グリモワール図書館

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四話(脚本)

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〇英国風の図書館
アルベリ「前に、フレジアとお買い物に行っていた時です」
アルベリ「普段通り、買い物を済ませて、ちょっとだけお洋服を見たり、」
アルベリ「町の人たちの様子を伺っていたんですが、ある男性とすれ違った時、」
アルベリ「なんだか違和感があったんです」
薄墨界「違和感?」
アルベリ「はい。何と言えば・・・・・・嫌な気配、と言うのでしょうか」
アルベリ「オグルさんよりも、嫌な感じがする人でした」
オグル・グリム「僕のことディスってる?」
アルベリ「あ、いえいえ、その、えっと」
アルベリ「オーラって言うんでしたっけ?」
アルベリ「その方はオーラが見えたわけではないんですが、」
アルベリ「どうも変な感じがしまして・・・・・・」
  アルベリにはフレジーアという双子の妹がいる。
  その妹と共に買い物をした帰りに男とすれ違った。
  それに、・・・“オーラ”。
  魔法使いには五色それぞれの特性を持っているとされていて、
  青いオーラを放つ魔法使いは青の魔法使い、と呼ばれていて、
  赤いオーラを放つ魔法使いは赤の魔法使いと呼ばれている。
  との具合で、色で判別されており、もちろん個人差はあるが、
  色によって得意な魔法や強弱も変わってくると言う。
  ララは青、界は赤、アルベリやフレジーアは無の魔法使い。
  無色透明のオーラを放つ魔法使いで、個人の魔力に依存している、
  いわば一見して予測不能で力も未知数な、厄介な魔法使いということになる。
  オグルの場合は黒いオーラを放つ、黒の魔法使い。
  少年時代に魔力が増大しきっていて、未だに扱うのが難しいと言っていた。
  その為、そのオーラは魔法使いでなくとも視認できるほどだった。
  最近はそうでもないらしいが、アルベリが敬遠するのも分からなくはない。
薄墨界「無の魔法使いの可能性もあるな」
アルベリ「はい、白や黒も強力で厄介ですが、」
アルベリ「無に関しては、私もそうですし、一番分からないという点で、厄介なのかなって・・・・・・」
薄墨界「だが顔は見たのか?」
アルベリ「あ、ええっと、その時、気になって後ろを振り向きました」
アルベリ「するとあの方も、ちらっとこっちを見て、微笑んでいました」
アルベリ「不気味に思っていたので、たまに思い出すんですが・・・・・・」
  そう話していると、「それってこんな方かしら?」とララが手帳を持って割って入ってきた。
  アルベリにそのページを見せると、アルベリは「あっ」と声を漏らした。
アルベリ「この方・・・・・・」
薄墨界「見覚えあるんだな?」
アルベリ「はい、この人です」
薄墨界「魔法使いだと仮定すると、やはり厄介だな。どうしたものか」
オグル・グリム「僕が上から偵察しよっか?」
  頭の後ろで手を組みながら、得意げに提案した。
  オグルは屋根の上で昼寝をするのが好きらしく、
  よく町では屋根を伝って散歩をしていると語っていた。
薄墨界「ああ、頼んだ」
オグル・グリム「オッケー♪」
  軽く返事をすると、オグルは黒いモヤに紛れて消えた。
薄墨界「オンブルを見つけて追跡が出来ればいいんだが、」
薄墨界「俺の魔法は大勢が使うような場所では使用しづらいんだよな」
ララ「あなたならできるわよ、カイ」
薄墨界「だが実際、オンブルという男がどこを通ったかなんて分からないだろう?」
アルベリ「あの、確かその時すれ違ったの、」
アルベリ「お菓子屋さんの前だった気がします」
  あまり自信がないのだろう、おずおずと手を挙げた。
薄墨界「近くのお菓子屋か?」
アルベリ「はい、あの、ジャムが名物の」
薄墨界「ああ、一度行ったな。店員に確認してくるか」
アルベリ「私も行っていいですか?」
薄墨界「勿論だ。なあ? ララ」
ララ「ええ、良いわよ。行ってらっしゃい」
アルベリ「はい!」
  話がつくと、界は手帳を受け取り、アルベリと共に図書館を後にした。

〇ケーキ屋
薄墨界「この男性に見覚えはありますか?」
女性店員「ええ、よくここで買われていきますよ」
女性店員「りんごジャムを毎回買われていかれるので覚えています」
薄墨界「そうですか、ありがとうございます」
  にこりと微笑み、店員に礼を言うと、店先で待っていたアルベリと合流した。

〇市場
薄墨界「・・・とすると、ここで魔法を使ってみるのも手だな」
アルベリ「どうするんですか?」
薄墨界「まあ待ってろ」
  界は手を出すと、手のひらの上に本が現れた。
  その本は一人でに開くと、足元から魔法陣が現れる。
  意識を集中させると、
薄墨界「suivre」
  と呟く。
  すると、店先の道を通る人々の映像が界の頭の中へ入り込んでくる。
  遡ると、アルベリと男がすれ違った時の映像が現れた。
  確かに、男は少し振り向くと、アルベリに対して微笑んだように見える。
  そこから早送りのように映像が進んでいき、また同じ男が現れた。
  手には紙袋をぶら下げていて、そのまままっすぐ進んでいった。
  そこで手を下ろすと、本は炎に紛れて消えていった。
薄墨界「いつも同じ通りを歩いているようだな」
アルベリ「なら、それ通り進んでみましょう」
薄墨界「・・・」
薄墨界「他に情報があればいいが」
  もうすぐ日が暮れる。
  二人は歩いている仕事帰りなのだろう男や、
  買い物帰りの主婦などに声をかけ、メモ帳に描かれたオンブルの似顔絵を見せていった。
主婦「昨日、かしら」
主婦「港の方へ歩いていくの見かけた気がするわ」
  聞き込みを続けていると、一人の主婦からそのようなことを聞くことができた。
薄墨界「昨日?」
主婦「ええ。貴族みたいな格好だったから、よく覚えてるわ」
主婦「すらっとした長身で、すれ違う人に『どうも』って気さくに声かけていた気がするんだけど」
  デボラから聞いていた通りの人物。
  その男で間違いなさそうだ。
薄墨界「昨日のいつ頃だったか覚えていますか?」
主婦「うーん、そうね・・・・・・今ぐらいの時間だったかしら」
薄墨界「そうですか、ありがとうございます」
主婦「いいえ。人探し?」
薄墨界「ええ、ちょっと」
主婦「そう。ここのところ物騒ね、あなたも気をつけてね」
薄墨界「はい、貴女も」
  そう言葉を交わすと、主婦は歩き去った。
アルベリ「港の方、行ってみますか?」
薄墨界「そうだな、そうしよう」

〇海沿いの街
  港の方へ進んでいくと、屋根から人が飛び降りてきた。
薄墨界「うわっ」
オグル・グリム「じゃじゃーん! びっくりした?」
薄墨界「お前・・・・・・」
アルベリ「びっくりしました」
オグル・グリム「へへっ」
薄墨界「何か分かったのか?」
オグル・グリム「さっきのおばさんが話してたの聞いてたんだけどね、それ」
オグル・グリム「昨日のことじゃないよ」
薄墨界「どういう意味だ?」
オグル・グリム「僕もさっき同じようなタイミングで見かけたんだよ」
オグル・グリム「そのおばさんも見てたと思うよ」
オグル・グリム「それに、あのおばさん自体も違和感あったし」
薄墨界「見かけた、それにあの人が嘘をついていると?」
オグル・グリム「まあ、まずは行こうよ、オンブルさんに会いに」

次のエピソード:五話

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