SAMURAI・RYU

鶴見能真

第一章その① 四神の伝説、そして始まる新たな伝説(脚本)

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〇森の中
  古代中国
???「ギャルルルルル!!」
  当時世界を滅ぼす力を持つと言われる魔物が暴れていた
青き勇士「くっ! これ程か、”神”の力とは!?」
白き勇士「このままでは持たぬぞ!」
朱き勇志「このままでは我が国が!?」
玄き勇士「──諦めるでない! 我が同胞”四神”の勇士達よ!!」
  対するは神より力を授かりし四人の若者
  皆で協力し巨悪を封じ込めたとされる伝説は今も語り継がれ、その血は子孫達に受け継がれてゆく

〇畳敷きの大広間
  現代より十数年前
  京都某所
先生「──と、言う訳で四人の勇士の活躍により”悪しき者”は封印され今も平穏が続いているっちゅう訳や」
東川龍「おう」
先生「何か質問はあるか?」
東川龍「無いでー。餓鬼の頃から聞かされとったさかい、もう十分や」
先生「だったら──」
伊集寅虎太郎「おれ質問あるで! 何でおれらの先祖の話やのに中国の話してるんや?」
先生「それはな、おれらの先祖は昔・・・」
卯ノ花兎未「あんた、そないな事も知らんの? それで良くお兄ちゃんの舎弟名乗れるね?」
伊集寅虎太郎「うるせぇ兎未(うみ)! 武術ならナンバーワンやおれは!」
卯ノ花兎未「笑えん冗談やな! うちから一本も取れた事あらへんのに。大阪人の底が知れるわ!!」
伊集寅虎太郎「なにー!? 大阪を馬鹿にするなやこら!?」
先生「話聞けよガキ共・・・」
???「──龍(たつみ)や!」
東川龍「じいちゃん! お帰りなさい」
東川龍鉄「わしは先に行って参るぞ。 貴様も早う支度せい!」
東川龍「お、おう!」
???「ねえさまー! だんなさまー!」
卯ノ花兎丸「ただいま戻りました!」
卯ノ花兎未「やん! うまるんお帰りー! 今日もかわええな!」
東川龍「おう。お帰りうまる」
  龍は兎丸の頭を撫でる
卯ノ花兎丸「だんなさま・・・」
東川龍「ほなら、おれは爺様に呼ばれはったからもう行くわ」
卯ノ花兎丸「いってらっしゃいませー!」
卯ノ花兎未「やん! うまるん流石はお兄ちゃんの許婚やね! 完璧やわ! うちも姉として誇らしいわ! しかも可愛い!」
卯ノ花兎丸「ねえさま、・・・はずかしいですぅ」

〇道場
東川龍鉄「──むん!」
東川龍「てい──!」
  二人の竹刀がぶつかり合う。
東川龍「ぐっ!? (相変わらず衰え知らずの重い一撃や。 こっちは全力や言うのに擦りもせぇへん!)」
東川龍「(じいちゃんは防具付けてへんのに強過ぎや! 攻めが凄まじくて喋る暇があらへん!?)」
東川龍鉄「──どうした! それでも儂の孫か!」
東川龍「──!? (流石は我が東川家当主の中で歴代最強と謳われる剣士やな・・・。おれなんか一生掛かっても足元にも及ばへん!)」
東川龍「(しかし──)」
東川龍「──うおおおおおー!!」
  結果、一太刀も浴びせられず孫は祖父からボコボコにされる。
東川龍「・・・おかしいやろ、その強さ化け物じみてるで。おれこれでも小中と全国連覇中やで爺ちゃん?」
東川龍鉄「鍛錬が足らん! そないでは儂の跡を継ぎ東川の名を背負う事なぞ出来ぬぞ!」
  龍鉄は抜き身の真剣を龍に放り投げる
東川龍「──あぶね! 殺す気か!?」
  咄嗟に避ける龍の股間に剣は突き刺さる
東川龍鉄「さあかかってこい!」
  祖父も真剣を手にする。
  その刀は”青刃閃”と呼び代々東川家当主が護り受け継いで来た山をも切り伏せると言われる伝説の家宝だ
  その刃は龍の牙で出来ていると言われている
東川龍「いやいや! 死ぬ死ぬって!?」
東川龍鉄「死なぬ様加減はするわい! 貴様が気を抜かなければな!」
  今、龍の牙が振り下ろされる。
  道場は跡形も無く吹き飛ぶのであった。

〇屋敷の大広間
南澤雀蓮「雀呂はおるか!?」
南澤雀呂「何やねん親父?」
南澤雀蓮「貴様、最近弛んどるんやないか?」
南澤雀呂「何がや?」
南澤雀蓮「修練をサボり遊んでばかりやろうが! 貴様は儂を継ぎ他の三家を蹴落とさなあかん! わかっとるんか!?」
南澤雀呂「・・・へいへい」
南澤雀蓮「──ちゃんと返事をせいや!!」
南澤雀呂「・・・ちっ!!」

〇通学路
東川 兎龍(とうせん うりゅう)「おとうさま! おしごといってらっしゃいませ!」
東川兎丸「いってらっしゃい。あなた」
東川龍「おう。行ってくる」
  幼い娘と若い妻に男は見送られる
卯ノ花兎未「おっはよー! 義兄さん、うまるちゃん、うりゅうちゃん!」
東川兎丸「姉様おはようございます」
東川 兎龍(とうせん うりゅう)「おはようございます! うみおばさま!」
卯ノ花兎未「はっはっはー! わたしまだピッチピチの21歳やのにおばさまは嫌やわー。伯母様で合うてるけどな」
伊集寅虎太郎「うおーーー! おはようございます! 兄貴!」
龍「おう。相変わらず朝から元気だな?」
卯ノ花兎未「いえーい! またうちの勝ちやでー」
伊集寅虎太郎「何を!」
兎丸「虎太郎さんおはようございます」
兎龍「おはようございます! 虎太郎おじさま」
伊集寅虎太郎「おう! うまるもうりゅうもおはようさん」

次のエピソード:第一章その② 交番勤務の日常

コメント

  • 龍の牙で出来た真剣って見た目の想像がつきませんが、言葉だけでも迫力ありますね。切れ味だけでなく霊力も宿っていそうでかっこいい。かつては魔物を封印した四家ですが、これから何を相手に戦うのか興味津々です。

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