斬刀怪獣ガマイラー

情無合成獣スフィアマザコンザウルス

チャプター10(脚本)

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〇ボロい倉庫
  ────8月22日。
  『G焼失作戦』実行日────
ガイ「加納鉄鋼の皆様、そして科学者の皆様の尽力により、ついに我々はガマイラーに対抗できる力を手に入れた」
ガイ「見よ!!それがこの55式対獣熱線砲──────”ドウジキリ”である!!」
  型式番号なし。
  55式対獣熱線砲『ドウジキリ』。
  加納鉄鋼が試作した農地乾燥機を発展させた、対ガマイラー用の巨大自走砲台。
ガイ「確かに、我々を取り巻く現状。そして今までされた事を考えたら最早”国民の皆さまのため”とは言いにくいかも知れん」
ガイ「だが──我々は自衛官!!この制服の袖に手を通した時、その時刻まれた誇りは胸に残ってるハズだ!!」
ガイ「────最後まで、誇りを胸に戦おうではないか!!」
「───────────────了解!!」
ガイ「よし!!”G焼失作戦”開始!!」

〇古い倉庫の中
ヒカル「じゃあ、俺達は前線で博士や若達と一緒にドウジキリを操作する」
ショウマ「最終調整したの我々ですもんね、現状あれを操作するプロは我々のみって事です」
ダイチ「うう・・・自分だけ留守番たぁ、元は自社の商品なのに情けねぇ」
ヒカル「俺としては大事な旧友を危険な場所へ連れて行けるわけないだろって話だがな」
ダイチ「うう・・・いいやつだなあ、ヒカル!!」
ダイチ「俺はお前らの無事を、この安全圏から祈ってるぜ!!」
ヒカル「言い方よ・・・」

〇ボロい倉庫
金子ススム「科学者の皆さんを乗せたトレーラーが出ましたね、我々もトレーラーに・・・」
川先「ああ、ちょいと待ってくれたまえ」
金子ススム「えっ、どうかしたんですか?」
リク「君には我々と別に、特別席があるんだ」
金子ススム「特別席?」
川先「ほら、あれだよ」
金子ススム「・・・あのヘリは!!」
パイ・リン「・・・・・・きちゃった」
金子ススム「リン!?お前国に帰ったんじゃ・・・・・・」
パイ・リン「・・・・・・もう少し」
パイ・リン「・・・・・・もう少し、ダーリンと一緒にいたくって」
金子ススム「リン・・・・・・」
川先「では、我々は行くよ」
金子ススム「は、博士!?ちょ・・・」
パイ・リン「・・・ダーリン」
金子ススム「・・・」

〇空

〇ヘリコプターの中
パイ・リン「・・・吹雪いてきたね」
金子ススム「・・・ガマイラーが近いからな」
パイ・リン「そう・・・」
金子ススム「・・・・・・」
パイ・リン「・・・・・・」
パイ・リン「・・・ダーリン」
金子ススム「り、リン!!お前、胸が・・・」
パイ・リン「・・・いいよ、嘘つかなくて」
金子ススム「嘘・・・?」
パイ・リン「辛い時に平気な顔するの、すっごく辛いの知ってるから」
パイ・リン「だから・・・今だけは、吐き出していいの」
金子ススム「辛いって、そんな・・・」
パイ・リン「・・・辛い時はね、辛いって言っていいの」
パイ・リン「泣いたっていいの、無理してカッコつけるよりはずっといいから」
金子ススム「・・・・・・」
金子ススム「・・・・・・う、あ」
金子ススム「うああああああぁっ・・・!!」
金子ススム「なんでッ!?なんでみんなして俺を悪者にしようとするんだよ!? エネルギーが足りないと怒るくせに!!」
金子ススム「原発は過ぎた力だからイヤ!!かといってメガソーラーやガス火力は自然破壊だからイヤ!!電気代上がるのもイヤ!!」
金子ススム「じゃあ俺はどうすりゃいいんだよ!?安全圏から文句ばかり垂れやがって!!」
金子ススム「もう・・・グスッ・・・何もかも嫌だよぉ・・・」
パイ・リン「・・・よしよし」
パイ・リン「・・・いい子・・・ ・・・ダーリンはいい子・・・」

〇海辺の街

〇荒廃した街
自衛官「お待ちしておりました、長官。こちらへ」
ガイ「うむ、ドウジキリは指定のポイントへ急げ!!あまりうるさくしてガマイラーに感づかれるなよ?」

〇テントの中
  ────臨時司令室。
金子ススム「すごいな、『シン・メガサメ』で見たやつとまんまだ」
ヒカル「こういう所には拘りますからね、あの監督さんは」
ガイ「ガマイラーはどうなっている?」
自衛官「以前、鎌倉タワーの前で静止したままです」
川先「鎌倉タワーというと、昔できたあの六本木ヒルズみたいなやつか」
ヒカル「ランドマークとして作ったはいいが、中に入るテナントがほとんど無くてシャッター街状態のあの・・・」
ガイ「仏作って魂入れず・・・いや、微妙に違うか」
川先「だが、鎌倉市としてもさっさとぶち壊したい代物でもある。つまり作戦に巻き込まれてもクレームは来ないというワケだ」
ガイ「なるほど、ならやり易い」
ガイ「よし!!ドウジキリを指定のポイントへ急がせろ!!」
ヒカル「よーし!!俺達も仕事だ!!」
ショウマ「え、遠隔操作で助かりましたね・・・外は寒いですから」
金子ススム「そうさ、緊張することはない。でかいラジコンだと思えばいいんだ!!」
金子ススム「ドウジキリ、前進!!」

〇荒廃した街

〇テントの中
金子ススム「姿勢制御アンカー射出、機体固定完了!!」
ヒカル「原子力発電システム、ロック解除!!」
ショウマ「砲身角度修正!!照準、3、3、4!!」
リク「よし、原子力発電システム起動!! エネルギー、充填開始!!」

〇荒廃した街

〇テントの中
科学者「エネルギー充填率、 10%、15%、20、23・・・・・・」
科学者「原子力発電システム、現在安定稼働中」
科学者「放射能漏れ無し、順調です」
ガイ「博士、確実にガマイラーにトドメを刺すにはどれぐらいがベストなんでしょう」
川先「80%まで充填した熱線を5秒浴びせればいい」
川先「ガマイラーの体組織は高熱に弱い、再生能力が追いつかない速度で熱されれば、奴は死に至るよ」
リク「原子炉の強度から考えても問題はありません、作戦は成功します」
ショウマ「後は熱線砲の引き金を引くだけです!!それで、あの怪獣ともおさらばだ!!」
ヒカル「・・・そう簡単に事が進めばいいがな」
金子ススム「・・・・・・」

〇荒廃した街

〇超高層ビル

〇テントの中
ガイ「な、何だ!?誰が攻撃した!!」
自衛官「展開中の部隊はなし!!誰も何もしていません!!」
金子ススム「・・・やっぱ」
金子ススム「そう簡単にハッピーエンドは許されないよな・・・」

次のエピソード:チャプター11

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