時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第3話「なれそめ話」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

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〇おしゃれなリビングダイニング
坂野 智治「あかりさん見てると」
坂野 智治「高校の時のこと思い出すなぁ」
坂野 舞「あの告白事件のこと?」
坂野 智治「そう、それ ちょうど君たちくらいの歳の頃にな──」
坂野 舞「この人ったら、間違った子に告白しちゃったのよ?」
坂野 舞「信じられる?」
堀井 舞「はは、そんなの、信じられないですね・・・・・・」
坂野りせ「ま、父さんも緊張していたんでしょ?」
坂野 智治「ほんとに君にそっくりだったんだ」
坂野 舞「でも、同級生にそんな子いないかったでしょ?」
坂野 舞「でね、いまでも誰なのかわかってないの」
坂野 舞「ま、今となっては、この話がなかったら私たち、同窓会で話すらしてなかったかも」
坂野 智治「ま、なにが言いたいかっていうと」
坂野 智治「あかりさんは将来、美人になる」
坂野 智治「母さんの若い頃にそっくりだからな!」

〇本棚のある部屋
坂野りせ「あかりさん」
堀井 舞「・・・・・・なに?」
坂野りせ「もしかして告白されたのは」
坂野りせ「あなたでは?」
堀井 舞「・・・・・・は?」
坂野りせ「すみません、SF小説の読み過ぎです」
堀井 舞「──ちょっといい?」
堀井 舞「この写真見て」
坂野りせ「これは、雲みたいですね」
堀井 舞「これを抜けると、知らない公園でね」
堀井 舞「これ「明日ヶ丘展望公園」」
坂野りせ「明日ヶ丘――ちょっと待ってくださいね」
坂野りせ「「国体記念公園」はご存知で?」
堀井 舞「もちろん?」
堀井 舞「私、その国体出てたもん」
堀井 舞「あの公園だって言うの?」
坂野りせ「はい」
坂野りせ「国体に向けて大改修されたようですし、時期も合うかと」
堀井 舞「え、まじ?」
堀井 舞「この写真、国体記念公園で撮った」
坂野りせ「もう一つの出入り口ですか」
坂野りせ「つまり」
坂野りせ「地球上に固定された時空の穴であると?」
堀井 舞「私に聞かれてもわかるわけないでしょ?」
坂野りせ「ですね」
坂野りせ「これは面白いことになりましたよ」
堀井 舞「ちょっと? そのせいで私は「消えた」んだけど?」
坂野りせ「そうですね──」
坂野りせ「なぜ、あなたは存在するんでしょう?」
堀井 舞「いや、だから──」
坂野りせ「これは「親ごろしのパラドックス」──」
堀井 舞「ころしてない!」
坂野りせ「そうカリカリせず、ただの通称ですよ・・・・・・」
坂野りせ「言えるのは不可解な現象が起きている」
坂野りせ「かもしれないと言うこと」
堀井 舞「つまり、わたしは、いちゃいけないって言いたいんでしょ?」
坂野りせ「理論的には」
堀井 舞「はぁ!?」
坂野りせ「でも、いますので、理論が間違ってます」
堀井 舞「あんた、なにが言いたいのよ、さっぱりわかんないんだけど」
坂野りせ「もし、親ごろしの──」
堀井 舞「ころしてない」
坂野りせ「分かりました」
坂野りせ「もし・・・・・・「パラドックス」が起きていたら」
坂野りせ「私はそれを見過ごす気はありません」
堀井 舞「どうせ、興味深い現象、とか言うんでしょ?」
坂野りせ「私が改変された世界の住人ならば」
坂野りせ「SFファンとして」
坂野りせ「あなたの世界を取り戻します」
堀井 舞「・・・・・・えっ?」
堀井 舞「あんたは、どうすんのよ?」
堀井 舞「わたしみたいになんのよ?」
坂野りせ「そんなの気にしませんよ」
坂野りせ「正しい時間線に入る方が重要です」
堀井 舞「ほんとにそれでいいの?」
坂野りせ「いいから言ってるんです」
坂野りせ「そうと決まれば明日、」
坂野りせ「現時点から言ってですが」
坂野りせ「「国体記念公園」に行きましょう」
堀井 舞「う、うん」
堀井 舞「いいけど」
坂野りせ「ノリが悪いですよ? 友達多いんでしょ?」
堀井 舞「なんでその話?」
坂野りせ「ああ、ベッドは使ってください 今日は疲れたでしょう?」
坂野りせ「時間線を飛び越えたんですからね」
堀井 舞「あ、ありがと」
坂野りせ「ああ、寝巻きも要りますね、持ってきます」
堀井 舞「ほんとに、この子なに? まったく、訳わかんないんだけど・・・・・・」

次のエピソード:第4話「SFファンの覚悟」

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