前編(脚本)
〇大広間
むかしむかし あるところに
シンデレラという娘がいました
とても美しい娘
でもその中身は・・・
(55歳にして 王子さまと踊れるとは!)
〇黒
(お城の舞踏会に出かけようとして──)
継母「シンデレラに 留守番するように言った?」
ドリー(姉)「なんか 裏庭にいたよ」
継母「あの子には 厳しく言わないと!」
〇森の中の小屋
継母「アラ 誰と話してるのかしら?」
シンデレラ「私も舞踏会に行けるの!?」
シンデレラ「居酒屋の・・・じゃなくて 妖精のおばさん!!」
妖精「ハイ よろこんで~」
妖精「1名様ご案内~」
継母「居酒屋じゃなくて トンチキ妖精!!」
妖精「オーダー入りま~す!!」
妖精「ビビデバビデ ビビデバビデ・・・」
継母「させるか コンチクショウ」
継母(夢中で2人に体当たり)
ママデレラ「オヤ? 手の皺が消えた! 顔も張りがある!!」
真デレラ「シワシワ 体が重い」
妖精「毎度あり~」
真デレラ「待って居酒屋の・・・ 違う妖精さん! 魔法が混乱してる!!」
真デレラ「私とママが」
ママデレラ「ホホホ 入れ替わったわ🎵」
〇大広間
ママデレラ(娘たちも置いてきた この美貌と若さがあれば 王子さまを独占よ!!)
ママデレラ「オホホホホホ!!」
ママデレラ「ああ・・・王子さまと💗♂♀・・・」
ママデレラ「アラ はしたない! 飢えた年増みたいに・・・ 私は乙女 いけませんわ!!」
〇森の中の小屋
ドリー(姉)「シンデレラだけ舞踏会なんて 許せない!」
アナ(妹)「私たちも行こうよ ママ!!」
真デレラ「それどこじゃない」
ドリー(姉)「さっきから ママ変ね?」
アナ(妹)「そう? いつも通り恐くてイジワルよ」
真デレラ「掃除くらいしなさいよ! いつもいつも 人にやらせて!!」
ドリー(姉)「いつものままだ コワイコワイ!!」
アナ(妹)「ママは変わらないわね」
真デレラ「スッキリ! 言いたいこと言えるって こんなに気持ち良いの!?」
真デレラ「震えるあの娘たち見てたら もっとイジメてやりたくなった」
真デレラ「アハハハハハ」
姿かたちが変わると
性格まで影響されるのだった
〇大広間
ママデレラ「鏡なんて見るのも嫌だったけど こんなに楽しいのね~」
〇英国風の部屋
その頃 継母姿の真デレラも
曇った鏡を見ていた
真デレラ「こんな姿に・・・」
ドリー(姉)「曇って映らないでしょ? 拭いてあげる」
真デレラ「なにするの!!」
真デレラ「こんな鏡 見たくないのよ」
ドリー(姉)「ごめんなさい!」
真デレラ「ママと同じセリフ言っちゃった・・・」
真デレラ「掃除掃除ってウルサイくせに この鏡だけは絶対拭くなって・・・」
真デレラ「何で拭いちゃいけないのか ママの気持ち分かった・・・」
真デレラ「鏡を見るたび 溜息ついてたっけ・・・ママ」
真デレラ「ふう(溜息)・・・」
〇大広間
ママデレラ「溜息の数だけ 夢や人を信じられなくなった」
ママデレラ「特に可愛いシンデレラは憎い だってあの子は 夢とか人を信じてる」
ママデレラ「鏡を見るのが毎日楽しかった あの頃の私みたいに!」
ママデレラ「だからあの子が憎い!!」
〇黒
曇った鏡の中では
王子とママデレラの踊る姿
真デレラ「させるか コンチクショウ」
真デレラ「いくよ グズグズしないで」
ドリー(姉)「お城に!?」
アナ(妹)「舞踏会 やった!!」
〇森の中
真デレラ「小鳥さん妖精は? どこにいるの?」
