-ガラテア-

ザクロ

エピソード6 「シルクを突き動かした姉」(脚本)

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〇屋敷の書斎
シルク「長くなるがいいか?」
  縦にうなずいてシルクの手の甲に自分の手を重ねる
シルク「ありがとう、それじゃ話すぞ」

〇綺麗な港町
  時は2019年4月6日の午後5時、港町で夕食を食べに出掛けていた
シルク「”お姉様”、こちらです」
アルト「あら、シルク扉開けてくれてありがとう」
シルク「いえいえ、お姉様の弟ですから当然ですよ!」
アルト「ふふっ、健気でかわいらしいわね」
アルト「それでは先に行かせていただきますわ」
シルク「ごゆっくりお進みください」
  扉を右手で押さえて、姉が中に入ったらゆっくりと扉を閉める

〇ホテルのエントランス
シルク「おお、豪華なホテルですね」
アルト「そうね、”貴方はわたしと2人だけで2泊3日過ごせる”とは思わなかったわよね?」
シルク「え、どういうことですか?」
シルク「わたしはてっきり父上も母上もいらっしゃるご予定なのかと・・・」
アルト「ふふふっ、そんなわけないじゃないいつもアタシたちのためにがんばってるご褒美ってわけよ」
アルト「さあいきましょう、時間は有限ではないのよ」
シルク「は、はい!仰せのままに」
  シルクはそわそわしながら姉についていく

〇ダブルベッドの部屋
アルト「やったわ!ここで一緒にアタシと遊びましょう」
シルク「ね、姉様・・・いくらなんでもこれは父上などにバレてしまったら・・」
アルト「大丈夫よ、アタシが責任取るから」
アルト「子供作るとかそういう変なことするわけではないのだから大丈夫だわ」
シルク「わかりました、信じて・・おきます」
アルト「わかればよろしいぞ!」
アルト「それでは、これから!アタシとともにカードゲームをしようではないか!」
シルク「なんだかいろいろ急すぎてついていけてないですが・・・まあいいです」
アルト「うむ!ではでは〜シルクが配ってくれるかしら?」
シルク「はい、喜んで」
  アルトと自身の両方に半々となるように配る
アルト「配り終えたようですわね、どっちから始めようかしら?」
シルク「姉様が先攻でよろしいですよ」
アルト「有利な後攻を選ぶとは利口ですわね!」
シルク「よろしければ私が先攻でもよろしいですよ」
アルト「よ、よろしいのです?不利になってしまわれますわよ?」
シルク「いえ、全然気にしないですよそれに不利な場面から有利な場面へ先駆けるのがバトルですから」
アルト「ふふっ・・言われてみればそうねあなたの言う通りですわ!ではアタシが後攻でいきますわ!さあ、貴方の力とくと見せてみなさい!」
シルク「では、いい戦いにしましょうね姉様」
アルト「のぞむところですわ!」
  そして、決着を互いが譲ることなく結果的に1時間と続いてしまい結果あがりをいただいたのは・・・
アルト「あっがり〜〜〜〜っ!!」
アルト「次、アタシに勝負を挑んでくるときは自身満々なことを言っても後に恥をかかないぐらい力をつけてくる事!」
シルク「ま、まさか負けるとは思わなかった・・やはり姉様の言うとおり先攻は不利なのですかね」
アルト「いや、ほんとは知らないのですわ」
シルク「・・えっ!!?」
アルト「確実なことは言えないけどおそらく、これは運と自分の直感を信じるのがいいだろう」
シルク「なるほど勉強になります、大切なのは自分を信じること・・ですね」
アルト「シルクはかなり飲み込めがはやいから期待しているわよ!」
シルク「そのご期待に沿い、かならず姉様とこの血筋を守りぬきます」
アルト「お〜!頼もしい!ますます期待したくなるわ」
アルト「シルク?」
シルク「はい、いかがなさいました?」
アルト「もう一戦・・・やってもいいかしら?」
  上品な舞妓が客を誘惑するときに扇子で口元を隠す動作を真似して、トランプで口元を隠し誘惑する
シルク「まったくはははっ・・姉様は相も変わらず人を誘惑するのがお得意ですね、いいですよもう一戦やりましょう」
アルト「むっ、今なにかぼそっと言ったかしら?」
シルク「いえ、なんも気に触るようなことは言ってませんよただただ可愛らしいな・・・そう言っただけです」
アルト「いまいち信用ならないですわ、こうなったらこのゲームでぎゃふんと言わせてやりますわ」
シルク「のぞむところです!」
  果てしない双方の札の切り捨て、集中力をたぎらせ自信にまかせて一枚の札を指でついばみ表に返し自身のカードのもとへ持ってくる
  手元にある孤独な最後の一枚と引いた札はどちらとも同じ顔、二枚を重ね合わせてテーブルに落とす
シルク「姉様、今度は私があがらせてもらいました」
アルト「おお、なんと・・・!アタシが負けてしまいましたわ」
アルト「シルク、アナタやりますわ!」
シルク「いえ、姉様のお言葉のおかげです!姉様の先ほどのお言葉がなければきっとわたしはまた負けていたでしょう」
アルト「そ、そうかなんだか照れるな・・」
アルト「・・よしこれでこのゲームはお終いですわ!あ、ねえシルク?」
シルク「はい」
アルト「そろそろお洋服新調しないといけませんわね、そんな不良みたいな格好しててはイメージが悪くなりますわ」
シルク「確かに言われてみれば・・・あまりこういうカッコウをしてて父上や母上は了承してくれていたので普通なのかと思ってました」
シルク「姉様のタイミングでご一緒に服、買いに行きましょうか」
アルト「そうですわね!シルクにも似合ってなにしろ貴族としてのイメージを崩さない服、見つけに行きましょう」
  その後は2人でまったりとホテルで憩い、時間は気がつくと21時になっていた
  アルトはベッドに横になっていたシルクを連れて、ホテルのエントランスへ向かう

