二者択一パラダイムパラダイス

ぽむ

エピソード22(脚本)

二者択一パラダイムパラダイス

ぽむ

今すぐ読む

二者択一パラダイムパラダイス
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇奇妙な屋台
店主「コンバンワ〜」
ユズル「こ、こんばんは。 あの〜いつも隣りにいるマッチョの人いますか?」
店主「今日ねえ、お休みなの〜 なにか御用でした? まぁお茶でもどうぞ」
ユズル「ありがとうございます。 ちょっと相談に乗ってほしくて、来たのですがお休みだったんですね」
店主「ワタシで良ければ聞くわよ〜」
ユズル「ええ、実は困ったことがありまして・・・」

〇葬儀場
ユズル「本日は、父の葬儀にお集まりいただきまして、ありがとうございます」
ユズル「生前、祖父は陰陽五行 「火・水・木・金・土」の 火の継承者として名高く務めてまいりました」
ユズル「お集まりの親族の皆様、 父は生前に遺言書を残しておりまして、 この場で公開するようにと」
ユズル「伺っております。 弁護士様、お願いします」
顧問弁護士「では開封させて頂きます。 「20☓☓年○月☓日、孫のユズルに 陰陽継承権の全てを譲り、 有する全ての財産を相続させる。」」
顧問弁護士「「遺言者は遺留分割権利者が遺留侵害請求をしないことを求める。」 お静かに。」
セレブ「・・・」

〇奇妙な屋台
ユズル「それからというもの、 何かが僕を狙ってるとしか思えない事件が多発していて・・・」
店主「どんなの?」
ユズル「車が待ち伏せていたり、 上からモノが落ちてきたり・・・ 後ろから突き飛ばされたり。」
ユズル「相続の日を迎える来週まで 生きのびられるかどうか。 というのも、僕の陰陽師としての能力は、まだ不完全でして」
ユズル「気持ちの弱さなのでしょうか、 術が不安定なのです。 それでマッチョさんに、ボディガードとして頼もうかと思っていたのです」
ユズル「気のせいで済めばいいのですが、あきらかにおかしいんです」
店主「あらそう〜」
店主「じゃあとりあえず、 アナタにお守り渡しておくわ。 ワタシからマッチョさんに話しておくから、きょうは、もうお帰りなさい」
店主「気持ちを強く持つことよ! しっかりね!」
ユズル「わかりました。 また来ます。 お茶ごちそう様でした。 お代はこちらに置いておきます」

〇住宅街の道
  スタスタスタスタ
  
  ピタッ
ユズル「・・・」
ユズル「なんか気配がする」
  スッ
マッチョ「大人しく言うことを聞けば 手荒なことはしない」
ユズル(そう、気持ちを強く・・・ 気持ちを強く持つ・・・)
ユズル「そんなことをしても、 なにもアナタの手に入りませんよ」
マッチョ「どうしてお前ばかり・・・ ワタシはあの方の後継者だぞ」
ユズル「僕も小さい頃から過酷な修業をさせられていた。 一時は反発心もあったが、いまは僕が正当な継承者だ。手出しはさせない」
マッチョ「くそっ」
ユズル「第二朱雀火神家在午主口舌懸官凶将!騰虵・騰蛇! 急急如律令!」
ユズル「手出しはさせないと 言っただろう!」
マッチョ「ちっ」
ユズル「危なかった・・・ 普段は、あんなに力が出ないのに。 お守りのおかげかな・・・」

〇屋敷の寝室
ユズル「ふう。ただいま。 あっ!」
セレブ「お帰りなさい♡」
ユズル「なにしてるんですか。 早く部屋から出てください」
セレブ「あらつれない お坊ちゃんだこと。 男女が二人ですることと言ったら、ねえ♡」
ユズル「ふざけないでください! あまり手荒なことはしたくないのですが!」
セレブ「おーこわ。 きょうは退散するわ。 またね♡」
セレブ(あきらめないわ、 だって玉の輿が待ってるんだもの)
ユズル「まったく・・・」

〇古風な和室(小物無し)
セレブ「もう〜失敗しちゃったん」
マッチョ「ワタシもです」
マダーム「どうにかしてアイツを追い出してやりたいワ・・・」
マダーム(私はオジサマの後妻なのに、 なぜ相続権がないの? おかしいじゃない?)
マダーム「なんか、いい方法はないかしら・・・」

〇屋敷の寝室
ユズル「眠い、けどゆっくり眠っているわけにもいかない」
ユズル「また奴らが何か企んでるに違いない。 早めに家を出よう!」
ユズル「左に青龍、右に白虎、前に朱雀、後に玄武、前後扶翼、急々如律令・・・!」

