エピソード2 「帰り道」(脚本)
〇駅のホーム
ガラテア「!」
「ただいま人身事故のため、運転を見合わせております」・・・・・・と、アナウンスが入る
事故は唐突に起こりうるものだということを彼女は知らないで育ってきたので、思わず固まってしまう
小さく手のひらを合わせ黙祷する
田舎ということもありながら、人もまばらなので誰にも邪魔されずに10秒近く黙祷していた
黙祷を終えて、ICカードを取り出し接触させたら「残高が足りない」と言われてしまう
ガラテア「!?」
どうやら、行きにチャージしていなかったのを忘れてしまっていたらしい
あにいく財布を持ってない・・・帰れないと悟ったその時
乾「どうしたんだよ・・・金足りねえのか?」
そこに偶然現れたのはあの不良だった
思わず距離を取り恐怖のあまり涙を流してしまう
乾「お、おい・・・泣くなや!ほら金あげるからチャージしとけ」
あの時とは打って変わって男なりの優しさを見せてくれる
乾「さっきは悪かった、今日さダチと喧嘩しちまってよ、そんでムカムカしてる時にお前みたいな奴が学校に来たから当たっちまって」
乾「お前のことが嫌い・・・ていうわけでもないぞ・・・!まあかと言って好きというわけではないがな」
乾「会って1日目だ、どんな奴なのか互いにまだ全然知らねーからな」
ガラテア「・・・?」
乾「おいやめろ、そんな顔で見るな。 まあ確かに不良ではあるけど、こんな俺がいうのもなんだがちゃんと人情味はあるぞ!」
乾「あまり第一印象だけで決めつけるのはよくねーぞ」
胸に手を置いて少し頷く
乾「・・・んで、お前帰るんか何行きに乗るつもりだ?」
すると、電光案内板に書かれている「櫻町」行きを指差す
乾「あ、お前あそこに住んでるんか?てことはマジのお嬢様かよっ!!?」
乾「や、やっべえ下手なことしたらぶっ潰される!」
ガラテア「?」
乾「い、いや悪ぃ気にしないでくれ」
?を顔に浮かべていると、櫻町に向かう電車が後2分で来ることに気づく
乾「お、おい!もう2分で来ちまうぞ!そのカード貸せ俺がチャージしてやるから!」
有無を言う暇を与えることなくカードを取られて素早い手捌きでチャージしだす
チャージが終わり手渡されると、すぐにホームへ向かえと急かされる
ICカードをかざしたら、そのままホーム左へ走っていった
乾「無事に帰れるといいのだが・・・・・・」
ここで、不良とガラテアは場を別々にする
ベンチに腰を下ろして一息ついて案内板に視線をやる
チャージしていた間があったため、あと1分で電車が来る
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