気をつけます」
シルク「わかってくれるならいい」
シルク「それでは、私はガラテアとともにやらなくてはならないことがあるからまた今度遊んでやってくれ」
神宮「承知しました!私達も失礼しますね」
神宮「いくぞ」
乾「ちょ、ちょちょちょ押すなっ・・・って!うわぁ!!」
神宮「はよせい!」
シルク「最初から最後までなんだったんだあの2人は」
  シルクは神宮達に会えたことが嬉しくて、飛び跳ねているガラテアに訓練場内へ入るよう言う

〇訓練場内
シルク「風が強くなってきたな、雨が降らなきゃいいんだが」
シルク「いいや、雨が降ったとしてもガラテアだけを帰らせても1人になったとしてもやろう」
シルク「ガラテアのやつすごい元気だな・・・」
  子供みたいに走り回ったり、ネットをつかんでぶらんぶらんと前後左右にふれる
シルク「(怪我すんなよ)」
シルク「そろそろ落ち着いた頃か?おーいガラテア」
シルク「そろそろ訓練を始めるぞ」
  笑顔でシルクの目の前に走っていく
シルク「いいか、俺がやる訓練はそんじょそこらの子供が教師から教わるような生ぬるいものじゃない」
シルク「この訓練をたとえるなら”はじめて自転車で恐る恐る両手を離したとき倒れるか倒れないか”・・・」
シルク「倒れてしまえば頭を打つとすると意識を失いさいあく死んでしまう・・・はたまた運が悪ければ車に体を潰される」
シルク「この訓練は”神経をはり巡らせる”ものだ!決して油断するなよ」
  気持ちを切り替え表情を真剣にさせ、緊張を体にめぐらせる
シルク「まずは「剣をよける訓練」だ、お前が俺の顔を突き刺すつもりでっ!切り裂くつもりでこい!遠慮や手加減は許さんぞ」
  剣を手渡されると、シルクの言うことに従い「刺しにいく」という言葉を脳に刻みつつ深呼吸をすると目が「覚悟の眼」となる
シルク「始めろ!」
  強く握りしめると・・・
シルク「(まだまだだな・・・1パターンすぎる)」
シルク「ちょっと待て」
  剣を両手で止めると停止の合図と共に止まるよう指示をする・・・が
シルク「ま、待てと言っただろ・・・つ!」
シルク「あっぶね!が、ガラテアどうしたんだ!くっ、ふんっ!」
  剣を無理やり奪い乱れた心拍を整える
シルク「なにしてるんだ!一回待てと言ったら待つんだ!確かに俺を刺すつもりで来いとは言ったが言葉は聞け!」
  謝罪のお辞儀をしそうになったのをとめる
シルク「お前に剣はまだはやかったようだからこれ以外にしよう」
  そう言うと今度は「シルク状に柔らかくなっていく地面から逃げながら俺を5回叩け」という鬼畜すぎる訓練
シルク「やる前から「できない」と思うことは禁止だ危なくなったら中止してやるから安心しろ!」
シルク「風も運が良ければ味方してくれるぞ、状況をおちついて判断し素早く行動しろ!いいな!」
  ガッツポーズをとって誠意をみせる
シルク「いくぞ、俺のこの能力からはじまってすぐ逃げれるよう俺から距離をとれ!」
シルク「はじめるぞ!」
  一方・・・ゼルヴァたちは

〇組織の廊下
ゼルヴァ「しくじったな、アイツの強さを知らなすぎたおかげで時間を無駄に・・・」
ゼルヴァ「ウィルファは今たしか・・・魔力を養うとか言って部屋に引きこもっているんだったか」
ゼルヴァ「差し入れでもしにいこうか」
  歩いて1個目の角のちかくで立ち止まり手を振る
ゼルヴァ「よう、久しぶりだな」
ミズヤ「ご無沙汰しております」
ゼルヴァ「待ってたぞ!おまえの働きぶりをとくと見させてもらうからな」
ミズヤ「ゼルヴァ様の仰せのままに・・・」
  瞬きひとつしないで、しかも表情ひとつ崩さずずっと笑顔のままゼルヴァへ忠誠の姿勢を示す
ゼルヴァ「お前は堅実な人形だとうかがってるぞ!でも、休むときは休んで働く時はしっかり働くメリハリをつけるだけでいいさ!」
ミズヤ「かしこまりました、無理はせず皆様との交流も忘れず楽しく働かせていただきます」
ゼルヴァ「ああ、よろしく頼んだぞ!」
ミズヤ「はい、仰せとご期待のままに」
  すると、彼女はそのまま道なりに進んでその場を離れる
ゼルヴァ「あの子にガラテアの始末を・・・いやそのまえにあの男だな、あいつの剣術と頭の回転は並外れたものだ放っておいたら危ないな」
ゼルヴァ「トップには期待したほうがいいのだろうか、ここのところ弱ってるからな・・・」
ゲルド「いいんじゃねェのー?」
ゼルヴァ「うるさいぞ!!それにお前出入り禁止になったはずだろどっから這って出てきた!」
ゲルド「あれっすよ、金っすよ金で通してもらったっす」
ゲルド「金と復讐は正義っすから」
ゼルヴァ「いつもそればかりではないか」
ゲルド「まっ、このオレが来たからには心配いらねえっすよ力になってやるっす」
ゼルヴァ「失敗したらただではおかんぞ」
ゲルド「はいはい、わかってるっすよ!」
ゼルヴァ「本当だろうか・・・かなり不安だ」
ゲルド「その不安と不信感を越えられるようやらせていただきますよ、んでどこまでが許容範囲?」
ゼルヴァ「ガラテアとウィルファの作戦を邪魔した男この二人は殺すな、オレとウィルファが担当することだからな」
ゲルド「了解っす、そんじゃ明日行かせていただきすね〜」
ゼルヴァ「お前に任せるとしよう・・」
ゲルド「では、また〜」
  両手をポケットに突っ込んだまま離れていく
ゲルド「あ、そうだ乾のやつに手を出すなオレの手柄にする予定だから〜〜」
ゼルヴァ「重々承知している、安心しろ」
ゲルド「ありがとうな!では〜ばーい!」
ゼルヴァ「さて、ウィルファに差し入れをしに行かないと」

