エピソード3 「悪と、邂逅」(脚本)
〇荒廃したセンター街
人間を全て監禁し、このセンター街の制圧完了・・・・そう呟きメモにつづっていく
彼女の名は「ゼルヴァ」、ガラテアを追っている組織の一員でありエリート格でもある
今回は彼女一人で行動しているが、無線機で仲間からの指示が次々に出されていく
──次の指示を出す──
ゼルヴァ「いや、やめてくれないかオレだって疲れるもんは疲れるんだよ少しは休ませろ」
──お断りする、これは任務だ従ってもらおう──
ゼルヴァ「まったくここは甘くねえな、人使いが荒いもんだぜ」
ゼルヴァ「なんだ、まだ取り残した人間がいるのか?」
ミズヤ「え、あ・・・!な、なんで・・・いつもの街が・・・」
ゼルヴァ「貴様は何者だ・・・誰なのか言ってもらおうか」
ゼルヴァ「言うまではここは通さないぞ」
ミズヤ「ただの・・・ただの普通の人ですので・・・と、通して!」
有無などいらんとらえろ──という指示に嫌々従う
ゼルヴァ「悪いがここは通すわけにはいかない!お前はここで捕えさせてもらうぞ」
ミズヤ「え、なんでですか!?言う通りにしたの・・・きゃあ!?」
口を手で塞いだ途端、倒れ込んでしまう
ゼルヴァ「よし、こいつで最後になればいいのだが・・・さてメモにも正の字を一本書き出して・・・っと」
ゼルヴァ「さて、連れてくか」
その連れて行き方はただただズルズルと引きずっていく・・・というものだ
かけらも人に対しての優しさも同情もない
ゼルヴァ「これくらいガラテアの野郎を捕らえられたら苦労しないんだがな」
ゼルヴァ「あいつは・・・・・・人脈も広ければすぐに仲間と打ち解けれる奴だから仲間が邪魔しがちなんだ・・・」
ゼルヴァ「まあ、いくら仲間が多かろうとオレらの敵じゃあねえな」
大きい笑い声を上げながら引きずっていくと、行動を共にしている黒子へ手渡して監禁をお願いする
ゼルヴァ(ガラテアは大理石の乙女・・・・・・オレらが攻撃してもあの美しい肌にはかすり傷さえ与えられない)
ゼルヴァ(オレらも一応・・・人間ではなくて硬い材質でできた人形ではあるんだが硬度が違うからな)
ゼルヴァ(オレらは鋼で奴は大理石・・・石とダイヤモンドのような違い・・・)
ゼルヴァ(また美しい見た目の人間を人形に仕立て上げてもらうしかないか・・・・・・)
ゼルヴァ「面倒ではあるがそのあとの行動はかなり効率のいいものになるぞ・・・ふふふふはははっ!」
そして、ゼルヴァは仲間の指示にようやく従い次の目的地へ向かっていった・・・
ゼルヴァ「・・・・・・ん?ここはさっきと似たような場所ではないか?」
──ああ、そうだ。ただ形やつくりが似ているだけであり人間はまだいるぞ──
──「ウィルファ」、そいつを探してみてくれ新人の人形だきっとお前のいい相方になるであろう──
ゼルヴァ「い・・・いた!が・・・コイツであってるのか?いくらなんでも幼いぞ?」
ウィルファ「凍れぇー!」
男性A「うっ・・・!!!うごけ・・・」
ウィルファ「消えな」
男性A「うっあ・・・・・・がぁ・・・・・・」
たった一人の小柄な女の子ができることではない光景を目の当たりにし、絶対にこの子が新人の子だと確信した
ゼルヴァはウィルファの肩に手を置き軽めに自己紹介する
ウィルファ「ゼルヴァお姉さん私知ってる!先輩なんだよね?」
ゼルヴァ「ああ、そうだぞ!これからもよろしくな」
ウィルファ「うんっ!」
ゼルヴァ「それじゃ早くここの人たちを蹴散らしてしまおうか、さあやっちゃおう」
ウィルファ「おっけえー!」
「消えちゃえー!」
地面から天へ炎の壁が木が成長するように上がっていく
今度はゼルヴァが攻める・・・水が地面へ向かって消えいる滝のように流れていくと・・・
血の水となってぶくぶくと泡を吹き始める
すると・・・
カラフルな花が生えてきて人々の足に絡みつき生気を奪っていく・・・・・・やがてその場にいた者たちは枯れ果ててしまった
私たち二人がいれば最強!
