第1話キスしてみませんか?(脚本)
〇体育館の裏
皇 珊瑚「――キスしてみませんか? 先輩」
立花 ミツキ「・・・・・・へ?」
――秋が去り、冬が訪れようとするそんな時期のとある日の放課後。
ブラリブラブラ、俺は体育館の裏に呼び出されて、人生で初めて『告白』というものをいきなりされた。
だが、いまいちピンとこなかった。
立花 ミツキ(キスだって?)
立花 ミツキ(キスって、あれだよな? 唇と唇を重ねてする、あの「キス」)
立花 ミツキ(ドラマとかでかっこいいイケメン俳優と女優さんがする・・・・・・アレ・・・)
立花 ミツキ(ハハッ、ないない。 年齢=彼女いない歴の俺が、そんな難易度MAXな事・・・・・・)
皇 珊瑚「聞こえなかったんですか? キスですよ。キ・ス。私と先輩で、大サービスですよ、こんなの! 交際はそれから考えていいです」
立花 ミツキ「じょ、冗談だろ?」
目の前にいる女の子に、問いかける。
心臓がバクバクして破裂しそうだ。
この瞬間さえも、まだ信じられない。
きっと、そうだ。
このツインテールの髪型に、膝が丸々見えるほど短いスカートを履いた人懐っこい顔をした一個下の可愛らしい後輩は、
今俺を弄んでからかっている。
でなければ俺とキスなんかしようなんて、天地がひっくり返っても起きない事を言うはずがない。
立花 ミツキ(・・・騙されないぞ)
恋愛経験に乏しい俺は、彼女から距離をとるように一歩後退した
が、それを打ち消すように、俺が距離をとった分だけ──
そんな事屁でもないと言わんばかりに、身を寄せ、身長差を存分に生かして、あざとく、上目遣いで、
皇 珊瑚「ええ、本気ですよ。本気! どうなんですか? するんですか? しないんですか?」
立花 ミツキ「・・・・・・し、しないに決まってるだろ」
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かわいい後輩からのいきなりの積極的な誘い。
まさに王道ラブコメ。
続きが楽しみです。