マヨラー太郎物語(脚本)
〇教室
先生「今日はみんなに前々から話していた転校生が来てくれる日だ」
先生「新しい環境で緊張してると思うので、暖かく向かい入れましょう!それじゃあ入ってきてください!」
〇教室
先生「それじゃ簡単に自己紹介しようか」
真夜太郎「真夜(まよ)太郎(たろう)と申します」
真夜太郎「好きな食べ物はマヨネーズ!よろしくお願いします!」
先生「おお!先生もマヨネーズ大好きだぞ!」
先生「真夜くんのこといろいろと聞きたいけど、授業もあるからまた後でな」
先生「田中くん手を上げて」
田中「はーい!」
先生「あの田中くんの隣の席が真夜くんの席だ」
〇教室
〜給食の時間〜
〇教室
真夜太郎「やっぱりカレーにマヨネーズは最高!」
先生「ん?ちょっと待ってくれ、真夜」
真夜太郎「なんですか?」
先生「いやなんですかじゃないよ」
先生「それマヨネーズだよな?先生びっくりだぞ、ごく当たり前のようにマヨネーズ使って」
真夜太郎「えっ先生もさっき好きって言ってたじゃないですか」
先生「いや言ったけど、給食に持ち込むなんてダメだぞ」
真夜太郎「先生・・・マヨネーズ好きってのは嘘だったんですね・・・同志だと思ったのに・・・」
先生「軽い気持ちで言った一言がここまでお前を悲しませるとは思っていなかった、なんかゴメン・・・」
先生「でもな真夜、お前だけ特別扱いはできない」
先生「給食は栄養のことも考えられているんだ、マヨネーズなんか使ったら栄養ぶち壊しだぞ」
真夜太郎「でもおいしくなるんです。田中くん食べてみて」
田中「えっ・・・わかったよ、一口だけなら・・・」
先生「田中断っていいんだぞ、クラスで一番カレー好きなお前がそこまで無理する必要はない」
真夜太郎「このおいしいさを知れば絶対に先生も分かってくれるはず、おりゃ!」
田中「う、うん、これも意外といけるね・・・」
先生「真夜お前の罪は大きいぞ、クラスで一番気づかい上手な田中に悲しい嘘をつかせて」
真夜太郎「なんで分かってくれないんだ・・・」
〇教室
ガラガラ(ドアが開く音)
真夜の父親「どうも真夜の父です」
真夜の父親「太郎忘れ物を届けに来たぞ」
真夜太郎「あ、お父さん」
真夜の父親「先生すみませんね、うちの息子が体操着を忘れてしまって」
先生「いえいえ・・・」
先生「(わざわざ持ってくるなんて優しいお父さんだな)」
真夜太郎「お父さんありがとう!」
真夜の父親「いいのさ、今日はたまたま会社が午後からだったからそのついでだ」
真夜の父親「あとこれも忘れ物だ」
真夜太郎「お父さん帰ってくれないかな」
真夜の父親「まだマヨネーズにこだわっているのか、いい加減卒業しなさい」
真夜太郎「僕の気持ちは変わらないよ」
真夜の父親「そうか・・・」
真夜の父親「ケチャップの良さが分からないとは哀れな舌だな」
真夜太郎「帰ってよ」
真夜の父親「へっ言われなくても」
先生「(今の一瞬で何があったんだ!)」
〇教室
ガラガラ(ドアが開く音)
真夜の母「あっすみません!」
先生「今度はなんだ!」
真夜太郎「お母さん!」
真夜の父親「お前までどうしたんだ」
真夜の母「何ってお父さんが会社のカバン忘れたから持ってきたのよ」
真夜の父親「あっ、そういえば」
先生「(自分も忘れてんのかよ!)」
真夜太郎「お母さん!お父さんのケチャラーやめさせてよ!」
真夜の父親「やめるのは太郎の方だ。私はお前をマヨラーに育て覚えはない」
真夜の母「まあまあ、私に考えがあるから」
真夜太郎「マヨネーズとケチャップをかけ合わせた!」
真夜の父親「母さん!何をする気だ!」
真夜の母「私はマヨネーズもケチャップも好きなの」
真夜の母「太郎、一口もらうわよ」
真夜の母「うん!二つ混ぜた方がおいしい!」
真夜太郎「まさか母さんがオーロラソースをいや、オーロラーだったなんて・・・」
真夜の父親「母さんには敵わんな」
真夜太郎「だね・・・」
真夜の父親「ハッハッハ!さすが母さんだ!」
真夜太郎「アハハハハ!オーロラーはずるいよ!」
真夜の母「フフッ二人が仲良くなって良かった!」
クラス中に真夜家の笑い声が響く
先生「(俺は何を見させられているんだろ・・・)」
オーロラーって素敵な響き。家庭内で勃発した調味料戦争をマイルドに解決したお母さんに拍手。気遣い上手な田中くんもいい味出してたよ。
とても斬新なストーリーですね。
しょうもない(褒め言葉です)話で、すごく好きです。
マヨネーズはおいしいですが、取りすぎないようには気をつけたいです。