星売りのメテオシスター

オカリ

1-10. 人物相関図で振り返る総集編(脚本)

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〇宇宙空間
  2017年10月
  太陽系外より飛来した
  恒星間天体「Uー1」
  地球との衝突こそなかったものの
  オウムアムア(来訪者)と
  呼ばれたその天体は──
  小さなカケラを地球へ産み落とした

〇黒
  その小破片が落ちた先は──

〇地球
  地球の

〇東京全景
  日本の

〇平屋の一戸建て
  片田舎にある小さな一軒家
  隕石はそれを──

〇源泉
  クレーターに変えたッ!

〇黒背景
  その落下点の間近で
  星に願いを捧げた少女
  「長岡茉莉 (ながおか まつり)」
  何もかも吹っ飛んだ彼女は
  ──決意する
  隕石もクレーターも
  全部売っぱらって
  妹の治療費‥‥
  3億円を稼ぐとッ!!
  第1〜10話
  人物相関図で振り返る総集編

〇病室のベッド
  長岡茉莉の妹
  長岡花陽 (ながおか はなび)
  姉の何気ないひと言
  「星にでもなったんじゃない?」
  がキッカケで
  両親は本当に星になったと
  信じ込んだ少女
  ‥‥さすがに今は方便だったと
  半ば気づいているらしいが
  一度火が点いた興味は
  留まることを知らず
  趣味は天体観測
  特技は星座の暗唱
  将来の夢は宇宙飛行士と
  ガチガチの宇宙オタクに
  なった少女・・
  ──の心臓に問題があった

〇炎
  心臓の免疫異常
  抗体が心筋のタンパク質を破壊
  血液の送出能力を著しく低下させ
  今の進行速度では──

〇病院の診察室
  「もって1年」と
  担当医、村上はそう言い放った
  対処法として補助人工心臓の
  取り付け手術を提案
  しかしあくまで時間稼ぎ
  完治には心臓移植しかなく
  国内の臓器提供者が少ない以上
  海外に頼らざるを得ない
  医療費の前払い金、渡航費
  現地滞在費も考えると
  その総額は──

〇源泉
  『3億円』
  隕石衝突はピンチではない
  最大のチャンスだ
  妹の治療費を稼ぐため・・
  生放送で「隕石売ります」発言
  長岡茉莉は──
  全て利用して3億を稼ぐ、と決意した!!
  ここまでの相関図

〇黒
  ところ変わって──・・
  北米・某所

〇諜報機関
  North American
  Public Order adm.
  北米治安維持局 (NAPO)
  ここに1枚の報告書が
  挙げられていた
  タイトルは・・
  『太陽系外から飛来した天体に
   文明関与の可能性』
  圏外調査部の長・・
  Prof.ウィラメットの見解である
  早期確保を提言する
  ウィラメット氏だったが
  「我々が確保に動いた」と
  敵国に悟られたくない事情から
  秘密裏に私兵を動かす

〇SNSの画面
  幸いなことに、隕石には
  不可解な点が多くあった
  『サイズとクレーターの
   規模があってない』
  『真球だなんてあまりにも
   綺麗すぎる』、などなど
  常識外の価格を提示した
  長岡茉莉の行動も相まって
  フェイク疑惑も出てくる始末

〇諜報機関
  悪くない流れだ
  既に日本の研究機関が
  隕石確保に動いたが
  その組織はウィラメットの
  かつての教え子である──

〇化学研究室
  糸魚川耕三の所属する組織
  日本地惑研究開発機構
  通称JEPRA(ジェプラ)
  のみであった
  しかし、当の隕石所有者は
  3億円で売るという
  そんな予算が許されるハズもなく
  業を煮やした糸魚川教授は
  「手段問わず隕石持って来い」
  と部下に無茶振りをかます
  任期付きの雇われ研究員
  ──粟島弥彦に

〇大きい研究所
  研究成果が足りず、次の職すら
  危うい粟島は断れなかった
  年齢・キャリア・業績──
  彼自身も崖っぷちだったのである
  なんとか『借りる』方向で
  隕石を解析できないか画策

〇病室の前
  長岡茉莉への接近を試みた
  何度も通報されかけるが
  めげずに接触を続け・・
  渋々ながらもクレーターの
  調査許可をゲット

〇源泉
  掃除など雑務をこなしつつ
  周囲を探索
  衝撃でモノが飛び散る
  範囲を推定して
  分け入った山間にて・・
  あるモノを発見してしまう

〇山中の坂道
  ガレキではなく──
  落ちていた『人の腕』
  スラリと細長い手指は
  男性のモノと思えず
  思い浮かんだのは

〇病室の前

〇車内
  持ち主不明の腕を拾った粟島
  人の腕ならば地学でも
  天文学でもないと判断

〇おしゃれな大学
  かつての同期である研究者
  東能大学に研究室を構える才女

〇研究所の中
  魚沼ひかり准教授を訪ねる
  異臭もなく、腐食もなく
  体表が白くなった人の腕
  「コレは面白い」と快諾した魚沼
  手始めにCTとMRIで解析する
  現れたのは極端な描画の差
  MRIでの映りが悪い
  怪訝に思った魚沼は切開を決断
  中身まで真っ白の腕
  体液の一滴も流れない
  筋繊維が形を崩さず
  血と体液を抜き取ったスポンジ

