時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第10話「4度目の正直」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

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〇実家の居間
坂野りせ「あかり──ああ、母親似の子が言ってました」
坂野りせ「手伝ってと言われたら突っぱねろ、と」
坂野 智治「えっ?」
坂野 智治「僕たちにくっついて欲しいんじゃないの?」
坂野りせ「これは推測ですが──」
坂野りせ「そんな男でいいんですか? 父さんは」
坂野 智治「そうだね」
坂野 智治「僕が間違ってたかも」
坂野 智治「いい子に育ってるみたいで、嬉しいよ」

〇体育館の裏
堀井 舞「なんか私、厳しかったのね〜」
坂野 れい子「おかげで成績は学年トップクラスだけどね〜」
坂野あかり「うわ、すごいね」
坂野あかり「同じ遺伝子とは思えない・・・・・・」
堀井 舞「あ、そろそろ昼休みが終わっちゃう」
堀井 舞「じゃあね」
坂野 れい子「なんか、ママじゃない舞さんと話せてよかった」
坂野あかり「うん、そうだね」
坂野あかり「でも、考えてたこととはいえ」
坂野あかり「約束とかなにもないんだよね」
坂野 れい子「そうね」
坂野 れい子「りさと父さんを信じるしかないわ」

〇階段の踊り場
坂野りせ「やはりここでしたか」
坂野 智治「もちろん、約束は取り付けてないよね?」
坂野あかり「ええ、父さんのためにね」
坂野 れい子「頑張って、パパ」
坂野 智治「おう!」
坂野 智治「君たちの未来のためにもね」

〇学校脇の道
堀井 舞「はぁ」
堀井 舞「ほんとに来るかしらね〜」
堀井 舞「あの人」
坂野 智治「堀井さん!」
堀井 舞(来たわね)
堀井 舞「これ以上、何か言うことがあるの?」
坂野 智治「堀井さん、ここじゃなんですから展望公園に行きませんか?」

〇山の中
坂野 れい子「ほんとに来るかしら・・・・・・?」
坂野りせ「さあ、」
坂野りせ「どうでしょうねえ」
坂野あかり「ここまではうまくいったみたいよ」

〇見晴らしのいい公園
坂野 智治「なんだか、忙しい三日間だったね」
堀井 舞「ええ、そうねぇ」
堀井 舞「あなたは、あの子たちの話、信じたの?」
坂野 智治「そうだね」
坂野 智治「信じない理由はないってくらいかな」
坂野 智治「想像を超えてるって以外」
堀井 舞「そうかしら?」
堀井 舞「そうそう硬貨を加工できないわよ」
坂野 智治「意外だね、君は信じるんだ」
堀井 舞「信じない理由はないってくらいにはね」
坂野 智治「でさ、どう思う」
坂野 智治「あの子たちのこと」
堀井 舞「みんな、いい子だったわ」
堀井 舞「あかりは私みたいに芯が強いし」
堀井 舞「れい子は努力家」
坂野 智治「りせはああ見えてよく気がつく」
堀井 舞「ほんとに?」
坂野 智治「ああ、ほんとさ」
堀井 舞「な〜んか、親心過ぎない?」
堀井 舞「もっと恋人らしいことしよ」
坂野 智治「そ、そうだね」
坂野 智治「例えば──告白とか?」
堀井 舞「いいわね」
堀井 舞「──そこにいるんでしょ?」
堀井 舞「出てきなさい!」
堀井 舞「撮って、一生で一度の機会なんだから」
坂野あかり「うん」
坂野 れい子「わかった」
坂野りせ「行きますよ〜」
坂野 智治「堀井さん」
堀井 舞「──」
坂野 智治「付き合ってください!」
堀井 舞「──はい」
坂野 智治「・・・・・・やった!」
坂野 智治「そうだ」
坂野 智治「君たちはいつ頃の未来から来たんだい?」
堀井 舞「そうね、帰ったらお出迎えしないと」
堀井 舞「このまま順調にいけば、だけど」
坂野 智治「不穏なこと言うなよ・・・・・・」

〇山の中
坂野あかり「大変、雲が相当小さくなってる!」
坂野りせ「指数関数的な動きですね」
坂野 れい子「たしかに、りせ、その通りね!」
坂野あかり「難しいこと言ってないで急ぐよ!」

次のエピソード:最終話「時間線を超えた親子」

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