アングラ☆リーガル

杜若ゆうき

エピソード4(脚本)

アングラ☆リーガル

杜若ゆうき

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〇個別オフィス
蛇淵雅子「ふ~ん、歳はけっこういってるけど・・・男ウケは良さそうだし、カネになりそうだ」
蛇淵雅子「まぁ、そうだね、18歳くらいでどう?」
松山紫苑「え?」
北澤瑛士「紫苑のプロフィール」
北澤瑛士「これから、干支、好きだったアイドルとか、歳にあわせて全部言えるようにしておいて」
松山紫苑「ええっ? そんな無茶な・・・」
蛇淵雅子「大丈夫よ。皆やってることだもの」
北澤瑛士「頑張って!」
蛇淵雅子「それで、コンセプトは決まってるの?」
北澤瑛士「思ったんですけど、病弱アイドルとかどうです?」
北澤瑛士「守ってあげたいの極み! です」
蛇淵雅子「病弱アイドル・・・?」
蛇淵雅子「お前が考えたのかい?」
北澤瑛士「はい! ・・・いえ、菜々美が」
蛇淵雅子「また菜々美が? 全く・・・」
蛇淵雅子「ちょっとはあんたも考えたらどうなのさ」
北澤瑛士「考えましたよ。一緒に」
蛇淵雅子「そうと決まったら急いで準備だよ!」
蛇淵雅子「ダンスに歌に、スパルタで叩き込むよ!」
蛇淵雅子「あとは菜々美が、このド素人を引っ張ってくれるでしょう」
松山紫苑「え? あ、ハイ!」

〇寂れた雑居ビル

〇稽古場
北澤瑛士「社長は乗り気だ。 デビュー曲だってもう出来た」
大野菜々美「はやっ!」
北澤瑛士「タイトルは『恋はモルヒネ☆魔法のエンドルフィン』」
北澤瑛士「略して『恋モル』!」
北澤瑛士「これで有名になって、メジャーデビューも夢じゃないよ!」
大野菜々美「悪くない」
松山紫苑「あの・・・私まだやるとは」
大野菜々美「えー! どうしても貴女がいいの! お願い・・・」
北澤瑛士「お願い!」
松山紫苑「ええええ!? 何で私!?」
松山紫苑「ま、まぁ良いですよ、ちょっとくらいなら」
大野菜々美「本当に? やったああ!」
北澤瑛士「よかった! ありがとう、紫苑!」
松山紫苑「あ、あの・・・前に事務所の前ですれ違いましたよね」
大野菜々美「・・・えと?」
北澤瑛士「あ、そうだ! 紫苑は眼鏡外そ」
大野菜々美「あー! その地味顔!」
松山紫苑「えっ?」
大野菜々美「思い出した。 男子トイレに入ろうとしてた人!」
松山紫苑「いや、あれはですね・・・」
大野菜々美「眼鏡無いと印象薄っ・・・」
松山紫苑「え!?」
北澤瑛士「大丈夫大丈夫!」
北澤瑛士「菜々美みたいなハーフ顔が好きな人も居れば、こういう純和風の顔が好きな人も居るから」
松山紫苑「そんなに笑わなくても」
大野菜々美「だって、改めて見ると本当に幸薄そうなんだもん」
松山紫苑「・・・菜々美さんは、一体なんで私が良いって言ってくれたんですか?」
大野菜々美「え? まあ、明らかにキャラ被らないし、直感とその場のノリ?」
松山紫苑「え? それだけ!?」
大野菜々美「まぁ・・・」
松山紫苑「あの、北澤さん、ちょっと・・・」

〇備品倉庫
松山紫苑「北澤さん、私やっぱりやめます」
松山紫苑「・・・何か嫌われてるみたいですし」
北澤瑛士「あー、菜々美はね、直感でモノを言っちゃうタイプというか、悪気は無いんだ」
松山紫苑「あれでですか?」
北澤瑛士「菜々美はね、自分や紫苑をアイドルとして、商品としてどう売り出すか、真剣に考えてるだけなんだ」
松山紫苑「ケンカ売られてるとしか思えないです」
北澤瑛士「正直というか真っすぐ過ぎるというか」

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