ドリー(姉)「城は? なんで森?」
ドリー(姉)「鳥と話してる 丸でシンデレラ! 変なママ!!」
真デレラ「教えないと 焼鳥にするよ」
アナ(妹)「大丈夫 言ってることは いつものママ」
小鳥は逃げた
退屈した娘たちは 踊り出す
それは社交ダンスではなかった
TikTok村で流行りの
最新ダンスだった
踊りに釣られ 鹿が寄ってきた
次いで・・・
妖精「よろこんで よろこんで よろこんで!!!!」
妖精「感動で~す おかわり一丁~!!」
真デレラ「逃がさないよ 私を元に戻して」
妖精「魔法のキャンセルは出来ません」
真デレラ「このトンチキ妖精」
妖精「トントン チキチキ トンチキチキ~」
ブルブル震え
パニック発作を起こす妖精
〇華やかな裏庭
ママデレラ「このトンチキ妖精」
ママデレラ「まだ娘の頃 妖精に投げつけた言葉」
ママデレラ「あの時も お城の舞踏会だって 私に魔法を 魔法を・・・」
〇黒
37年前
〇森の中の小屋
(村一番の美人だった あの頃)
妖精「ビビデバビデ ビビデバビデ・・・」
継母「ホホホ 美しいドレス姿に これで舞踏会に行ける!!」
妖精「アアアア アワアワアワ(パニック)」
妖精「いらっしゃい いらっしゃい いらっしゃい いらっしゃい」
妖精「キャアアアアア」
アイツは逃げた
私は 家の鏡を見て・・・
〇黒
継母「どこのオバさん?」
継母「え?・・・ワタシ???」
継母「まだ18だったのよ! そこにいたのは・・・50のババァ!!」
継母「美貌と若さを奪われた 青春を奪われた」
継母「それから37年 本当のババァに・・・ この恨みこの恨み」
継母「ハラサデオクベキカ~」
〇森の中
妖精「申し訳ございません!」
妖精「あの時は まだバイトだったんで・・・」
妖精「今は大丈夫 バイトリーダーなんで」
真デレラ「結局バイトじゃねーか」
真デレラ「いけない 本当にガラが悪くなってる・・・」
真デレラ「私はママじゃないの あなた ママと私を入れ替えちゃったのよ」
妖精「ええええ よろこんで!!」
真デレラ「よろこべるか 元に戻して!!」
妖精「恐らく継母の呪いが絡んでます」
真デレラ「さっきの話だと 18歳から この姿なんでしょ? 呪いたくもなるわ」
妖精「彼女の呪いがこもったものが お家にありませんか?」
真デレラ「きっと鏡だ!!」
真デレラ「その鏡を どうするの!?」
妖精「深夜12時までに 呪いのこもった鏡で 互いを映せば・・・ 魔法が解けます!!」
真デレラ「今日の深夜12時までに 鏡で互いを映すのね!?」
妖精「ハイ よろこんで」
真デレラ「だから よろこべるか!!」
妖精「よろこばないで~」
そう言って消えた
向こうで鹿とたわむれていた
姉妹に声をかける
ドリー(姉)「次こそ お城ね」
真デレラ「家に帰るよ!!」
ドリー(姉)「そんな!! 舞踏会は!?」
真デレラ「もちろん 鏡を取ってから」
ドリー(姉)「ママこの鹿に乗って行こう ちょうど3頭いる」
姉妹はいつのまにか
鹿を手なずけていた
〇黒
後編へつづく
面白かったですw
ぜひディ●ニーに権利を売って映像化してください(でも居酒屋……じゃなくて妖精さんがアメリカナイズされてハンバーガーショップのバイトみたくなっちゃったらやだなぁ)
斬新すぎるシンデレラ、、、この発想力、もう素晴らしいですね!そして妖精さんのキャラww お笑い要因かと思いきや、まさかの諸悪の根源!?