〇屋敷の大広間
マダーム「おはよ〜う お坊ちゃん〜 朝のご飯ですよぅ〜」
マダーム(たっぷり毒入りのね! オホホホホ!)
マッチョ「もう、どこにもいないようですよ!」
セレブ「おー彼がいない 今なら屋敷を探し放題?」
マダーム「そうよ! 宝物庫の蔵へいそぎましょ!」

〇奇妙な屋台
店主「おはよう!早いのねぇ!」
ユズル「すみません朝早くから」
店主「いいのよ、朝の掃除が終わったところだから。 朝ごはんもまだでしょ?ハイドウゾ!」
ユズル「わぁ!豪華ですね! いただきます!」
店主「腹が減っては戦はできぬ!よ。 食べないとね!」
ユズル「ありがとうございます、 うぅ・・・ 落ち着いて悲しむことも、 できないなんて・・・」
店主「お祖父様にはきっとアナタの気持ちが、届くわよ。 だから大丈夫!」

〇武器庫
マダーム「なあにココ? 金目のものがないじゃない!」
マッチョ「武器庫のようですね!」
セレブ「オーカッコいいー」
  ジャキッ
マダーム「なによ!アブナイじゃない! しまってよそんなの!」
セレブ「アナタタチを倒せば! ワタシが独り占めよ!!!」
  ダダダダダダダダ
セレブ「ウフ ウフフフ」

〇大きな木のある校舎
謎マッチョ「ちょっとだけ待っていてくれ。 荷物を取ってくる」
ユズル「なんとか学校には来れたし、 奴らも中までは入ってこないだろう」
セレブ「と思った?〜 ざんね〜ん」
ユズル「いつの間に!」
  ジャキッ
セレブ「大人しくついてきなさい!」
ユズル(ま、マッチョさん・・・ すみません・・・)
謎マッチョ「しまった!遅かったか!」

〇田舎の線路
ユズル「ここは・・・?」
セレブ「線路の上!」
セレブ「アナタは悲観して ココで亡くなるのよ!」
セレブ「さぁ選びなさい! ワタシと結婚して幸せに暮らすか! このままサヨウナラか!」
セレブ「はやくワタシと結婚したいって お言いなさい! ほら!列車が来ちゃうわよ〜」

〇空
ユズル(どうする? 死ぬか、要求を受け入れるか、 二者択一)
ユズル「って、死ぬわけにはいかない! 式の神よ!我に仕えよ!」
ユズル「お願いだ・・・僕の力よ」
セレブ「ちなみに〜 あの電車には爆弾が仕掛けてあるから〜 アナタが答えてくれないと、 通過時に自動的に爆発するの〜」
セレブ「さぁ答えなさい!」
  キラリラリーン
  ビシッ
セレブ「痛っ、何?」
火の鬼神「我が主人よ、火の鬼神 ここに参上つかまつる。」
セレブ「なによこれ、熱いじゃない」
セレブ「ぎゃああああぁぁぁ!」
ユズル「六根清浄急急如律令・・・」

〇田舎の線路
謎マッチョ「列車はワタシが受け止める!」
  ガシッ
  
  ギギギギギー
謎マッチョ「止まった」
謎マッチョ「スマナイ、ワタシが目を離したせいで・・・」
ユズル「いいんです。おかげで、 僕の能力が、完全に目覚めました! ありがとうございます!」
ユズル「これで胸を張って継承できます! 祖父に恥じないような陰陽師になれるでしょうか」
謎マッチョ「あぁ、なれるとも!」

〇奇妙な屋台
謎マッチョ「というわけでして」
店主「そう〜ヨカッタわねぇ〜」
店主「強さはジブンを信じるところから よねぇ〜」
店主「サテ店じまい店じまい」

コメント

  • 電車を止めるマッチョさん……まるでテリー●ンみたい(おっと年齢が…)マッチョさん達のような外からの支えがあっても、最終的には自身の力で、、、心地よいお話ですね!

  • マッチョさんに助けを求めたのもよかったけど、最終的には自分自身の力試しができた結果で本当によかった。私達の日常にも、似たようなシーンがありますが、店主の言われる通り、自分を信じることで強くなれるんだと納得です!

  • みんなおじいちゃんが亡くなったことを悲しまず、
    お金お金って必死で嫌な感じですよね🥲
    悲しいけどああいうタイプの人間は一定数居ますよね。
    あんなふうになりたくないと思いました😌

成分キーワード

ページTOPへ