台風の中の濃〜い奴ら(お茶は●藤園がいいよな!)(脚本)
〇住宅街
陽太「いやふううううう! いい天気だぁ〜!!」
瞳子「うん。台風だけどね? というか台風で休校なのに間違えて学校に行って帰された人のいう言葉?」
陽太「ええ!? 真面目子、台風でテンション上がらないの!? 台風だぜ、台風!」
瞳子「誰が真面目子よ、私の名前は瞳子。というか台風で喜ぶって・・・小学生?」
陽太「小学生の時の方が楽しかった!! 台風の日に傘開いて高いところから飛べば空飛べたんだぜ!」
瞳子「陽太・・・そんなことしてたんだ・・・。ダメだ、アホがいる・・・」
陽太「俺は風の王だあああああ!!」
おっさん「うるっせええええええ! っててめえか!毎日毎日家の前の道路で叫んでやがるガキ!」
陽太「窓からしゃべってるおっさん! 無職!?」
おっさん「おっさんじゃねえ、まだ二十代だ! 無職じゃねえ、自宅警備員と呼べ!」
陽太「そんな仕事あんの!? すげええええええ!」
瞳子「あるわけないでしょ・・・」
凛花「きゃああああああ!! とーばーさーれーるぅ!」
瞳子「うん、台風だからね。傘さしてたら飛ばされるよ」
おっさん「チッ。リアル女子小学生か。興味ねえな。俺は二次元ロリ派だ」
瞳子「キモ・・・」
凛花「サイッテー!早く助けなさいよ!」
シスターさん「大丈夫ですか?迷える子羊よ」
陽太「シスターさん!!え、ガチでこの世にいんの!?RPGの世界だけじゃねえの!? サインください!!」
瞳子「初対面の人に・・・ ハァ・・・アホでしかない」
シスターさん「恐縮です。私のものでよければ・・・」
陽太「これだけで俺米糠三杯食えるわ!!!いや、くさやも五枚いけるうう!!」
凛花「食べる前にわたしを助けなさいよ!くさや・・・?とかよくわかんないけど!」
おっさん「普通に傘閉じればいいだろ」
瞳子「あ、自宅警備員が職務放棄して家から出てきた」
凛花「何言ってんのよ!台風よ!? 傘ささないと、濡れちゃうじゃない!」
おっさん「飛ばされてもう2度とおうちに帰れないのとどっちがいいんだ?」
凛花「閉じる・・・」
シスターさん「では、濡れないように私の頭巾を貸しましょう」
凛花「あ、ありがと・・・」
おっさん「教えてやったんだから、金くれ」
変人「シッスターさぁん!!!!」
陽太「おおお!!あれ、高級車のムッツリーニじゃね!?」
瞳子「ムッツリーニじゃなくて、ムッソリーニ。というかその人はイタリアのファシスト党でしょ マセラッティーのこと?」
陽太「ザッツライトォ!」
変人「今日もお美しいです、シスターさん!」
シスターさん「この酷い嵐を沈めるために祈っていました・・・神の御慈悲があらんことを」
変人「そんなところも素敵でっす!あなたのために100本の薔薇を買ってきました!!」
瞳子「うん、台風だけどね?」
凛花「お金いっぱい・・・」
おっさん「その金全部俺にくれ」
シスターさん「主は、こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。と言い残しました」
変人「いいですよぉ!」
おっさん「早く金投げろや!バッターボックスはしゃべるとこじゃねえ!」
瞳子「どこよ、バッターボックス」
お嬢「あ? 金属バット?」
凛花「や、やんきーだ」
変人「どこで覚えたんだい? 最近の小学生にしてはめっずらっしい」
凛花「ようつべであった」
陽太「ようつべ俺もよく見るーーー!」
瞳子「YouTube見てないで、全教科赤点なんだから勉強しなさいよ」
陽太「え、あ、うん・・・・・・ごめんネ」
冬樹「わわわわわ!!いってで・・・おげでまった」
お嬢「おいおい、大丈夫かよ」
凛花「なっさけない!ドジね!」
冬樹「そういえば・・・・・・すまね、わーの財布おべねが?」
陽太「ごめんなさい、ワーノ財布置いてねえか? え!?俺方言マスターかも!?天才!」
お嬢「ちげえだろ、すみません財布知りませんか・・・ってなんで今なくすんだよ!」
瞳子「うん、今台風だからね?」
冬樹「非常食買いに行ぐべどすたっきゃ、風で財布飛ばさぃで・・・」
お嬢「しょうがねえやつだな・・・紛失届は出したのかよ?」
凛花「こーばん行きなさいよ!・・・仕方ないから一緒に探してあげるけど!」
おっさん「俺が見つけたら半分寄越せよ」
お嬢「金の亡者だなおい。教育によくねえ」
シスターさん「主は、富を得ようと苦労してはならない、かしこく思いとどまるがよいと仰っています」
陽太「つまりは金を求めすぎんなってこと?」
おっさん「俺は仏教徒だから意味ねえわ」
お嬢「そーいう問題じゃねえだろ!」
変人「一言一言が素敵でっす!! シスターさぁん!!」
瞳子「うん、台風だからね?なんで普通に探す流れになってるの?」
凛花「困ってる人がいたら助けなさいって先生がいってた!」
冬樹「い子だなぁ」
お嬢「というか・・・お前らはなんでこんな台風の中たむろってんだよ」
陽太「高校に行ったんだけどー!」
瞳子「台風で休校だったのよね」
おっさん「ここ俺の家の前なんだよ、畜生。これじゃ画面の嫁と二人っきりになれねえだろうが」
凛花「小学校もお休みだった」
シスターさん「教会で祈っていました」
変人「GP・・・愛の力でシスターさんに会いに!!」
冬樹「財布が・・・」
陽太「っていうかヤンキーはなんでここにいんの?」
お嬢「中学も休みなんだが、家の外で台風の中おばあちゃんが移動してたから運んできた」
お嬢以外の全員「いいヤンキーか!」
陽太「さーて!そろそろ帰るか!」
瞳子「うん、台風通り過ぎたみたいだけどね」
〇住宅街
翌日
おっさん「ってことが前はあったが、今日はゆっくりできそうだな、嫁。あー、早く画面から出てこい嫁・・・」
陽太「いやっふうううううううう!!いい天気だあああああああ!」
瞳子「確かにいい天気だけど。うるさいよ陽太」
おっさん「チッ。またあいつらか・・・・・・」
凛花「ちゃんと探しなさいよ!」
お嬢「どこら辺とか目星はついてんのかよ?」
冬樹「探すてぐれでどうも〜」
シスターさん「困っている人を助けるのは当然のことです」
変人「シッスターさぁああああん!!」
おっさん「まだ財布見つかってねえのかよ」
To be continue
おっさん「続いてたまるかぼけぇ!」
瞳子とお嬢以外の老若男女がみんなぶっ壊れてて吉本新喜劇してるすてきな町ですね。名前がある人と「変人」「おっさん」呼ばわりされてる人が混在していて登場人物内の身分格差に涙。私は東北出身者ですが、冬樹のとーほぐ弁の文字化、ちゃんとできててすごいです。
タイトルがもはやおもしろいと思って読み始めましたが
納得のいくタイトルでした!😂
本当にみんなしてキャラ濃すぎです。笑
皆さん、台風なのですから家の中や安全なところに居てください!笑