第十四話:デモンズ・ブレス(脚本)
〇研究所の中
葉隠拓郎(ハガクレ)「うーむ」
こいぬ「くーぅぅん」
葉隠拓郎(ハガクレ)「パワーアップさせるためには もっとイシュタリアツリーのこと わからないといけないね、こいぬ」
こいぬ「わん」
葉隠拓郎(ハガクレ)「なぁ、 どうも地球の危機が 近づいてるみたいなんだ 何かヒントをくれないか」
・・・・・・・・・・・・
葉隠拓郎(ハガクレ)「・・・だよね」
〇怪しげな祭祀場
カイゼル「ふむ・・・」
イン「カイゼル様? 何をお読みになって いらっしゃるのですか」
カイゼル「あぁ、たまには ちゃんと勉強をしなくてはと思ってな 効率的に食糧にありつくためには この社会の理を理解しなくては」
イン「さすがカイゼル様! それでは何かお飲み物を・・・」
カイゼル「それより もっと本を持ってきてくれないか」
イン「あ、はい」
カイゼル「・・・なるほどねぇ」
〇荒廃した国会議事堂
国会議事堂
〇荒廃した国会議事堂の大講堂
政治家A「・・・というのはどのようにお考えで いらっしゃるのでしょうか、 総理の意見をお聞きしたい!」
「そうだそうだー」
議長「内閣総理大臣・沢村真一くん」
沢村真一「・・・・・・」
沢村真一「まず我々が 考えねばならないことは 全ての国民に平等を与え・・・」
「平等ってなんだ!」
〇豪華な社長室
沢村真一「ふぅ」
秘書「午後1時から市民党の会合があり、 その後アメリア国の大統領との 電話会談が・・・」
沢村真一「・・・・・・」
秘書「・・・総理!」
沢村真一「はいはい続けて 聞いてるから」
秘書「その態度 会見で出さないでくださいよ? そういう態度、 一気に支持率下がりますからね」
沢村真一「君は秘書のくせに色々言うねぇ」
秘書「あなたが失脚なさると 私も仕事がなくなりますので」
沢村真一「すみませんね しっかりやりますよ」
秘書「そうしてください」
〇施設のトイレ
沢村真一「~♪」
カイゼル「どうも、総理大臣」
沢村真一「わっ」
カイゼル「貴方を利用させてもらいますよ ニッポンの頭」
沢村真一「・・・・・・」
カイゼル「これでいい 食事は自分で用意せねばな」
〇渋谷のスクランブル交差点
碧川瑛士(エイジ)「平和だなぁ」
赤根武瑠(タケル)「平和ですねぇ」
碧川瑛士(エイジ)「昔から眺めてる光景だけどさぁ、 改めて見てると 平和の象徴っぽくてイイよね」
赤根武瑠(タケル)「ですねぇ」
「・・・・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「あれから あいつらまた動きませんね」
碧川瑛士(エイジ)「そうだな」
赤根武瑠(タケル)「所長もチェックしてるみたいだけど、 植物も大きなエネルギーの移動は 起きてないみたいだし」
赤根武瑠(タケル)「何考えてるんでしょうね・・・」
碧川瑛士(エイジ)「わかんないよねぇ」
赤根武瑠(タケル)「この間の連中の様子見てると 良くないことみたいな 気がするんですよね、俺・・・」
碧川瑛士(エイジ)「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「・・・・・・」
碧川瑛士(エイジ)「あ、もしもしー?オレオレ」
赤根武瑠(タケル)「?」
〇ケーキ屋
櫻井華(ハナ)「エイジ、なによ話って・・・」
碧川瑛士(エイジ)「よぉ」
赤根武瑠(タケル)「あっ」
櫻井華(ハナ)「タケルもいたの」
碧川瑛士(エイジ)「倉石も誘ったんだけど 断られちゃったよ 頭堅いよね」
赤根武瑠(タケル)「エイジさん、何するつもりですか?」
櫻井華(ハナ)「そうよ 急に呼び出して 私は叔父様の研究の手伝いを・・・」
碧川瑛士(エイジ)「遊ぼうよ 暗くなってても仕方ないし あいつらがいつ出てきてもいいように 今は英気を養おうよ、ね」
赤根武瑠(タケル)「エイジさん・・・」
櫻井華(ハナ)「あなたらしいわね」
碧川瑛士(エイジ)「へへっ」
〇道場
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
倉石 龍太(リュウタ)「・・・・・・」
〇研究所の中
葉隠拓郎(ハガクレ)「・・・・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「・・・・・・」
葉隠拓郎(ハガクレ)「・・・・・・」
こいぬ「・・・・・・」
こいぬ「くぅん」
葉隠拓郎(ハガクレ)「えーと、だからここがこうして」
葉隠拓郎(ハガクレ)「違うな これじゃ威力が下がってしまう じゃあこっちを・・・」
こいぬ「くぅん」
葉隠拓郎(ハガクレ)「うーん」
こいぬ「わん」
葉隠拓郎(ハガクレ)「うーむむむ」
こいぬ「わん!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「わぁっ!?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「こ、こらこいぬ! 何するんだよ危ないじゃないか!」
葉隠拓郎(ハガクレ)「え?」
葉隠拓郎(ハガクレ)「あー! え、枝が折れちゃった!」
「!!!!」
とつぜん
つくえのうえに
4つの
ぶきがあらわれた・・・!
