メタリアルストーリー

相賀マコト

エピソード53(脚本)

メタリアルストーリー

相賀マコト

今すぐ読む

メタリアルストーリー
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇荒野の城壁
  ニルはガルバニアスを倒したときと同じく、右腕を巨大なブレードへと変化させた。
ニル(あのときと同じだ・・・。 体中にエネルギーがあふれてる。 これなら通用するかも・・・!)
  ニルは右腕にあふれるエネルギーをそのまま斬撃としてミリアドラへとたたきつけた。
ニル「はあああああ!!」
ミリアドラ「こ、これは・・・!!」
ミリアドラ「くっ!!」
  ミリアドラはニルの斬撃を紙一重で避ける。
  ニルの攻撃は地面をえぐり、近くの森の一部を吹き飛ばした。
ニル「よ、避けられた・・・」
ニル「だ、だめだ、力が・・・」
  巨大なブレードは溶けるように崩れ、ニルは立っていることができずに膝をついた。
ニル「はぁ、はぁ」
ニル(ま、まずい・・・。動かないと)
ミリアドラ「・・・・・・」
ニル(あれ? 攻撃してこない?)
  ミリアドラはなぜか立ったままじっとニルを見つめている。
ミリアドラ「その右腕・・・、まさか、あやつの・・・」
ニル「この右腕のこと、なにか知ってるのか!?」
ミリアドラ「・・・知っている。 その右腕と、よく似た力を持つ者を」
ニル「!!」
ニル「どんなことでもいい、教えてくれないか!」
ミリアドラ「・・・・・・」
ミリアドラ「ふぅ」
ミリアドラ「おい、ニルと言ったな・・・。 おぬし、親はいるのか?」
ニル「・・・俺は捨て子なんだ。 生まれてすぐ俺を育ててくれた人の家の前に捨てられてたんだ」
ミリアドラ「・・・そうか、あのときの・・・。 どうりでなにも知らぬわけじゃな」
ニル「!?」
ニル「なにか知ってるのなら教えてくれ! 俺は自分の正体が知りたくてこの国に来たんだ!」
ミリアドラ「・・・・・・」
ミリアドラ「・・・・・・」
ミリアドラ「いやじゃ!」
ニル「え、そ、そんな・・・」
ミリアドラ「くふふ。 旧友に会いに来たら思わぬ出会いがあったな!」
ミリアドラ「そうじゃな、教えてやってもよいが、条件がある!」
ミリアドラ「おぬし、『闘機祭』は知っておるか?」
ニル「え? 知ってる、けど・・・」
ミリアドラ「なら話は早い。 ニル、『闘機祭』に出場して優勝しろ」
ミリアドラ「もし優勝できたのなら、おぬしの正体について教えてやる」
ニル「え・・・? 『闘機祭』と俺の正体となんの関係が?」
ミリアドラ「なんでもよい! とにかく、優勝すれば教える。できなければ教えん」
ミリアドラ「これ以上ないくらいわかりやすかろう?」
ニル「・・・・・・」
ニル「わかった。 出場して、優勝すればいいんだね?」
ミリアドラ「その通りじゃ!」
ミリアドラ「・・・さて、ほんの少しの息抜きのつもりがずいぶん長いこと遊んでしまったの」
ミリアドラ「ヤン! おるか!」
  ミリアドラが手を叩くと、近くの草陰から真っ黒服を着た黒髪の女性が現れた。
ヤン「陛下、呼びましたか?」
ニル「!?」
ニル(どこから出てきたんだこの人!?)
ニル(それにミリアドラほどじゃないけどものすごいエネルギーを感じる)
ニル(この人もギアーズなのか)
ミリアドラ「おー、待たせてすまなかったな。 帰るぞ」
ヤン「はぁ・・・。 毎回言ってますけど、今度からはもっと短くしてくださいよ?」
ヤン「毎回付き合う身にもなってください・・・。 ローデリア様に怒られるのは私なんですからね」
ミリアドラ「わかったわかった。 ローデリアにはわらわからもよく言っておく」
ヤン「はぁ、よろしくおねがいしますよ・・・」
  ヤンと呼ばれた女性はそう言うと、突然その場にうずくまった。
  と、見る間にその女性の身体が変形し、あっという間にドラゴン型のギアーズとなった。
ニル(・・・!!)
  ミリアドラは、ドラゴン型になったヤンにとことこと近づくと、その背の上に飛び乗った。
ミリアドラ「ニル、無理やり付き合ってもらって悪かったの。 おぬしに会えてよかった」
ミリアドラ「『闘機祭』、楽しみにしておるぞ」
ニル「は、はい」
ミリアドラ「それと、さっきおぬしは、自分が人間だといったな?」
ミリアドラ「この国は、人でもギアーズでもあれる国だ。 この国をよく見て、どちらであるかよく考えてほしい」
ミリアドラ「頼んだぞ」
ニル「・・・・・・」
  ドラゴン型のギアーズは大きくひとつ羽ばたいて上空へと上がると、どこかへ飛び去っていった。

〇荒野の城壁
「ニル―!」
  ミリアドラが消えた空をぼーっと見ているとニルの名前を呼ぶ声が聞こえた。
  名前を呼ばれて驚いて声の方を見ると、アイリ、エルル、エミリアがニルに向かって必死に走ってきていた。
アイリ「ニル!」
ニル「アイリ! みんな!」
アイリ「大丈夫なの!? ケガはない?」
  アイリはすごい剣幕でニルに質問した。
  ニルは苦笑しながら答えた。
ニル「うん、大丈夫。ケガはないよ。」
エミリア「よかった・・・。 連れ去られたと聞いたときは心配したぞ!」
エルル「はぁはぁ」
エルル「しかもニルさんが飛んでいった方からものすごい音と衝撃が来て・・・。 私はもうだめかと・・・」
エルル「本当にケガがなくてよかった・・・」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:エピソード54

成分キーワード

ページTOPへ