もうすぐ勇者に倒される邪悪な皇帝として転生したようです

はやまさくら

我が君の御名は(脚本)

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はやまさくら

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〇謁見の間
???「・・・あれ? オレ、こんなところで何してるんだ?」
???「確かオレは・・・」

〇市街地の交差点
???「うわっ!?」
通行人「大変だ、人が倒れてる。 急いで救急車を呼べー!」

〇謁見の間
???(思い出した! オレはバナナの皮で足を滑らせて、 死んだんだ!)
???(えっ? 今時そんな死因ある?)
???(普通はさぁ、 通り魔に襲われた後輩を助けたり・・・)
???(トラックの前に飛び出した 女子高生を庇ったり・・・)
???(あと、徹夜で乙女ゲーをプレイして、 寝不足で事故死したりするんじゃないの?)
???(もしかして、 オレの死因、カッコ悪すぎぃ~!?)

〇謁見の間
侍従ハルト「いかがなさいましたか、バナナン陛下?」
バナナンⅢ世「・・・・・・」
バナナンⅢ世「それ、誰の名前?」
侍従ハルト「はい、偉大なる我が君の御名です!」
バナナンⅢ世「何で「バナナ」なんや!?」
侍従ハルト「なにかお気に障ることでも?」
侍従ハルト「さては・・・また、 いつものように、邪悪な空想に 耽っていらっしゃったのですね」
侍従ハルト「さすがは邪道帝国の悪逆覇王、 バナナン様だ」
バナナンⅢ世「・・・えっ? ナニソレ怖い。ひどい厨二病患者だね」
侍従ハルト「・・・あなた様のことですが?」
バナナンⅢ世「オレ、そんな恥ずかしい奴なの!?」
侍従ハルト「あの、うざいんで・・・ その「ガーン」ってやつ、 いい加減やめてもらえます?」
バナナンⅢ世「あっ、はい。すみませんでした・・・」
バナナンⅢ世「・・・・・・」
バナナンⅢ世「あの、ちょっと思考を整理したいんで、 一人にしてもらっていいですか?」
侍従ハルト「分かりました。 ご用命あれば、いつでもお呼び下さい」
バナナンⅢ世(どうやらオレはとんでもない奴に 転生してしまったみたいだな?)
バナナンⅢ世(うーん・・・)
バナナンⅢ世(「バナナンⅢ世」という名には、 聞き覚えがあるぞ)
バナナンⅢ世(ええと、確か・・・)

〇魔法陣2
  国産ファンタジーRPG
  「ドラグーン・コンクェスト」に登場する
  ラスボスの名前だ!

〇謁見の間
バナナンⅢ世(じゃあオレは、 もうすぐ勇者に倒されるんだね!)
バナナンⅢ世(・・・いやいやいやっ、 前世の記憶を思い出したばかりなのに、 倒されてたまるかーい!!)
バナナンⅢ世(・・・うん、逃げよう! 勇者に見つかる前に逃げよう!)
  かくして悪逆覇王バナナンⅢ世による
  前代未聞の逃亡劇は幕を開けた。

〇巨大な城門
バナナンⅢ世(よし、城から脱出したぞっ!)
バナナンⅢ世(・・・あっ)

〇黒
  続く

次のエピソード:君死にたまふことなかれ

コメント

  • コレ、面白すぎます!
    ベタベタな展開とセルフツッコミに、音読さんの棒読みボイスが加わって、シュールと言うか何というかの空気感に大笑いしてしまいました!最高ですね!

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