〇黒
  まるで細胞を調べてから
  『命』だけ抜き取って捨てた
  そんな印象の腕だった──
  ここまでの相関図

〇屋上のヘリポート
  一方その頃
  長岡茉莉の3億円計画は
  着々と進んでいた
  協力相手は「隕石売ります」発言を
  最も近くで聞いていた人物

〇源泉
  TNテレビのリポーター・・
  佐渡トキ子である

〇テレビスタジオ
  SNSのホットワードは
  「隕石少女」に「3億円」
  切り抜き動画が世間を賑わせ
  ネット競売では偽物が乱立
  佐渡トキ子は思った──
  「成り上がるチャンスだ!」

〇オフィスの廊下
  トキ子は野心家である
  リポーターで収まる器ではない
  報道、司会、アナウンサー
  番組企画もお手のもの
  目指す将来は・・
  『超辣腕マルチタレント!!』
  そんな彼女にとって長岡茉莉は
  与し易い絶好のピエロだ
  茉莉をダシに、ある企画を提案する
  題して『逆転Bidder!』
  リアルタイムオークションバラエティ
  隕石競売を目玉にしたネット番組である
  柏崎Dの反応は上々
  企画会議での提案を約束した

〇ビジネスホテル
  一方、長岡茉莉にとっても
  オークション『番組』は渡りに船だ
  なぜなら隕石が
  「3億円では売れない」
  と確信していたから
  過去、隕石のオークション最高値は
  1億円にすら届いていない
  『月の石』こと月隕石ですら
  2.7億円だったという
  だからこそ彼女は自分を
  道化に仕立て上げた
  隕石だけではなく『私』に
  注目させるため
  「実家が消滅した少女」
  「なぜ3億円にこだわるのか」
  「実は難病の妹が──」と
  徹底的に世間の同情を買っておく

〇劇場の舞台
  オークションはきっと失敗する
  3億円には達しないだろう
  絶望に打ちひしがれた姿で
  同情が最高値に達した時──
  第二の矢・クラウドファンディング
  要は募金活動を開始
  落札額の不足分を知名度で補い
  一気に3億円へと繋げる
  ・・という計画だったが
  そう上手くいくハズもなかった
  ここまでの相関図

〇撮影スタジオのセット
  「上からストップがかかった」
  「なので例の隕石オークションは・・」
  「お蔵入りってコトでヨロシク!」
  ──と、まさかの計画頓挫
  原因はとある記事が
  出回ったせいだ

〇高速道路
  『正体は詐欺師か──』
  と煽るようなタイトル
  この報道にTNテレビの編成局が反応
  「ネット番組とはいえ
   局の名前を背負っている」
  「詐欺の片棒を担ぐワケにはいかない」
  と番組にストップがかかった
  当然、佐渡トキ子
  怒り心頭である
  記事撤回を求めて週刊芸秋に
  殴り込みをかけたッ!

〇綺麗な会議室
  相対するのはこの男
  『軽薄に暗躍』がモットーの
  胡散臭いフリーライター
  妙高新太(みょうこう あらた)である
  トキ子は記事訂正を求めるも
  妙高新太はコレを受け流し
  「事実に反しておらず」
  「識者の声を載せただけで」
  「訂正の余地なんてない」
  「だけど、もし隕石である
   決定的な証拠があるならば」
  「その時はしっかり書きますよ」と強調
  だが一度調べた隕石は
  実態が分かり価値が下がる
  その可能性を考慮して
  避けていた長岡茉莉
  しかしニセモノ疑惑で
  何もできなくなるくらいなら──
  いっそ正式に調べるのも
  やむを得ないか?と揺らぐ
  「アテがないならお任せ下さい」
  「実は北米の方にツテがあり──」
  と、ここでトキ子ストップ
  好き勝手させてたまるかいと
  茉莉を連れて撤退する

〇超高層ビル
  しかしこのままではマズい
  証明が必要なのはもっともだ
  そこでふと、思い至る
  身近に専門家がいたではないか

〇病室の前

〇超高層ビル
  個人としては信用できないが
  組織の肩書きは真っ当だ
  粟島に隕石の解析を頼もうと決意する
  トキ子も茉莉の行動を信じて
  オークション番組の制作に入った
  もちろん、話題の熱が冷めない内に
  番組を始めたい意図もあったが
  もはやビジネスで割り切れない
  思い・・・も多少あった

