時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第5話「探せ、出会え、説得せよ!」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

今すぐ読む

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇木の上
坂野あかり「よっ、と」
坂野りせ「ナイスキャッチ!」
坂野あかり「どうよ」
坂野あかり「でも、なんか・・・・・・重くない?」
坂野りせ「世界が戻ればチャラですし、緊急用に持ってきました」
坂野あかり「これ、父さんのパワースポット巡り用の小銭じゃない!」
坂野りせ「そちらにもありましたか!」
坂野りせ「やはり、姉妹ですね」
坂野あかり「はあ、向こうだったら返せって言うとこだった」

〇見晴らしのいい公園
坂野あかり「で、まずはなにするの?」
坂野りせ「そうですね」
坂野りせ「時間はさっき確認しましたし──」
坂野あかり「急に声かけられた人、びっくりしてたよ〜」
坂野りせ「情報は重要ですから」
坂野りせ「まずは父さんと母さん──智治と舞を探しましょう」
坂野あかり「了解!」
坂野りせ「ああ、ですが一つだけ注意点が」
坂野あかり「なに?」
坂野りせ「未来人であることは明かさないように」
坂野りせ「時間線を戻すのですから、影響は最小限にしたい」
坂野あかり「うん、わかった」
坂野りせ「この制服は二十年以上変わっていません」
坂野りせ「年齢的にも、学内へ潜入できるでしょう」
坂野りせ「しかし、時間的には手分けすべきでしょうね」
坂野あかり「昼休み中に終わらせたいね」
坂野りせ「私は舞を探します」
坂野りせ「旧姓は堀井だったはず」
坂野あかり「あぁ、確か告白の時、堀井さんって言われたわ」
坂野あかり「でも、なんでわたしが父さんの方?」
坂野りせ「面識があるでしょう?」
坂野りせ「話をしやすいのではないかと」
坂野あかり「まあ、そうかもね」
坂野あかり「めっちゃ気まずくなりそうだけど」
坂野りせ「私は私で初対面ですし・・・・・・こんな性格ですので」
坂野りせ「早めに終わったら加勢お願いします」
坂野あかり「わたしの負担、多くない?」
坂野りせ「友達多いんでしょう?」

〇学校の廊下
坂野あかり(はぁ、正直めっちゃ気が重い)
坂野あかり(人違いで告白してきた相手を探すとか・・・・・・)
坂野あかり(あの中庭の男子かな?)
坂野りせ「ああ、堀井舞さんって知ってますか?」
学生「舞ちゃん?」
学生「ちょうどそこにいるよ」
学生「舞〜!」
坂野りせ「・・・・・・人違いでは?」
学生「昨日、男子に振られたらしくて機嫌悪いのよ」
学生「まあ、そこの教室で待てばいいと思うわ」

〇中庭
坂野あかり(あの男子ね)
坂野あかり「あの、あなた昨日──」
坂野 智治「ほ、堀井さん!」
坂野 智治「き、昨日はすみませんでした!」
坂野あかり「また、間違えてる」
坂野 智治「えっ?」
坂野 智治「もしかして昨日、君と堀井さんを間違えて?」
坂野あかり「そう」
坂野あかり「おかげで大変だったんだから」
坂野 智治「ごめん」
坂野あかり「もういいの、終わったことよ」
坂野あかり「それより、もう一回チャレンジしてみたら?」
坂野 智治「いや、2回も間違えたんです」
坂野 智治「巡り会えない運命なんですよ・・・・・・」
坂野あかり(うわ、面倒くさいことになってる)

〇教室
坂野りせ「おお、いましたいました」
坂野りせ「さすが優等生、教室で予習とは」
坂野りせ「しかし、あかりはほんとに母親似ですねぇ」
坂野りせ「あの、堀井さんですね?」
堀井 舞「うん? そうだけど?」
坂野りせ「ああ、昼休み中に会えて良かった」
堀井 舞(なんか、めんどくさそうな人きた・・・・・・)
堀井 舞「いや、ちょっと、用事が──」
坂野りせ「すぐに済みます」
坂野りせ「もう一度、坂野くんに会ってもらえませんか?」
堀井 舞「あなた、坂野くんの回し者?」
坂野りせ「いや、回し者というわけでは──」
堀井 舞「私は約束すっぽかされたの」
堀井 舞「もう、いいの、終わったことよ」
堀井 舞「じゃ」
坂野りせ「やはり、私では無理でしたか・・・・・・」

〇学校の廊下
坂野あかり(あれじゃ説得できやしない)
坂野あかり(母さんは父さんのどこが良かったのよ・・・・・・)
「うぎゃっ!」
堀井 舞「ごめんなさ──」
「そっくり!」

〇中庭
坂野りせ「ふ〜む、これは難しいことになりましたね」
坂野りせ「どうすれば2人を引き合わせられるでしょうか?」
坂野あかり「りせ!」
坂野りせ「ああ、あかり」
坂野りせ「ずいぶん、嬉しそうですね?」
坂野あかり「うまくいった」
坂野りせ「え?」
坂野あかり「さっき母さんにあってさ」
坂野あかり「誤解が解けた」
坂野あかり「放課後、同じ時間に展望公園の同じ場所で、って」
坂野りせ「おお、それは!」
坂野りせ「私の采配ミスですね」
坂野あかり「いいじゃん、上手くいったんだし」
坂野あかり「あとは、父さんなんだけど・・・・・・」
坂野あかり「運命じゃないとかウダウダ」
坂野りせ「まあ、来るとわかればいけるでしょう」
坂野りせ「下校時間に待ち伏せますよ!」
教師「おいそこ! サボるなー!」
坂野りせ「逃げましょう!」

次のエピソード:第6話「告白大作戦」

ページTOPへ