逆転シンデレラ

尾長イルカ

後編(脚本)

逆転シンデレラ

尾長イルカ

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〇西洋の城
  3頭の鹿が到着
真デレラ「まって~💦」
ドリー(姉)「ハア ハア ハア」
アナ(妹)「もう・・・走れない」
  3人とも鹿に振り落とされ
  ほぼ自力で走った

〇大広間
ママデレラ「今日の日を忘れません 永遠に」
チャーミング王子「また会いたい シンデレラ」
ママデレラ「きっとまた会える・・・」

〇洋館の階段
ママデレラ「王子さまは 私のもの」
  壁の時計を見て
ママデレラ「55年の人生と引き換え 素晴らしい一日」
ママデレラ「37年の苦しみは この日のために・・・」
真デレラ「そうはいかないわ!」
真デレラ「本当のシンデレラは私よ」
ママデレラ「今は私がシンデレラ」
真デレラ「鏡に顔を映して!!」
真デレラ「深夜12時までに 互いを鏡に映せば 元に戻れるの」
ママデレラ「他の鏡は好き でも この鏡は見たくない 37年の恨みがある!!」
真デレラ「見なさいよ」
ママデレラ「エーイ」
  ガラスの靴を 鏡に投げつけた
真デレラ「鏡が割れちゃった・・・」
  壁の時計が 深夜12時を告げた
ママデレラ「これで もう戻れない!!」
ママデレラ「お前はずっと その姿で生きていくんだ!!」
ママデレラ「一生ママハハとして生きな!」
ママデレラ「意地悪な継母として 叩かれ罵られる苦しみを味わえ」
ママデレラ「世間は何にもわかってない! その癖 他人をすぐ叩く!!」
ママデレラ「おとぎ噺では 継母はいつも意地悪 世間がそう決めつけるから」
ママデレラ「世間が 悪人を生むのだ」
ママデレラ「これからずっと鏡を見ては 死にたくなるだろう いい気味だよシンデレラ!!」
ママデレラ「アハハハハハ アハハハハハハハハハハハハ」
  高笑いを残して去る

〇華やかな裏庭
チャーミング王子「深夜にどうされました?」
真デレラ「王子さま もう死にたい」
チャーミング王子「お待ちなさい 母から聞いた 元気が出る おまじないがあります」
真デレラ「おまじない?」
チャーミング王子「それは・・・」
真デレラ「それがおまじない?」
チャーミング王子「ごめんなさい 何も食べてなくて」
真デレラ「じゃあ元気がでるもの 作ってさしあげます」

〇兵舎
チャーミング王子「こんな美味い料理 初めてです」
真デレラ「継母に教わったのです」
チャーミング王子「あなたの継母は料理上手ですね きっと 優しい人なんでしょう?」
真デレラ「優しい・・・ でも料理名人は確かです ママにみっちり仕込まれました」
チャーミング王子「母の味を思い出します・・・」
真デレラ「私も少し元気がでました・・・」

〇黒
  翌朝

〇森の中の小屋
チャーミング王子「ガラスの靴にぴったり合う人が 私の結婚相手です」
ドリー(姉)「小さすぎるわ!」
アナ(妹)「私にはちょっと大きい!」
ママデレラ「や~だ 自信な~い! はけるかな~? ぜ~んぜん! 全然自信な~い!! ウフフフフフ~」
ママデレラ「きゃあ ピッタリ 奇蹟よ奇蹟 こんな不思議なことあるのね~」
チャーミング王子「結婚してくれ シンデレラ!」
ママデレラ「よろこんで~」
真デレラ「妖精か! いや居酒屋か!!」
ママデレラ「痛い」
  ガラスの靴の中に 鏡の破片が入っていた
妖精「遠くから よろこんで〜!」
妖精「そそそ その破片をお貸しください!」
ママデレラ「時間切れ 今更 遅いよ!!」
妖精「この鏡の破片の中に 時計が映ってます」
真デレラ「時計!?」
ママデレラ「映ってる?」
妖精「時計は11時59分を指しています」
妖精「割れたせいで 鏡の中の時間は止まってる」
妖精「まだ12時になってません」
ママデレラ「コンチクショウ それよこせ」
妖精「真デレラ パス!!」
真デレラ「OK 手が切れたって構わない 絶対 キャッチする!!!!」
真デレラ「とったどー!!!!」
  真デレラが 破片で互いを映す
シンデレラ「ももも 戻れた」
チャーミング王子「君が本当のシンデレラ!! 結婚してくれ!!」
妖精「よろこんで~!」
シンデレラ「させるか コンチクショウ!!」
シンデレラ「アラ はしたない! じゃなくて・・・ 私で良ければ 王子さま!!」
継母「オカシイじゃない!! 私は18歳に戻れないの!?」
妖精「あなたは 今は55歳です」
継母「ヤダヤダヤダ!!!!」
妖精「年齢は戻せません これが現実」
  今度は 継母が泣き叫ぶ番だった
  継母を優しく抱きしめるシンデレラ
シンデレラ「ママの気持ち よくわかった」
ドリー(姉)「ママは恩人 森に捨てられた私と妹を 今まで育ててくれた」
アナ(妹)「とっても優しい人!!」
シンデレラ「どうして死んだパパは あなたと再婚したのかと思ってた」
シンデレラ「でもパパは正しかった あなたは素敵な人!!」
シンデレラ「パパは あなたの本当の姿を知ってたのよ」
チャーミング王子「僕にも分かります あなたは本当に美しい人です」
継母「・・・・・・」
チャーミング王子「あなたの料理をもっと食べたい 城に来ませんか? シンデレラと一緒に」
継母「え!! ほんとに・・・」
ドリー(姉)「王子さま王子さま ダンスの先生はいらない!?」
チャーミング王子「あいにく社交ダンスは習ってる」
アナ(妹)「そんな退屈なダンスじゃなくて TikTok村の最新ダンスよ!!」
チャーミング王子「それは面白そうだ ぜひ教えて 一緒に城に来てください!!」
「ホホホウ!!!!」
  小鳥が祝福した
「あっ 焼鳥」
  あわてて逃げた
  こうして一家は皆で仲良く
  お城に住みましたとさ
  めでたし めでたし

コメント

  • うーん楽しいです✨
    シンデレラというお伽話のポイントを押さえてられているためか、自由奔放にイジり倒しても “シンデレラ” として成立していますね😊 そして、原作の強さに呑まれずに大胆な解釈・アレンジを成し遂げているところがお見事すぎます🙌 この力強い構成力、本当に憧れてしまいます💕

  • 鏡の中の時間は止まっている、という設定が良かったです。
    なんだかんだ似ているシンデレラと継母。シンデレラも55歳になったらああなるのかなと思いました笑

  • 愉快な設定をこれでもかっと盛沢山に加えていながらも、やっぱりラストはハッピーエンド、ステキですね!そして、原作ストーリーの骨格の強さも再確認させられますね!
    重要なシーンで挿し込まれるスチルが、とっても効果的ですね!

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