第2話理由って必要なんですか?(脚本)
〇体育館の裏
立花 ミツキ「――ッ。なんで、君がその事を知って・・・・・・」
皇 珊瑚「知ってますよ~。2年C組の西条みどり先輩。美人で胸も大きくてスポーツも万能で・・・・・・おまけに勉強もできる!」
皇 珊瑚「まさに才色兼備! 先輩が告白したのも理解できます!」
立花 ミツキ(いや、だから何でそれを君が知ってるんだよ)
立花 ミツキ(確かに、俺は一度みどりに、周りに煽られて『告白』したよ? 玉砕したけど・・・・・・)
立花 ミツキ(でもあの時、誰も周りには居ないのちゃんと確認したはずだ・・・・・・)
俺の疑問をよそに、満面の笑みで、グイッと俺の胸人差し指を突き立てて言った。
皇 珊瑚「でも、私思うんです」
皇 珊瑚「高嶺の花のみどり先輩が先輩のような顔しか取り柄のない平凡な人、絶対振り向くはずないんですよ! 現にそうだったでしょ?」
立花 ミツキ「ぐっ・・・・・・。何でそんな事、君にいきなり言われなくちゃならないんだよ・・・・・・」
立花 ミツキ(ズケズケと言いたい放題言いやがって・・・。 こちとら胸の奥にひっそりと閉まって、最近ようやく立ち直りかけていたんだよ?)
立花 ミツキ(後、ぐりぐりと俺の胸を指でつつくの止めてくれ。 くすぐったい)
ーー相変わらず、不敵な笑みを浮かべてこの子は言った。
皇 珊瑚「そりゃ言いますよ! 振られたのに、未練たらたらの先輩に必要なのは、もう一度現実を見ることです!」
皇 珊瑚「そうすれば、諦めて、私に付き合ってくれるでしょ?」
立花 ミツキ「・・・・・・本音出てるじゃねーか。いいから、この手どけてくれ」
皇 珊瑚「きゃ、先輩、意外と積極的なんですね!」
立花 ミツキ(手を振り払おうと、手首を持っただけなのに、なんでそうなる・・・・・・)
立花 ミツキ「ハァ・・・」
深くため息をついた俺。
皇 珊瑚「今私の事面倒くさいって思いました?」
立花 ミツキ「・・・・・・少し」
皇 珊瑚「思ったんだ! ひどーい! 私がこんなに歩み寄るの先輩ぐらいなんですよ? なのに、ため息つくなんて・・・・・・」
大げさに首を竦めて、「信じられなーい」と呟いて俺を非難するこの子。
この子って・・・・・・いうのもアレだな。
立花 ミツキ「あのな、少しいいか?」
皇 珊瑚「ん? 初めて私に興味持ってくれました? 何でも答えますから、どーぞどーぞ」
立花 ミツキ「まず、名前は? 俺、まだ君の名前聞いてないんだけど」
皇 珊瑚「あー? 私まだ自己紹介してなかったですか? それはすいません」
そう言うと、ペコッとお辞儀をして、ゴホン、と咳ばらいを一つ入れ、
皇 珊瑚「皇 珊瑚って言います。よろしくね、先輩」
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