〇デパ地下
  出かける前に怪しい者だと疑われたら面倒なので一度着替えてから、車で渋谷のデパ地下にやってきた
ゼルヴァ「きたはいいもののどこも品が個性的すぎてまような」
ゼルヴァ「(むしろどれも同じように見えてきてしまうな、とくに菓子?というのか?こんなの元を辿ればどれも材料同じだろ・・・)」
ゼルヴァ「(人間の欲するものというのは訳のわからないものばかりだ)」
ゼルヴァ「(もっとこう・・・なんていうんだろうか、瀟洒であり役に立てるようなものを売るべきでは・・・)」
ゼルヴァ「まあいいか、考えても時間が無駄になるな」
  すると、そこへチャラついた若い男2人が近づいてくる
ゼルヴァ「なんだコイツら」
男2「まあまあそんな警戒すんなって、アンタみたいな美人そうそういないんだしっさ!」
男1「そうですよ、僕たちとこれからどっかいきませんか?」
  すると、流し髪の男が左肩に手を回してくる
ゼルヴァ「(わざわざこんなことしなきゃ女をそばに置けない人生敗者のくせに生意気な・・・)」
ゼルヴァ「お断りする、それに馴れ馴れしく触らないでもらおうか私の体はお前らのものじゃない」
男2「強気な女性も好きっすよ!だからさ〜」
ゼルヴァ「はやく手をどかせ、邪魔なんだ!こんなところで問題なんかを起こしたくないからはやくしろ」
男1「まあまあ、そんなこと言わずにさ!」
男1「男ウケする容姿なんだからさ!」
  鎖骨あたりまで手を伸ばしてきたら、ついに堪忍袋の尾が切れる
ゼルヴァ「なあ・・・?」
男1「どうしたんすか?」
ゼルヴァ「一回、地上に出ようここでは言えない」
男1「いいっすよ!」
ゼルヴァ「(女に手を出すことの以外の能力は欠けてて助かった)」
  男2人が先に地上を向かっていく隙を狙って、店員へ報告する
店員「なんと!かしこまりました対処しておきますね」
ゼルヴァ「お願いします」
ゼルヴァ「(最近、なかなか事が上手く運ばないぞなんなんだ全く)」
ゼルヴァ「気にしててもダメだな、差し入れを探そう」
  しかし、どこを探してもピンとくるものがない
ゼルヴァ「困ったな・・・・なかなかいいのが見つからないな」
ゼルヴァ(う〜〜・・・ん)
ゼルヴァ「別の店を探すしかないな」
  デパ地下を離れて車に戻っていく前にあの男2人もついでに探しにいく
ゼルヴァ「ん?」
ゼルヴァ「あいつまさか・・」
  駐車場で男の顔を強く握りながら乾の身元を聞き出していた
男1「し、知らねえよ!離せや!!」
ゲルド「そうか、知らないかわかった」
男1「うがっ!!??」
  首の骨を折られて地面に倒れ込む
ゲルド「そこのお前もやられたいか」
男2「え、ちょ!え・・・」
ゲルド「逃げたきゃ逃げていいぞ、最終的には殺めるがな」
  恐怖で足がすくんではそのまま後ろへ倒れてしまう
ゲルド「ほら、逃げてみろよ」
男2「ひっ、ひっ・・・ひぃいいい!!」
  手で地面を這うと、続けて足を動かしバランスかガバガバなまま走り出す
ゲルド「ガチで逃げやがったな、臆病な野郎が」
男2「け、警察!」
男2「はっ・・!?」
店員「あなたですね、他のお客様に迷惑をかけたのは!」
男2「え、あの!ちが、違うんです!訳あって・・・!」
店員「言い訳などは聞かないぞ!警察署の方で話してもらおうか」
  男の手を引っ張って、連れて行こうとしたそのとき
男2「っか・・・はっ・・・」
店員「じ、銃撃音!?」
店員「ななな、何が起きたんだ!」
店員「だ、だれか!」
店員「あがっ・・・」
ゲルド「収穫ナシか」
ゲルド「こんだけ、手間かけさせといて銭一つぐらい用意しといてもらってもいいんじゃないか!わざわざ車で片道1時間かけてきたってのに」
ゲルド「あとであの野郎にせびるか」
ゼルヴァ「死体はどうすんだ!」
ゲルド「あとで基地の焼却炉にぶち込んでおけばいいぜ〜あ、そうだ!金くれよここまで長かったんだぞ?」
ゼルヴァ「はいはい、わかったよ金やればいいんだろまったく・・・」
ゲルド「あざーーーっす!」
ゲルド「そんで、アンタは何しにこっちきたんだい?」
ゼルヴァ「ウィルファへの差し入れを買いにきたんだが、さっき絡んできた男2人もついでに仕留めようかなと思ったんだ」
ゲルド「へえ〜、ウィルファねえ・・・まあ新人だけど結構やるらしいっすね」
ゼルヴァ「あの子には手を出すなよ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:エピソード6 「シルクを突き動かした姉」

成分キーワード

ページTOPへ