葉隠拓郎(ハガクレ)「こ、これってまさか・・・!」
〇怪しげな祭祀場
レジーナ「カイゼル様」
カイゼル「うん?どうしたお前たち そのような怖い顔をして」
イン「先日からカイゼル様は お一人でお出かけになられている様子・・・」
イン「何かお考えがあってのことなら 我々にもお手伝いをさせてくれませんか」
ヤン「サイエンジャーのことも 放っておいていいとおっしゃいますが ならば我々は どうしていれば良いのですか」
レジーナ「カイゼル様 なんなりとお申し付けください」
カイゼル「ふむ・・・」
カイゼル「特にないな 我は忙しいのだ 用件がそれだけならば下がれ」
レジーナ「カイゼル様!」
カイゼル「お前たちも 好きに遊んでいれば良かろう」
レジーナ「カイゼル様、お待ちください・・・」
レジーナ「・・・はぁ」
イン「結局何もなし、ですか」
ヤン「わたし達は用済み・・・ とでも言いたそうな表情だな」
レジーナ「そんな、カイゼル様に限ってそんなこと」
ヤン「だがもう一週間以上、 こうして無為な日々を送っている」
ヤン「これならば エネルギー集めに地球を 奔走していた方が楽しかったくらいだ」
イン「ヤン、それは・・・」
ヤン「ふん」
イン「ヤン、どこへ」
ヤン「好きにしていいんだろう 遊びに行ってくる」
レジーナ「・・・・・・」
イン「・・・姫はどうなさいます」
レジーナ「・・・遊ぶアテなんか無いわ」
イン「私もです」
〇バスケットボール場
碧川瑛士(エイジ)「ほらほら、ボール取ってみな」
赤根武瑠(タケル)「くっ、えいっ!」
碧川瑛士(エイジ)「シュートッ」
ボールは
かれいに
ゴールをゆらした!
赤根武瑠(タケル)「あー!」
櫻井華(ハナ)「エイジやるわね~ ちょっと意外だったわ」
碧川瑛士(エイジ)「こう見えて器用なのよ、オレ」
赤根武瑠(タケル)「くそー悔しい! もう一回やりましょ!」
碧川瑛士(エイジ)「お、いいよ~若いねぇ」
櫻井華(ハナ)「タケル、今度はもうちょっと 粘って負けてね」
赤根武瑠(タケル)「負ける前提の応援しないでくださいよ!」
碧川瑛士(エイジ)「ようい、スタート!」
ヤン「ん?」
ヤン「あれは・・・サイエンジャーの」
碧川瑛士(エイジ)「ほらほら、カットしてみろよ」
赤根武瑠(タケル)「くっそぉ!」
タケルは
おもいきり
てをのばした!
碧川瑛士(エイジ)「あっ!」
ボールは
エイジのてをはなれ
すごいいきおいで
ころがっていった!
ヤン「!!」
赤根武瑠(タケル)「す、すみませ・・・」
赤根武瑠(タケル)「あっ!ヤン!」
「ヤン!」
ヤン「よぉ、何をしているんだ? これは修行か?」
赤根武瑠(タケル)「ただのゲームだよ そういうあんたこそ、 こんなところで何を」
ヤン「なに、ただの散歩さ ここのところ、お役御免って感じでね 暇なんだ」
碧川瑛士(エイジ)「お役御免・・・」
櫻井華(ハナ)「地球のエネルギーを諦めるってこと?」
ヤン「残念だがそういうわけではない」
赤根武瑠(タケル)「なんだ・・・」
ヤン「だが、差し当って今すぐ ここをどうにかするつもりはないな」
碧川瑛士(エイジ)「だったら、一緒にやってかない?」
ヤン「?」
赤根武瑠(タケル)「あ、いいですね! そしたら2on2いけますね」
櫻井華(ハナ)「見てるだけじゃつまらなかったのよね」
ヤン「わたしがやるのか」
碧川瑛士(エイジ)「君以外誰がやるんだよ オレとチームな」
ヤン「・・・・・・」
赤根武瑠(タケル)「頑張りましょうねハナさん!」
櫻井華(ハナ)「負けないわよ」
碧川瑛士(エイジ)「こっちこそ!」
ヤン「・・・・・・」
ヤン「ブルー もう少しルールを教えてくれないか」
碧川瑛士(エイジ)「喜んで」
〇荒廃した国会議事堂
しきちないの
みどりが
すこしずつ
かれはじめている・・・
〇豪華な社長室
沢村真一「・・・・・・」
ヤンがサイエンジャー側にきちゃいましたか!
カイゼルが一人でこそこそとやってますが、総理大臣巻き込んで、気付いたらとんでもないことになってそうですね……。ワンコのお手柄で新たな武器も出現して、さらに強くなるのでしょうか? 続き楽しみです😆