アングラ☆リーガル

杜若ゆうき

エピソード2(脚本)

アングラ☆リーガル

杜若ゆうき

今すぐ読む

アングラ☆リーガル
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇マンションの入り口

〇ファンシーな部屋
松山紫苑「・・・・・・」
松山紫苑「C判定か・・・」
松山百合江「紫苑ちゃん、お勉強捗ってる?」
松山百合江「あら、あなた眼鏡は?」
松山紫苑「学校に忘れて来ちゃった」
松山百合江「あら、紫苑は本当にぬけてるわね」
松山紫苑「・・・・・・」
松山百合江「それより、中原さん家の真由子ちゃん、予備試験受かったらしいじゃない!」
松山紫苑「え!」
松山紫苑「へー・・・」
松山百合江「あら? 知らなかったの?」
松山紫苑「別に、そ、そんな仲良くは無いし」
松山百合江「小学生の頃はあんなに仲良かったのに・・・?」
松山紫苑「・・・・・・」
松山百合江「でも大学院行かずにもう弁護士の道がが決まってるなんて、真由子ちゃんママ羨ましい~」
松山百合江「本当、親孝行よねぇ」
松山紫苑「まぁでも今の時代、なれれば良い訳じゃ無いし・・・」
松山紫苑「重要なのはどこに就職するか、でしょ」
松山百合江「外資系の事務所らしいわよ」
松山紫苑「ふーん・・・」
松山紫苑「あの、例えば、例えばの話だけどさ。 ちょっとくらい成績悪くても、私の就職ってパパのコネでどうにかなったりしない?」
松山百合江「勘弁してちょうだい! 大学院に入る前からそんなこと言うなんて!」
松山紫苑「あ・・・ご、ごめんなさい」
松山百合江「あなたはいつもそう。 ママやパパが居ないと、一人じゃ何一つ出来ないんだから」
松山紫苑「うっ・・・」
松山百合江「どうせ真由子ちゃんだって、ダメな貴方と仲良くしても何のメリットも無いから友達やめたんでしょ?」
松山紫苑「えっ!?」
松山百合江「出来損ないで、誰からも必要とされなくて・・・はあ」
松山百合江「貴女の存在意義って何?」
松山紫苑「・・・・・・」

〇ファンシーな部屋
松山紫苑「・・・はあ」
  紫苑は思い出したように鞄をあさる。
  『株式会社ふぁんしいぱれっと 北澤瑛士(きたざわえいじ)』
松山紫苑「あの人・・・」

〇繁華街の大通り
北澤瑛士「皆が君の笑顔を求めて劇場に来てくれるんだ」
北澤瑛士「気持ちいいぞ~」

〇ファンシーな部屋
松山紫苑「・・・・・・」
松山紫苑「眼鏡を返してもらうだけだし・・・」

〇寂れた雑居ビル
松山紫苑「・・・この汚いビルが事務所?」

〇雑居ビルの入口
松山紫苑「やっぱり怪しいスカウトかな・・・。 私、バカみたい」
松山紫苑「あれ? 出口どこだっけ?」
大野菜々美「うふふ、男子トイレの前で何してるの?」
松山紫苑「あ、いや、別に」
大野菜々美「そう? ・・・じゃ!」
松山紫苑「・・・むむむ? 今のは未成年では?」

〇雑居ビルの一室(看板あり)
松山紫苑(見つけた! ここが事務所か・・・)
  紫苑が聞き耳をたてると、事務所の中から会話する声が聞こえる。
「ええっ! そんなこと出来ません!」
松山紫苑「?」
「どんどん過激になってるじゃないですか! そんなの、恥ずかしい」
「恥ずかしいって思うから出来ないんだ。 大丈夫、大丈夫だから。 じゃあちょっと脱いでみて」
松山紫苑(え? 脱ぐってまさか! 中で一体何を?)
中国人「あっ! オマエ、ナニシテルか?」
松山紫苑「わ! いや・・・別に」
中国人「シラジラしいネ」
中国人「服装、地味。 明らかニあの事務所に用ある人、違うネ」
中国人「私服でハリコミか?」
松山紫苑「私服? ハリコミ?」
中国人「ウチの店のコ、ミンナ、ビザアル。 ナンド来タラワカル?」
中国人「人権侵害、不法侵入! 今日トイウ今日ハユルセナイ!」
松山紫苑「え? 何!? 私警察じゃ」
中国人「オーナー! フクメンキタよ! オーナー!」
オーナー「ほう、今日はお姉ちゃんだけか」
オーナー「一人で乗り込んでくるなんて、良い度胸してるねぇ」
松山紫苑「ひぇ! 私本当に違うんです!」
オーナー「じゃあ、狙いは・・・俺か?」
  強面のオーナーは、内ポケットに手を忍ばせて黒い鉄の塊を掴む。
松山紫苑「まままままさか!! そそそそれ、しまって下さい!」
オーナー「じゃあ何でここに居る?」
松山紫苑「いや、それは・・・えと・・・」
オーナー「話は事務所で聞こう」
  紫苑の細い腕をオーナーが掴む。
松山紫苑「わっ!? 放して下さい」
オーナー「黙って来い!」
松山紫苑「でも、本当に誤解なんで!」
北澤瑛士「あのー、今から音使うんで静かに・・・」
北澤瑛士「あ! この前の女の子!」
オーナー「早く来い!」
北澤瑛士「あれ? ウチに来てくれたんじゃないの?」
オーナー「何だお前は? 知り合いか?」
松山紫苑「あ・・・えと・・・そうなんです!」
松山紫苑「私、オーディション受けに来ました!」

次のエピソード:エピソード3

成分キーワード

ページTOPへ