と・・・二人で手を組んでそう確信しあった
息のあった連携は、2人の距離をグッと近づかせた
ウィルファ「そういえば、お姉さんは何を追ってるの?ワタシは今なんもやってないから暇なの」
ゼルヴァ「あ、えっとねガラテアていう子を追ってるんだ!聞き覚えあるかな?」
ウィルファ「あ、聞いたことある!ダイリセキ・・・?の女の子だっけたしか失敗作なのに逃げ出して人間世界でのほほんってしてるんだっけ」
ウィルファ「うざいよね!」
ウィルファ「はやいとこみつけよ!今どこにいるかわかる?」
ゼルヴァ「それがなかなかわからなくてね、断片的な情報ではあるが櫻町ていうか田舎にいるらしいんだよ」
ウィルファ「そこまでか〜!まあ仕方ないのかな」
ゼルヴァ「一緒にまったりと探していこうな」
ウィルファ「うん!」
ゼルヴァ((かわいい子だ、このかた癒されるようなことが少なかったから嬉しいな))
ウィルファ「おねえさん、ついてきてー!」
ゼルヴァ「ん?わかった」
案内されたのは、すでに一階から崩壊しそうなビルの前だ
ゼルヴァ「ここがどうかしたのかい?」
ウィルファ「ここにさ!ここにさッ!もしも幹部のみんなが許可してくれたら私このビルに魔法かけてみたいの!」
ゼルヴァ「ん?べつに許可取らなくてもいいんじゃないのかな?オレたちはここらへんぶっ壊してばかりだし」
ウィルファ「念のためだよ、それにただの魔法じゃないよ!多分、見たらおどろくやつだよ!」
ゼルヴァ「なるほど・・・・・・それはたしかに連絡必要だな!賢い子だ」
ウィルファ「えへへ、ありがとお姉さん!」
ウィルファ「それじゃ連絡しちゃうね、待ってて!」
ゼルヴァ「ああ、いくらでも待つよ」
トゥルルルル・・・トゥルルルル・・・5秒ほど待つと、ようやく電話に出てくれた
ウィルファ「ウィルファでーす!お疲れ様ー!いま街破壊しておねえさんと出会ってお話してました!」
ウィルファ「うん、うん・・・うん」
ウィルファ「そうだよー残ってる人も私とゼルヴァおねえさんで滅ぼした!」
ウィルファ「苦戦することなかった!楽だったよ!それで・・・本題に入っていいかな?」
ウィルファ「うん・・・ありがとう!それでなにかと言うとねいま私とおねえさんの目の前にビルがあるんだけどこれ壊していい?」
すこし間をあけて出た答えは「イエス」だ
ウィルファ「やった!ありがと!!じゃあ電話切るね!」
ウィルファ「ゼルヴァおねえさんは離れといて!危ないから」
ゼルヴァ「ああ、わ、わかった!」
さっきまで背を向けていた建物の前まで走っていき、興味津々にウィルファを観察する
ウィルファ「えぇーーい!!!」
「おらあぁあ!」と裂帛の気合いを放っては、ありったけの衝撃波をビルに放つ
すると、ブラックホールのような穴が衝撃波が衝突した部分に開く
ゼルヴァ「ブラック・・・ホール・・・・・・?」
ウィルファ「そだよー!理由はね、いちいち歩いて帰るのめんどいからだよー!」
ゼルヴァ「なるほどな!賢いじゃないか・・・でも、壊すってのは一体?」
ウィルファ「私とおねえさんがブラックホールに入ったら壊れるよ!それにいまも超遅いけどね崩れてきてるよ!」
ゼルヴァ「(この穴・・移動にくわえて物体の崩壊を食い止めるテープにもなるのか、なかなか便利なものだな)」
ウィルファ「ねえねえ、壊れちゃう前にはやくいこ!」
ゼルヴァ「あ、ああ!ついていくぞ!」
ウィルファの小さな手を自身の手を重ねるように交わせ、穴に進入していく
〇荒廃した教会
ウィルファに連れられ、到着したのは古びた教会の中
ヒューヒューと、あらゆる箇所に空いた大中小の穴と隙間から冷風が肌を刺激する
ゼルヴァ「寒いな・・・それにこんな古びていたか?」
ウィルファ「言ってなかったね!この能力はね”私がホールを設置した物体の状態によって、移動先にもその状態が反映される”んだよ!」
ゼルヴァ「ということは、この建物もそろそろ崩れるっていうことか?」
ウィルファ「そうだよー!だから早くにーげよ!」
その瞬間、バキバキという爆音が響き渡る
2人は急いで教会の外へ走っていく
ゼルヴァ「(はあはあ・・・し、死ぬかと思ったこの子見た目に反してやることがえぐいぞ)」
ウィルファ「危なかったね、命が無事でなによりだよー」
ゼルヴァ「ほ、ほんとそうだな・・・たはは・・・」
ウィルファ「あっ!あそこの公園でゆっくりしてこ!それでいっぱい話そうよ」
ゼルヴァ「ああ、構わないぞ!」
〇古い洋館
ウィルファとゼルヴァが教会の外に出て一安心している一方で・・・
ガラテアが洋館の前でとある人物と出会う
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