プロローグ『捨てられた執事』(脚本)
〇車内
小早川義道(こばやかわ よしみち)「どうも、乗せてくれてありがとうございます」
ミドリ「ええで、ちょい変わった格好やさかい、興味を持ったんどす。あ、ウチはミドリっていいます」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「どうもはじめまして」
僕の名前は小早川義道
知らない土地で困ってヒッチハイクしていたところをミドリさんに助けられた
小早川義道(こばやかわ よしみち)「──、」
ミドリ「へぇ・・・、小早川義道はんどすか」
ミドリ「それにしても義道はん、あんたえげつのう変わった格好してはりますなぁ」
ミドリ「執事?」
ミドリ「いったいどうしたんどす?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「これには色々事情がありまして・・・」
遡る事数時間前
〇空
僕が目が覚めてまず先に見えたのが、”お屋敷”の絵画の描かれた豪華な天井ではなく、綺麗な青空だった。
〇田舎道
そして、辺りを見渡すと知らない田舎の風景
小早川義道(こばやかわ よしみち)(ここは何処だろう・・・)
命令、好きにセヨ
小早川義道(こばやかわ よしみち)(最後に胸元にはこの手紙一枚で、あとは何も無い)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(けど、こんな状況になったのには思い当たりがある)
〇貴族の応接間
お嬢様「小早川、一つお前に尋ねるわ」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「ハイ、何なりと!」
お嬢様「もしもお前がたった一人で何もできない状況に陥った場合、どのように行動する?」
僕がお仕えしているお嬢様は、たまにこんな感じで人の資質を見極めるような問いかけをなさる
そしてこの時僕は、お嬢様の問いかけに応じる事ができなかった。
お嬢様「はぁ・・・即答できないのか」
お嬢様「期待外れ、下がれ」
〇車内
小早川義道(こばやかわ よしみち)(好きにセヨ、か・・・)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(要するにお前は期待外れだから好きにしろって事か)
突然の情け容赦の無い解雇通告に、僕はとてもショックを受けた。
ミドリ「義道はん?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「・・・」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「ハッ・・・申し訳ございません、色々回想にふけってました」
ミドリ「別にええどす」
ミドリ「まぁ、人それぞれ事情はあるんやし、これ以上は詮索しまへん」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「えっと、ご配慮ありがとうございます」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(そういえば、さっきからミドリさんが話してる言葉は京都弁かな?)
ミドリ「──それで、どこまで行きとおすか?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「それが・・・行くところを決めてません」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(もしかすれば、こういった主体性の無さもお嬢様に期待外れの烙印を押される原因かもしれない)
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ヘタレな義道さんと、ミステリアスなミドリさん、すごく面白いことになりそうな取り合わせですね!
京都弁、イイですねー!『タケオ』のリサちゃんもですが、方言キャラのセリフって感情込みで心に入ってくるので好きです!