『愛情ヒーロー』

SCPキミト

第二十話「不穏」(脚本)

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〇開けた交差点
  ちょっと曇ったある日。
  操糸かうらは昼食を買いに寮から出ていた。
操糸かうら「んー・・・こんなもんですよね?」
操糸かうら「おや? あれは・・・・・・」
甘音主乃「はーいはーい今日もーパットロールー!」
操糸かうら「随分とウキウキですねぇ? 主乃さん?」
甘音主乃「どわっひょおー!!」
甘音主乃「なーんだかうらくんか」
操糸かうら「なんです? 「どわっひょお」って」
甘音主乃「つい出たから俺もよう分からんよ。何してるの?」
操糸かうら「今は昼食を買いに出ています」
甘音主乃「ほっへー、花丘の辺りまでよう大変ねー。俺はパトロール中よ!」
操糸かうら「ほう? でもこの時間帯は学校では??」
甘音主乃「俺ヒーローとしてやってるから単位免除されてるのよね、行かなくても結構余裕だったりするー」
操糸かうら「はあ・・・?」
甘音主乃「特に、今日は一件通報があってね」
操糸かうら「・・・と、言いますと?」
甘音主乃「ここらで魔獣を見かけた人がいるらしいんだけど、飛んでても見つからなくてねー」
甘音主乃「ええとね・・・親友曰く、「潜伏型」だって」
操糸かうら「それはまた危険ですね?」
甘音主乃「んーそっ! だから地底の魔力追ってるんだけど、なーんか薄いのがずぅぅぅぅっと広がっててね」
操糸かうら「察知できるもんなのですか?」
甘音主乃「俺にかかりゃ、ね! お陰様で核も見つかるはずなんだけど、深すぎんのか見つからんわ・・・」
操糸かうら「それは厄介ですね・・・何かあれば僕もお手伝いしましょう」
甘音主乃「それマ?!?! ちょー助かる!!」
操糸かうら「ええ・・・って、ああ! もうこんな時間?!」
操糸かうら「ではお気をつけてー!!」
甘音主乃「はーいよ! かうらくんもねー! って、速え」

〇開けた交差点
  タッタッタッタッ──
操糸かうら「ううーん・・・すっかり時間を忘れてました」
操糸かうら「・・・??」
  ズッ・・・・・・
  ズズズズ・・・・・・・・・
  グ・・・ゥ・・・ァ・・・・・・・・・・・・
操糸かうら「?!?!?!」
操糸かうら「これは・・・逃げるべき・・・??」
  ズッッッッ
操糸かうら「・・・は?」
  ドボンッッ!!!
  グ・・・・・・

〇開けた交差点
甘音主乃「?」
甘音主乃(地上の魔力が・・・減った?)
甘音主乃「どこ・・・? どこだ・・・」
甘音主乃「向こう・・・俺が来た方向から・・・?」
甘音主乃「・・・まさかっっっ!!!」
  ビュンッッッ
  甘音主乃は飛んでいく。
  ・・・来た方向、操糸かうらと会った場所へと。
  そして、操糸かうらが落ちていく姿を見た者がいる。

〇おしゃれな教室
猫野先都「はーい! そしたら次は・・・」
猫野先都「・・・んにゃ?」
  そう、微かに音がした。
  「ドボンッッ」
猫野先都「チラッ」
猫野先都「にゃに・・・あれ?!?!」
  生徒)どうしたのー? ねこせんせー
猫野先都「ごめんね皆! 先生・・・人助けなきゃ!!!」
  生徒)自習でいいんですか?
猫野先都「勿論! ちゃんとやっててね!」
  生徒)はーい! 頑張れ!
猫野先都「・・・ッ!!」
  タッタッタッタッ──
  猫野先都は「猫の耳」を持つ。
  確実に聞いて、確実にその目で収めた。
  「人が落ちていく状況」を。

次のエピソード:第二十一話「操糸かうら初陣」

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