その執事は、物語る。

槻島 漱

ねこ局長は、今日も「頑張る」が言えない 中編(脚本)

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〇可愛い部屋
ねこ局長「ふああああああ・・・」
ねこ局長「よく寝たです」
ねこ局長「・・・あり?」
ねこ局長「わわわっ!!」
ねこ局長「もうこんな時間なのです!」
ねこ局長「大変なのです!」
ねこ局長「急いで着替えないとなのです!」
ねこ局長「それにしても・・・」
ねこ局長「どうして鼠田さん、起こしてくれなかったです?」
ねこ局長「鼠田さんの声は、いつもちゃんと聞こえるです」
ねこ局長「どうして今日は聞こえなかったです?」

〇アパートのダイニング
ねこ局長「鼠田さん!」
ねこ局長「おはようなの・・・で・・・」
ねこ局長「す?」
ねこ局長「鼠田さん?」
ねこ局長「・・・ここにもいないなのです」
ねこ局長「いつもなら朝ごはんの匂いもするです・・・」
ねこ局長「朝ごはんもなさそうなのです・・・」
ねこ局長「もうお仕事行っちゃったです?」

〇役所のオフィス
ねこ局長「鼠田さ〜ん!」
ねこ局長「うーん・・・」
ねこ局長「ここにもいないなのです・・・」
ねこ局長「どこ行っちゃったです?」
???「ねこ局長!!!」
ねこ局長「あ、八百屋の清水のおじちゃんなのです」
ねこ局長「おはようなのです」
八百屋の清水さん「ああ、おはようございます」
八百屋の清水さん「・・・て、和やかに挨拶をしている場合ではないんですよ!」
ねこ局長「そんなに大慌てでどうしたです?」
八百屋の清水さん「どうしたもこうしたも、大変なんですよ!」
八百屋の清水さん「ねこ局長、落ち着いて聞いてくださいね」
ねこ局長「・・・?」
八百屋の清水さん「ね、鼠田さんが・・・!!」
八百屋の清水さん「連れ去られちゃったんですよおおおおおお!!」
ねこ局長「つれ、さられ・・・?」
八百屋の清水さん「知らない人が連れて行っちゃったんです!!」
八百屋の清水さん「鼠田さんを!!」
ねこ局長「ええええええ!!」
八百屋の清水さん「ほら、これ!!」
八百屋の清水さん「うちに届いた脅迫状です」
八百屋の清水さん「たぶん、ねこ局長が文字を読めないことを知っているだれかが、」
八百屋の清水さん「郵便局の隣にあるうちの店に届けたんだと思います」
ねこ局長「なんと・・・」
ねこ局長「読んでもらえるです?」
八百屋の清水さん「はい、もちろんです!」
ねこ局長「ありがとうなのです」
八百屋の清水さん「それじゃあ、読みますね」
  おやつの時間の3時までに、
  町の西側にある廃倉庫まで、
  ねこ局長を連れてこい。
  さもなくば、
  女の命は保証しない。
八百屋の清水さん「・・・だそうです」
ねこ局長「・・・」
八百屋の清水さん「ねこ局長?」
ねこ局長「・・・ねこには、ちょっと難しいかったのです」
八百屋の清水さん「簡単に言うと、」
八百屋の清水さん「ねこ局長が町の西にある古い倉庫に行かないと、」
八百屋の清水さん「鼠田さんとずっと会えなくなっちゃうかもしれないってことですよ!」
ねこ局長「それは大変なのです!!」
ねこ局長「早く行かねばなのです!!」
八百屋の清水さん「でも、ねこ局長・・・」
八百屋の清水さん「ひとりじゃ危険すぎますよ」
八百屋の清水さん「お巡りさんに相談してからでも・・・」
ねこ局長「そんな時間はないなのです!」
ねこ局長「早くしないと、鼠田さん会えなくなっちゃうなのです!」
八百屋の清水さん「でも・・・」
ねこ局長「大丈夫なのです」
ねこ局長「ねこ、強いのです!」
八百屋の清水さん「はあ・・・」
ねこ局長「それにねこ、いっぱいおともだち連れていくのです」
八百屋の清水さん「・・・え?」
八百屋の清水さん「おともだち?」
ねこ局長「ねこに任せるなのです!」
八百屋の清水さん「は、はあ・・・」
ねこ局長「ねこ、がんばうのです!」
八百屋の清水さん(また「頑張る」が言えてない・・・)
八百屋の清水さん(可愛い・・・)

〇廃墟の倉庫
鼠田さん「・・・あの」
謎の男「なんだ」
鼠田さん「ひえっ・・・!」
鼠田さん「いえ、あの・・・」
鼠田さん「私、いつ帰れますか?」
謎の男「俺の用事が終わったらだ」
謎の男「無事にな」
鼠田さん「そう、ですか・・・」
鼠田さん(ねこ局長のこと、心配だなあ・・・)
鼠田さん(ちゃんと起きられたかな・・・)
鼠田さん(ごはん、食べたかな・・・)
鼠田さん「はあ・・・」

次のエピソード:ねこ局長は、今日も「頑張る」が言えない 後編

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