いつかきっと

八野なな

読切(脚本)

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〇川沿いの公園
かな「あっ、こっちこっち! 今日もお疲れ様」
かな「別に待ってないよ。 私もさっき来たばかりだしさ!」
かな「それより、ごめんね。 急に連絡したりして・・・・・・」
かな「えっ? いつもの事だから気にするなって? ひどいな!そんな風に思ってた訳?」
かな「・・・・・・はいはい!そういう事にしといてあげる。 でも、いつも来てくれてありがとうね!」
かな「えっ?仕事で何かあったのかって? 別に今日は何もないよ」
かな「そんないつも失敗ばかりしないって! 落ち込んでいる様には見えないでしょ? まったく、もう・・・・・・」
かな「今日は本当に何もないよ。 仕事が終わって、このまま家に帰るのもつまらないなって思ってさ」
かな「それで連絡したの。 いつも会ってるあなたに、ね」
かな「だから、仕事で失敗したとか落ち込んでるとかじゃないの。 ごめんね、励ましてくれる気満々だった?」
かな「何もないなら良かったって・・・・・・。 うん、ありがとう」
かな「あなたも、今日は元気そうだね」
かな「いつも呼び出すのは私からだけじゃないでしょ?」
かな「ふふ。ごめん、ごめん」
かな「それにしても、こうして会って話せるっていいね。 同級生が偶然近くの会社で働いてくれてるお陰だね!」
かな「あなたもそう思う? ・・・・・・だよね!」
かな「他の同級生とはもちろん連絡を取り合うけど、会いたい時に会うのは・・・・・・ね」
かな「その点、あなたとは距離が近いから・・・・・・働いてる会社が近いから、会える機会が多くていいなって」
かな「本当にそう思うんだ」
かな「確かにそう思う・・・・・・ そっか。あなたもそう思ってくれてるんだ」
かな「うん?いや、同じ気持ちで嬉しいなって」
かな「本当に・・・・・・そう思うよ」
かな「・・・・・・ふふ、何か変な感じになっちゃったね」
かな「何を話そうか忘れちゃったよ」
かな「あっ!そういえば、夕飯はもうたべた?・・・・・・って、食べてないよね。 早めに呼び出しちゃったし・・・・・・」
かな「良かったら・・・・・・その・・・・・・何処かでご飯食べて行かない? 私、今日お昼食べ損なってさ。お腹空いてるんだよね」
かな「・・・・・・良い?本当?ありがとう。 じゃあ、行こう!」
かな「何処か良いお店知ってるかな? あなたのお気に入りの所があれば行きたいな!」
かな「・・・・・・うん、良いよ!じゃあ、そこに行こう。 (ありがとう、ね)」

〇駅前広場
かな「今日は本当にありがとうね!」
かな「駅迄送ってくれてありがとう。 じゃあ、また・・・・・・ね」
かな「・・・・・・」
かな「(本当は今日こそ自分の気持ち・・・・・・伝えたかったんだけどな)」
かな「(今度会った時は絶対伝えたい・・・・・・ ううん、伝えよう!)」
かな「あなたの事が好きだって」

コメント

  • この関係性、この距離感、とっても素敵です!
    よく会う”友人”としての寛いだ空気感に、かなさんの少しの緊張や決心がスパイスになって、ドキドキしてしまいました!

  • お昼ご飯食べ損ねたのではなくて、こうして夜ご飯に誘う口実のために頑張って抜いたのかなあ?とか想像してしまいました☺️
    好きな人と会う楽しみがあったら仕事も頑張れますよね😆

  • かなの動きが全く無いだけに、セリフに合わせて細かく変化する表情に引き込まれました。一人語りは客観的に見れば狂気に満ちているけれど、彼女の心情を思うと物悲しいような切ないような、何とも言えない気持ちになりました。

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