〇アパレルショップ
  日帰りの予定なので受け付けでチェックアウトを済ませ、目的の洋服を買いに出かける
アルト「ここがアタシ通いつけのアパレルショップですわ」
シルク「広いですね」
アルト「シルクもそう思ってくれてアタシは嬉しいですわ!」
アルト「では一緒に探しましょう〜」
シルク「あせらずゆっくりで構いませんからね」
アルト「うむ!」
アルト「これはどうだ?」
  手に取って見せてきたのはオレンジの水玉が上から下にかけて描かれた水色の服
シルク「えっ!う、え?」
アルト「あははっ!困惑していますわね冗談でございますわよ〜シルクがいまも子供でしたら買ってあげましたわね」
シルク「さすがに・・はい・・・」
シルク「で、でも新しく父上と母上の間に子供ができたら買ってあげてもいいのではないでしょうか」
アルト「それもそうですわね!あたらしい子・・・考えるだけで楽しみですわ」
シルク「女の子か男の子・・私であれば女の子ですかね男として女の子を護るべきですし」
アルト「あらあらカッコいいですわね!ほんとにシルクは頼もしいですわ」
シルク「それほどでもないですよ」
アルト「またまた照れ隠し〜」
シルク「うっ・・・そ、それよりも服を探しましょう」
アルト「ふふっそうですわね・・・再開しましょうか」
アルト「んーいいのがないですわね」
アルト「・・・あっ!」
アルト「これいいのではないかしら、アタシのと一緒ですわよ」
シルク「姉様と一緒の服ですか!」
シルク「いいですね!」
アルト「ふふっ、サイズもちょうど良さそうですわね、早速試着してみて欲しいですわ!」
シルク「はい、かしこまりました!」
アルト「楽しみですわシルクがアタシのと一緒の服を着てくれるなんて・・・!」
  心を弾ませずっと笑顔を咲かせる
  シルクの試着が終わるまで店の外で待っていると・・・
  「キャー!!」と、若い女性の叫び声が施設内に響き渡る
アルト「なんだ、誰か叫んだぞ!」
  急いで階段へ走って行き、一階へ降りていく

〇東急ハンズ渋谷店
アルト「なにがあったんだ」

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