時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第4話「SFファンの覚悟」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

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〇シックな玄関
坂野 舞「あら、そのリュックどうしたの?」
坂野りせ「──劇で使う」
坂野 舞「そう、頑張ってね、いってらっしゃい」
坂野りせ「いってきます」
坂野あかり「いってき・・・・・・お世話になりました」
坂野 舞「また来てね」
坂野 舞「あかりちゃん」

〇ゆるやかな坂道
坂野りせ「まずは旅支度に商店街へ行きましょう」
坂野りせ「なにか、好みとかありますか?」
坂野あかり「旅支度って、そもそもなにするつもりよ?」
坂野りせ「どれだけ時間がかかるか分かりません」
坂野りせ「ですので、食料など買い込んでおかないと」
坂野あかり「わたしの話、本当に信じてくれてんの?」
坂野りせ「それを知るために行動しています」
坂野りせ「ただ、可能性はあるかと」
坂野あかり「はぁ?」
坂野あかり「・・・・・・どっちよ?」
坂野りせ「十分な理由では?」
坂野あかり「そうかな〜?」

〇商店街
坂野りせ「この商店街は十数年前にもありました」
坂野りせ「ですので、時間旅行前の買い出しにはちょうどいい」
坂野りせ「──はずです」
坂野あかり「ここかぁ、久しぶりに来た」
坂野あかり「駄菓子屋のおばさんと仲良くてね」
坂野りせ「じゃあ・・・・・・やめておきましょうか」
坂野あかり「えっ、ああ、そっか・・・・・・」
坂野あかり「ほかにも、仲良かった人、多いんだよね」
坂野あかり「あの弁当屋の子とはよく遊んでたし」
坂野りせ「どうしますか? 別の場所にしましょうか?」
坂野あかり「いや、ここにしよ」
坂野あかり「久しぶりすぎて、誰も覚えてないでしょ」
坂野あかり「・・・・・・ってことにする」
坂野りせ「新鮮な気持ちで楽しみましょう」
坂野りせ「私は滅多に来てないですし、知り合いもいないので」
坂野あかり「それとは違う」
坂野りせ「気休めです」

〇商店街
坂野りせ「とりあえず、昼を食べてから行きましょう」
坂野りせ「どれにします?」
坂野あかり「う〜ん、カツサンド」
坂野りせ「私は幕の内ですね」
坂野あかり「あっ、ぴーぴーラムネ!」
坂野りせ「好きなんですか?」
坂野あかり「うん、面白いじゃん?」
坂野りせ「奇遇ですね、私もです」

〇商店街
坂野りせ「じゃあ、最後はコンビニで仕上げますか」
坂野あかり「な〜んか、味気ないね」
坂野りせ「でも、大抵のものは揃います」

〇コンビニのレジ
坂野あかり「あっ、電子マネーで」
坂野あかり「ここは払うわ、わたしの為なんだし」
坂野あかり「あれ? チャージはしてるんだけどな」
坂野りせ「こほん」
坂野りせ「電子マネーで」
坂野あかり(ああ、そっか・・・・・・)
坂野あかり(って、りせの残金!)

〇公園のベンチ
「いただきます」
坂野あかり「ねえ、ちょっと気になったんだけど──」
坂野あかり「チャージ全額使ったの?」
坂野りせ「はむっ、そうですよ」
坂野りせ「計算しました」
坂野あかり「わたしの為に、どうしてそこまで?」
坂野りせ「SFファンですから」
坂野りせ「時空を元に戻せるチャンスは見逃せない」
坂野りせ「それと時空が戻ればゼロになりますし」
坂野あかり「ほんとに、それだけ?」
坂野りせ「純粋に面白くもあります」
坂野りせ「時間の不思議を体験できるなら」
坂野あかり「りせ、無理しなくていいからね?」
坂野りせ「あかりさん、あなたが連れて行かないって言っても」
坂野りせ「私は行きますよ?」
坂野りせ「私はあなたのために行くのではなく」
坂野りせ「私自身のために行くんですからね?」
坂野あかり「わかった」
坂野あかり「そういえば、りせ、タメでしょ?」
坂野あかり「あかりでいいし、敬語も要らない」
坂野りせ「・・・・・・なんとかする、あかり」
坂野あかり「・・・・・・無理しなくていいからね?」

〇大樹の下
坂野りせ「ずいぶん奥でしたね、あかり」
坂野りせ「これが時空の穴ですか」
坂野あかり「たぶん?」
坂野りせ「実際にあると思うと心が躍りますね」
坂野あかり「まあ、このせいで大変な目に遭ってるんだけど」
坂野りせ「そうでした、これは失礼」
坂野りせ「じゃあ、さっそく」
坂野あかり「待って」
坂野あかり「私が先に行く、向こうは空中だから」
坂野りせ「ほう、わかりました」
坂野りせ「入って、いいんですよね?」
坂野りせ「入りますよ〜?」
坂野りせ「・・・・・・入ります!」

次のエピソード:第5話「探せ、出会え、説得せよ!」

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