〇病室のベッド
  そんな茉莉とトキ子が
  相談していた一方で
  姉の居ぬ間に妹へ近づく男が1人
  狙いは隕石の隠し場所
  舌先三寸で聞き出そうとするが
  「おウチ帰ったらねえちゃと星を見る」
  「その時はハナビが先生役!」・・と
  笑顔で明るい将来を話す姿に
  今まで鬱積したストレスが爆発
  「ハナビちゃん余命1年だって」
  「宇宙飛行士も星の先生もできないね」
  と、粟島は最悪の憂さ晴らしをした
  当のハナビは──
  まさかの真顔である
  「いま、イジワルしたでしょ?」
  ニコリと笑って指摘して
  「ねえちゃがいるから
   ぜったい大丈夫なんだ」
  と、全く揺らがない姉妹の信頼関係
  眩しさに当てられたのか──
  憑き物が落ちた顔で謝る粟島
  もう当初の目的は忘れて
  謝罪の意味も込めて
  宇宙と星のお喋りをする
  穏やかなひと時を過ごした

〇救急車の中
  その翌日、ハナビ転院の日

〇車内
  「ハナビが気を許した相手なら・・」
  と最後のひと押しも効いたのか
  隕石の貸し出しを決意
  解析を許可することに
  ただし番組の編成会議まで時間がない
  「3日以内で結果を出せるなら」
  と条件を付ける
  通常なら1カ月かかる解析を
  3日でやれ、という無茶振り
  「今すぐ始めて泊まり込みで何とか」
  と了承する

〇田舎の病院の病室
  ハナビの転院を見届けたあと
  茉莉は早速隕石の解析に向かう

〇田舎の病院の廊下
  道すがら看護師に
  「妹にもし何かあったら
   連絡して欲しい」と頼んでから
  急ぎ粟島の車へ

〇おしゃれな大学
  粟島と茉莉は研究所へ車を急がせる

〇研究開発室
  ぶっ続けで車を飛ばして
  JEPRAの研究所へ到着
  茉莉は隕石を胸元から取り出し
  粟島に手渡した
  解析が始まり、茉莉も
  その様子を見守るが──
  病院から「花陽の容態が急変した」
  との一報が入る
  猛然と駆け出す茉莉
  慌てて追いかける粟島

〇改札口前
  ギリギリ特急の最終便に
  間に合った茉莉は──

〇新幹線の座席
  急ぎハナビの元へと戻るが

〇田舎の病院の病室
  急いで帰ってみれば
  当の本人は全然元気である
  「ではあの電話は?」
  と疑問を残しつつ
  妹の無事に安堵するあまり
  ドッと疲れが押し寄せ
  側で一晩を過ごすことに

〇宇宙空間
  その晩は、いつも肌身離さず
  持ち歩いていた隕石を
  初めて手放した夜だった
  ここまでの相関図

〇黒
  翌日、長岡茉莉が研究所へ
  急いでみたら・・
  粟島研究員は既におらず
  隕石を持って海外に
  飛びたったという
  あらすじはここまで
  ここからは──

〇飛行機内
隕石ハンター「ふぅむ」
運び屋ちゃん「・・・・・・・・・ドシタン?」
運び屋ちゃん「・・・・・・・・・ハナシキコカ?」
隕石ハンター「なに、大したことじゃない」
隕石ハンター「『三方よし』に飽きたからね 次の格言を探してたのさ」
運び屋ちゃん「・・・・・・・・・アキダルハ オトガタカイ」
隕石ハンター「空き樽は音が高い、か 言ってくれるなぁ」
隕石ハンター「おっと、上の連中かな?」
隕石ハンター「『北米に目立った動きはなし』 『こちらでは対処しない』」
隕石ハンター「『やりたきゃ勝手にやれ・・』 つれない返事だ」
運び屋ちゃん「・・・・・・・・・・・・・キナイモード」
隕石ハンター「看過してくれると助かるよ あとメール1通だ」
隕石ハンター「相手に動きはない、つまり 『慎重にならざるを得ない』」
隕石ハンター「・・という可能性もあるからね」
隕石ハンター「中枢ではなく末端、天文台あたりを 探るよう進言しておこう」
隕石ハンター「・・」
隕石ハンター「──荒事になる予感がする」
隕石ハンター「そうだな、次の格言は・・」
隕石ハンター「兵法家から拝借しようか」

〇黒
  最後の相関図

次のエピソード:11.嘘から出た真

コメント

  • まとめと相関図でとても分かりやすい!
    この先どうなるのかドキドキです

  • ほとんど覚えてましたがそういや三方よしって言う隕石ハンターいたな。そして運び屋ちゃんの喋り方が良いですね。
    続編、お待ちしてます。

  • ここまで全話読んで、2割くらいしか理解できていないかも
    しれませんが、タップノベルの中で一番面白かったです!

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