スクランブル交差点と言えば…(脚本)
〇渋谷のスクランブル交差点
東京都渋谷区──
ここに訪れた者は必ず足を踏み入れるだろう・・・
その名も・・・
──スクランブル交差点──
そこには毎日戦う双子がいた。
〇渋谷駅前
茜「よしっ!今日こそ行ける!」
茜「行くよ!ナツ!」
ナツ「うん・・・今日ならきっと・・・」
ナツ「行こう!茜!」
〇渋谷の雑踏
「あぁー・・・」
「ええええー・・・」
茜「ナツ?いる?」
茜「ナツ?」
ナツ「・・・・・・」
〇渋谷駅前
「ハァハァ・・・」
茜「くぅ〜・・・今日も無理だったか・・・」
──・・・
茜「さて、ナツはどこいったかな?」
ナツ「あーかーねぇーーー!!」
ナツ「やっぱり無理なんだよ!スクランブル交差点を二人で渡るのなんか!!」
茜「そんなわけないでしょ!!皆一緒にいる人と渡ってるっつーの!」
茜「私達だけだよ!?毎回一緒に渡れないの!」
ナツ「でもさ、毎日だよ!?毎日はぐれるんだよ!?」
茜「・・・・・・」
茜「魔物だ!」
茜「スクランブル交差点には魔物がいる!」
茜「私達はその魔物に引き離されてるんだよ!」
茜「これ以上あいつらの好きな様にはさせない・・・」
ナツ「ま・・・魔物!?」
茜「でも大丈夫!」
茜「明日はとっておきの策があるから!」
茜「私に任せてついてきてね♪」
ナツ(魔物・・・)
ナツ(魔物って・・・何・・・)
〇ハチ公前
──翌日──
〇ハチ公前
ナツ「ほぇー・・・」
ナツ「やっぱりお主は癒やされますなぁ・・・」
ナツ「かわいいねぇハチ公殿〜」
ポカッ
ナツ「いたーい」
茜「人がいいもん持ってきてんのにハチ公殿〜じゃないっつーの!」
ナツ「朝から思ってたけど何!?それ・・・」
茜「手錠♪」
ナツ「それは分かる・・・けど・・・」
茜「今日はこちらをつけてスクランブル交差点を渡ってみようと思いまーす♪」
茜「魔物の野郎これだけやればさすがに邪魔できないでしょ」
ナツ(だから昨日から魔物って・・・)
〇渋谷駅前
カチャッ──
茜「装着完了!行くよナツ!」
ナツ「よし!行こう!」
〇渋谷の雑踏
「もう少しー!」
茜「ちゃんとついてきてる?」
茜「!?!?!?」
茜「!!!!!!!!!?!?!?!?」
・・・カラッ
茜「な、何でいない?!」
〇一戸建て
〇女の子の二人部屋
ナツ「茜〜」
ナツ「ごめんって・・・ 急に外れたんだよぉ」
茜「・・・」
茜「やっぱり魔物のせいだよ!」
茜「おかしいもん! 手錠が外れるわけないよ!」
茜「あんなにしっかりつけたのに・・・」
ナツ「明日!」
ナツ「また明日頑張ろう!?」
茜「だね!明日学校は休みだけど・・・行こう!」
茜「打倒!魔王っ!」
ナツ(茜のこの中二病なところ・・・直らないんだよなぁ・・・)
────・・・
茜「何か今言った?」
ナツ「言ってない!お、おやすみ!」
〇渋谷駅前
茜「今日はまた一段と賑やかだねぇ」
ナツ「THE☆休み!って感じだね!」
茜「よっし!行こう! 今日こそはぐれないよー!!?」
ナツ「任せて!!行こー!」
〇渋谷の雑踏
・・・・・・
・・・・・・・・・
「なんでまたいないのー!!!?」
〇渋谷駅前
男(あの姉妹・・・今日もはぐれたな)
男(二人とも気づいてないけど・・・)
男(ショートの子の方が歩いてる最中に大型ビジョンの映像見てボーッとしてるから毎回はぐれるんだよな・・・)
男「まっ・・・」
男「教えてあげないけどね」
〇渋谷駅前
ナツ「茜ー!ごめんってー!」
茜「もぉぉぉ!魔王出てこーい!!」
・・・・・・
二人の戦いはまだまだ続く。
茜「魔王ー!!!」
──おわり──
読みやすく、気づいたら最後まで連れていってもらってました。読んでみろ的なオーラを感じることもなく、読めたことに感謝。
魔物のせいではなかったんですね…。
天然なのかな…、毎回大型ビジョンを見てしまう…、毎回毎回…天然というより…アレな子なのか?!笑
かわいい〜!二人ともかわいいです。人混みをはぐれずに歩くのは技術がいりますよね…。いつか二人が大人になったら、スクランブル交差点も渡れるようになって心の中の魔王もいなくなっちゃうのかなって勝手に寂しくなりました笑
アクティブな茜ちゃんの立ち絵がロングヘア、おっとりしたナツちゃんの立ち絵がショートヘアなのも好みでした。