怖い都市伝説?(脚本)
〇手
配信タイトル
「トツィエンス」
配信者は「エィミーン」
その存在の正体は死神
ある条件を満たすとSNSなどに配信通知が来ると言われている
この配信に参加すると最後
体から魂を抜かれ、天国にも地獄にも送られることはない
この世でもあの世でもないどこかに閉じ込められる・・・
はず
閉じ込められ帰ってくる方法は・・・
ある
そしてこの配信に参加し帰ってきた者は誰もいない・・・
訳ではない
〇ストライプ
睦月碧「こんな都市伝説があるんだって」
睦月碧「怖かったろう?」
鹿村将「全く──」
鹿村将「てか、所々おかしくないか?」
睦月碧「は?」
睦月碧「いやいや」
睦月碧「怖かっただろこの話」
鹿村将「え?」
鹿村将「何が怖かったんだよ?」
鹿村将「『閉じ込められて返ってくる方法はある』とか」
鹿村将「最後の」
鹿村将「『配信に参加して帰ってきたものは誰もいない──訳ではない』」
鹿村将「ってなんだよ」
鹿村将「最初は良かったのに途中から台無しじゃん」
睦月碧「え!?」
睦月碧「結構自信あったのに〜」
鹿村将「どこに怖さがあったんだよ」
鹿村将「むしろ教えてほしいんだけど」
睦月碧「まぁいいや」
睦月碧「それじゃあそろそろ寝ますかね〜」
睦月碧「じゃあ明日また学校でな」
鹿村将「相変わらず切り替え早いな」
鹿村将「じゃあまた明日な」
鹿村将「おやすみ」
睦月碧「おう!」
〇男の子の一人部屋
俺は碧との通話を切った
時計を見ると時間はちょうど12時を回ろうとしていた
鹿村将「もうこんな時間か」
鹿村将「寝る前に少しSNSでも見るか」
鹿村将(最近この時間ほとんど碧と怪談話ばっかしてるな)
鹿村将「テストも近いしそろそろ勉強しないとな〜」
〇SNSの画面
○○○にお出かけしてきた!
楽しかった~
課題終わらない・・・・・・
気分転換にゲームでもしよ(諦め)
え?○○○さんLIVEやるの!?
やった!!!!!!
エィミーンさんが配信を開始しました
『トツィエンス』に参加してみましょう!
〇男の子の一人部屋
鹿村将「え?」
鹿村将(見間違いか?)
一度スマホから目を離し目元を擦った
再度スマホを確認すると
やはり見間違いではなかった
鹿村将「まじかよ・・・・・・」
鹿村将「よし!!」
鹿村将「見なかったことにしよう!!」
スマホの電源を落とそうとボタンを押したが
電源は落とすことができず、他の操作もできない
そして強制的に配信に参加させられていた
鹿村将「あ~えっと〜」
鹿村将「俺終わったのでは?」
鹿村将「どうしよ」
鹿村将「いやでも都市伝説だし」
鹿村将「もしかしたら大丈夫かもしれないしな!」
鹿村将「それにしてもどうやって俺のところに通知が来たんだ?」
鹿村将「フォローしてなかったら来ないはずなのに」
「シリタイ?」
鹿村将「え?」
〇手
エィミーン「ドウシテツウチキタカ」
エィミーン「シリタイ?」
シーサ(どうしてこっちの声聞こえてるんだ?)
シーサ(気味悪いな)
エィミーン「キミワルガナイデヨ」
シーサ(思ってることもわかるのか!?)
シーサ「どうして通知が来たの?」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「教えてくれるんじゃないの?」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「知りたい?って聞いてきたのはそっちだろ?」
シーサ「教えてよ」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「じゃあなんでこっちの声が聞こえたの?」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「教えて」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「教えて」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「教えて」
エィミーン「シラナイ・・・」
シーサ「・・・・・・」
エィミーン「・・・・・・」
シーサ「Please tell me(教えて)」
エィミーン「エ?」
エィミーン「ど、Do not know(知らない)」
シーサ「告诉我(教えて)」
エィミーン「エ?」
シーサ「告诉我(教えて)」
エィミーン「ぶ、不知道(知らない)」
シーサ「Dis-moi(教えて)」
エィミーン「フェ!?」
エィミーン「ナニゴ?」
シーサ「知らない」
エィミーン「・・・・・・」
シーサ「・・・・・・」
エィミーン「・・・・・・」
シーサ「教えて」
エィミーン「Ne sait pas(知らない)」
シーサ「・・・・・・」
エィミーン「・・・・・・」
シーサ「до побачення(さようなら)」
エィミーン「エ?」
退出しました
〇男の子の一人部屋
鹿村将「ダメもとで退出ボタン押してみたけど」
鹿村将「まさか退出できるとは」
鹿村将「参加は強制なのに退出は普通にできるのかよ」
鹿村将「ん?」
鹿村将「通知?」
エィミーンさんから通知が来ました
リンクがあなた宛に送信されたした:私と一緒にこの配信に参加しましょう
鹿村将「しかも次は強制的に参加させないのね」
エィミーンさんから通知が来ました
早く入ってよ!
鹿村将「なんかすごい必死だな」
途中から必死なエィミーンさんに笑ってしまった。日本語カタコトのエィミーンさんに怒涛の言語責めとは、やられました。恐怖と笑いは背中合わせだと教えてもらった気がします。