最新医療の国、タヴァリオ(脚本)
〇英国風の図書館
カリュ「ここが医学書用の部屋ね」
ジェラン「専用!?すごい!!」
カリュ「ここなら好きにしていていいわ」
クルン「ありがとうございます」
ジェラン「ねぇクルン、私見てきていい?」
クルン「怪我だけはしないように」
カリュ「クルン、といったかしら」
クルン「はい、どうされましたか?」
カリュ「あなたは彼女の召使いなの?」
クルン「はい、建前はそうですが 彼女は立場を嫌う方なので 友人という形を取らせて頂いております」
カリュ「なるほどね」
カリュ「ということはあなたが──」
ジェラン「クルンー!届かないー、取ってー!!」
カリュ「・・・行ってあげてちょうだい」
クルン「はい」
クルン「名前だけ伺ってもよろしいでしょうか」
カリュ「カリュよ」
クルン「カリュ様、失礼いたします」
カリュ「あの子が噂の・・・」
〇洋館の廊下
魔導師「やほやほのやっほ〜♪」
魔導師「メイド長さんいる?」
メイドA「只今お食事の準備をしています」
メイドA「メイド長にご用ですか?」
魔導師「そ ちょ〜っと話があってね」
魔導師「その準備って他の人に変われない?」
メイドA「確認いたしますので しばらくお待ち下さい」
魔導師「ありがとー助かるわー」
魔導師「困ったなぁ、こんなにも早いなんて」
魔導師「ジェランちゃんは一体何をしているの?」
魔導師「あー! もっと魔術が使いこなせていれば・・・」
魔導師「いれば・・・」
メイド長「城内で大声を出さないで」
魔導師「あー、はいはい すみませんでした」
メイド長「何を言いに来たのか分かっているわ」
魔導師「うん、予言より圧倒的に病気の進行が早い」
メイド長「何があったかは?」
魔導師「っ・・・ごめん、わからない」
メイド長「そう、ありがとう あとは私達にできることをするわ」
魔導師「・・・うん」
メイド長「弱気にならない!!」
魔導師「・・・え?」
メイド長「弱気になって何になるの!?」
メイド長「私の知らない事情が あるのかもしれないけれど」
メイド長「あなたは私に無いものを持ってる!!」
メイド長「それだけであなたがいる意味は 十分なはずじゃないの!?」
魔導師「・・・」
魔導師「そーだね、ありがと」
メイド長「情に任せてしまってすみません・・・」
魔導師「へーきへーき、元気出たし」
魔導師「じゃ、私はこれで」
メイド長「えぇ」
〇英国風の図書館
クルン「ジェラン様、そろそろ時間です」
ジェラン「・・・うん・・・もうちょっと」
カリュ「まだ読んでいるの?」
カリュ「すごい集中力ね」
クルン「カリュ様は本をお読みになるのですか?」
カリュ「いいえ、ワタクシは動く方が好きなの」
カリュ「本はずっと座っていなくては いけないから苦手ね」
ジェラン様は読んでいた本を閉じた。
ジェラン「終わった!」
クルン「お疲れ様です」
ジェラン「あれ?あなたはいつからいたの?」
カリュ「ワタクシ?ワタクシはついさっきよ」
ジェラン「あ、そういえば名前は?」
ジェラン「私はジェラン、ジェラン・シューラント」
カリュ「ワタクシはカリュよ カリュ・タヴァリオ」
カリュ「それより、あなた達宿は決めたの?」
ジェラン「ううん、まだ・・・」
カリュ「お母様に頼んで部屋を開けてもらったの」
カリュ「良ければ泊まっていって」
ジェラン「ありがとう!カリュちゃん!」
カリュ「ワタクシは別の用があるから行くわね」
カリュ「部屋の場所はこの紙に書いてあるわ」
カリュ「それじゃあ」
ジェラン「じゃあ、私達もここに行こっか」
クルン「はい」
〇城の客室
ジェラン「キレイだね、クルン」
コンコンコンとドアを
3回ノックする音が聞こえた
シュラ「しつれいいたすのです」
僕達の身長の3/4位の女の子だ
おそらく、5〜7歳だと思われる
シュラ「あたし、カリュのいもうとの シュラっていうです」
ジェラン「シュラちゃん?よろしくね、私はジェラン」
ジェラン「こっちの人はクルンだよ」
シュラ「ジェランさん、クルンさん よろしくおねがいするです」
ジェラン「ところで、どうしてここに?」
シュラ「あたし、いりょうがとくいです」
シュラ「だからジェランさんをたすけるです」
ジェラン「シュラちゃんが?」
シュラ「そうです あたしはこのくにでいちばん いりょうがくわしいです」
「一番!?」
シュラ「あってるです」
ジェラン「・・・え?」