私の学校には主人公がいる

檸檬桃緑茶

1-2.告白(6/4②)(脚本)

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〇教室
  お昼休み──
  体調不良で教室を飛び出した彼らは、
  何事もなく戻ってきた。
火神 竜也「よ!冴夜! 一緒にご飯食べようぜ!」
王滝 冴夜「・・・体調はもういいの??」
火神 竜也「え? あー。うん! も、もう全然大丈夫!」
王滝 冴夜「そう・・・ ならご飯食べましょう!!」
火神 竜也「お!おう!! 今日は屋上で食べようぜ!」
王滝 冴夜「そうね。そうしましょう!」
  そういって席から立つと・・・
  先ほど竜也と一緒に戻ってきた瑠花と玲奈もついてきた。
天水 瑠花「今日もご一緒してもいいかしら?」
  瑠花は、
  それはもう冴夜に対して敵対心バリバリな様子で話しかけてきた。
宇土 玲奈「わ、私もご一緒してもいいですか?」
  玲奈も、
  オドオドしながらも竜也と一緒に居たいらしく、頑張って話しかけてきた。
  二人とも・・・
  
  竜也のことが相当好きなのであろう。
王滝 冴夜「もちろんよ。 皆で食べましょう!」
火神 竜也「だよな! 皆でたべよぉぜ!風野もどーだ?」
風野 貴斗「はぁ?なんで俺が──」
王滝 冴夜「風野くんも一緒にどうですか??」
風野 貴斗「・・・・・・」
風野 貴斗「・・・い、いいだろう」
火神 竜也「・・・・・・」

〇学校の屋上
  屋上──
  よく天気の良い日は屋上でご飯を食べている。
  今日は天気がよく、
  気持ちいい風を受けながら屋上でご飯を食べていた。
  そして、冴夜以外のメンバーたちは、
  冴夜の分からない話をしていた。
王滝 冴夜「・・・」
  以前までの冴夜はこんな会話に入れず・・・
  
  それだけで落ち込んでいた・・・
  でも前世の記憶を思い出した今は──
  彼らの行動や言葉にも全く興味がなかった。
  だが──
  
  聞こえてくる内容は自然と耳に入ってくる。
火神 竜也「くそー。 今日のやつ強かったな。 魔力無くなりかけたぜ!!」
天水 瑠花「全く!! 相変わらず竜也はそそっかしいんだから!!!!」
天水 瑠花「私と玲奈がいなかったらやられてたじゃない!!」
宇土 玲奈「り、竜也さんはお強いですが油断は禁物です!!」
風野 貴斗「お前らは計画性がないからいつもギリギリなんだよ!!!!」
風野 貴斗「ちゃんと考えながら戦えよ!!」
王滝 冴夜「・・・・・・・・・」
王滝 冴夜(やっぱり風野も仲間かぁ・・・)
  これまでの私『冴夜』がずっと感じてたこの感情は、
  
  『疎外感』・・・
  前世の記憶を思い出した今ではある程度のことは理解できるが・・・
  それでも、これまで・・・
  
  この時間は苦痛だった。
  まぁ・・・。
  今、詳しく聞こうとしても、
  竜也たちは教えてくれないだろうな・・・
  これまでがそうだったから・・・
  というより、
  
  この4人はこんなところで話して良いのだろうか?
  どう考えても一般人からしてみたら厨二病の会話なのだ。
  と、一人現実逃避しているときだった。
火神 竜也「・・・ あー。冴夜!!」
王滝 冴夜「・・・なに?竜也??」
火神 竜也「・・・今度の土曜日、2人でどっか出かけないか?」
  すると・・・
  玲奈と瑠花から鋭い視線を感じる。
  だが、それに怯む冴夜ではないのだ。
王滝 冴夜「特に予定は無いけど・・・。 どこに行くの?」
火神 竜也「え、えっと・・・・ そうだな。 映画に・・・・・・行かないか?」
王滝 冴夜「映画???」
火神 竜也「お、お前と見たいんだ!!」
  その瞬間・・・
  玲奈と瑠花からさらに鋭い視線を感じた。
王滝 冴夜「うーん・・・ いいよ! 見たい映画もあったし・・・ 私の見たいのでもいい?」
火神 竜也「お、おおう!!!! もちろんだ!!」
  異性としての竜也のことはすでに無しになったが・・・
  幼馴染として、映画に行くことはやぶさかでは無かった。

〇教室
  放課後──
火神 竜也「冴夜!帰ろうぜ!」
王滝 冴夜「あ、ごめんなさい。 今日は生徒会なの・・・」
火神 竜也「最近生徒会ばっかで全然一緒に帰れないじゃねぇーかー!」
王滝 冴夜「・・・ごめんね! 遅くなると思うから、先に帰っていいわよ!!」
火神 竜也「いや、待──」
天水 瑠花「なら、私たちと帰りましょう!」
宇土 玲奈「そうですよ!!」
火神 竜也「そ、そうか? じ、じゃー先に帰るな!あとでまた連絡する!」
王滝 冴夜「はぁい!じゃぁね~!」
  そうして冴夜は生徒会へと向かうのだった。

〇生徒会室
  生徒会室──
王滝 冴夜「碓氷先輩。 資料作成おわりました!!」
碓氷 淳「ありがとう!!」
  冴夜のまとめた資料を生徒会長である碓氷と呼ばれた男性が受取る。
  そして・・・
  
  その中身を確認していく──
  【碓氷 淳《うすい あつし》】
  階段で足を踏み外したとき、
  冴夜を助けてくれた先輩である。
  冷静沈着で感情を見せず、
  言葉も厳しめのため、周りには怖がられているが・・・
  めちゃくちゃイケメンである。
  そして、助けてくれた時に少しだけ触れた碓氷の体は・・・
  イイ感じに鍛え上げられていた。
  少しミステリアスな雰囲気もあり、
  実は非公式のファンクラブもあるらしい。
  そんな冴夜も前世──!!
  碓氷の声や色気、その存在全てが尊く──
  推しとして崇めていた。
  そんな目の前の男性である碓氷は──
  実は物語の登場人物であり、氷を操る実力者だ。
  だが・・・
  竜也たちに冴夜が討伐されたことにより・・・
  主人公たちを恨んで世界を滅ぼそうとする・・・

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