SAKIMORI ~family days~

逆境 燃

泣いた鬼と大泥棒(脚本)

SAKIMORI ~family days~

逆境 燃

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〇地下に続く階段
  俺の名前はエイジ
  公安警察
  極秘特殊部隊『サキモリ』の一員として
  日夜、国家のために戦っている

〇黒
  だが、そんな俺にだって―

〇教室
ミサワ先生「はーい! この問題解ける人!?」
ショウタ「ハイ!!」
ミサワ先生「はい!ショウタくん!」
ショウタ「答えは10です!」
ミサワ先生「正解!良くできました~!」
ショウタ「へへ~!」
  ―家族との時間は必要だ。

〇教室
ユウコ「授業参観、来てよかったでしょ?」
エイジ「うん」
エイジ(家族にも内緒な仕事のせいで)
エイジ(ろくに一緒にいられなかったけど)
エイジ(ショウタが)
エイジ(あの小さかったショウタが)
ショウタ「ハイハイハイ!」
エイジ(立派になって!)
エイジ「うぐぅっ!」
ユウコ「ちょっ!あなた!」
エイジ「す、すまん」
エイジ「目にゴミが」
エイジ「ちょっとトイレ行ってくる!」
ユウコ「早く戻って来てよ!」
エイジ「うん!」

〇学校の廊下
エイジ(クソッ!)
エイジ(このままじゃ涙腺が持たん!)
エイジ(一回、外の空気でも吸って 落ち着かないと!)

〇教室の外
エイジ「すぅ~」
エイジ「はぁあ~」
エイジ「・・・」
エイジ(俺も年取ったなぁ)
エイジ(まさか息子の成長した姿を見ただけで―)

〇教室

〇教室の外
「うぐぅ!」
エイジ「ん?」
ヤス「おうぇぐゅう!」
エイジ(め、めっちゃ号泣してる!?)
エイジ(どうしたんだあの人!?)
エイジ「あの!大丈夫ですか!?」
ヤス「うえっだい、じよう」
ヤス「ぐぅえ」
エイジ「マスク取ってください、マスク!」
エイジ「窒息しますよ!」
エイジ「ほら顔も拭いて!」
ヤス「おうえ!」
エイジ「・・・」
エイジ「!?」

〇諜報機関
  ヤス・ネンテンバーグ
  先日、密入国したとされる
  超A級・国際指名手配犯だ
  最高最悪とも言われる大泥棒だな
  金持ちの後ろめたい
  財宝ばかりを狙い
  手に入れた金を貧民にばら撒くから
  一部じゃ義賊なんて言われちゃいるが
  我々には関係ない。
  見つけ次第、縛り上げるぞ
エイジ「了解」

〇教室の外
エイジ(ヤス!?)
エイジ(ヤス・ネンテンバーグ!?)
エイジ(馬鹿な!?)
エイジ(何故こいつがここに!?)
ヤス「あ~」
エイジ「ッ!」
ヤス「ご親切にど―」
ヤス「あ、あんた!?」
  シュバッ!
ヤス「ッ!」
エイジ「黙れ」
ヤス「―」
エイジ「俺が誰か分かるか?」
ヤス「・・・」
ヤス「『サキモリの鬼』」
エイジ「情報通だな」
エイジ「顔は割れてないと思っていたが」
ヤス「仕事柄、どうしてもね」
エイジ「フン」
エイジ「貴様、何故ここにいる?」
ヤス「へへへっ」
エイジ「答えろ」
ヤス「・・・」
ヤス「こ」
ヤス「この学校に」
ヤス「昔の女の連れ子が通ってる」
ヤス「今日は授業参観に来たんだ」
エイジ「授業参観?」
エイジ「お前が?何故?」
ヤス「その女が死んでね」
エイジ「!」
ヤス「子供の方は今、施設に住んでんだが」
ヤス「俺が資金援助してんだ」
ヤス「そんで先日『もしも』の時の 通信機を使われて」
ヤス「『授業参観』に来てくれと頼まれた」
ヤス「だもんで、仕方なくここまで来た」
ヤス「こんな風に気軽に使われちゃ困るから」
ヤス「通信機を取り上げるついでにね」
エイジ「・・・」
ヤス「だがよ」
ヤス「久しぶりに会ってみたらよ」
ヤス「あの子」
ヤス「メチャクチャいい子に 育っててよぉ!」
エイジ「!?」
ヤス「授業聞いてる姿見たら」
ヤス「なんか止まんなくてよぉ!」
エイジ「─」
エイジ(分かる)
ヤス「話すのもやっとだったあの子が!」
ヤス「先生の話まじめに聞いて!」
ヤス「教科書読んで!ノート取ってて!」
ヤス「それ見てたら涙腺がよぉ!!」
エイジ(それな~)
ヤス「そんで隣の子とちょっと目配せして」
ヤス「ひそかに笑ったりしてよ!」
ヤス「一人の人間に成長したんだなって思ったら」
ヤス「なんか込み上げて来ちまってよぉ!!」
エイジ(分かりすぎるぅ)
「あぐぅ ぐえっうえっ!」
  キーンコー
「ハッ!」
ヤス「あ」
ヤス「あんた」
ヤス「泣いてんのかい?」
エイジ「!」
ヤス「鬼の目にも涙」
ヤス「いや」
ヤス「親の目にも涙って所か?」
エイジ「・・・」
ヤス「なぁ『サキモリの鬼』さんよぉ」
ヤス「一つお願いがあるんだがね」
エイジ「・・・」
ヤス「見逃してくれ」
エイジ「──」
ヤス「今日の俺は大泥棒の 『ヤス・ネンテンバーグ』じゃねぇ」
ヤス「あの子の『ヤスおじさん』なんだ」
ヤス「頼む」
ヤス「見逃してくれ」
エイジ「・・・」

〇教室

〇教室の外
エイジ「・・・」
エイジ「俺は」
エイジ「今日の俺は」
エイジ「『サキモリ』でも」
エイジ「『鬼』でもない」
エイジ「ただの『父親』だ」
ヤス「!」
ヤス「あんた・・・」
ヤス「いや、ただの父親は ナイフなんか持ってねぇよ」
エイジ「鬼に戻ってもいいんだぞ?」
ヤス「オッケーお父さん」
ヤス「授業参観に戻ろう」

〇体育館の舞台
  体育館
ミサワ先生「はーい!」
ミサワ先生「じゃあ次はクラス毎に レクリエーションをしますよ!」
ミサワ先生「皆で『フルーツバスケット』を しましょ~!」
ミサワ先生「生徒の皆は家族の方に」
ミサワ先生「昨日作ったフルーツの絵の冠を 渡してくださ~い!」
「は~い!!」
ショウタ「お父さん見て見て見て!」
ショウタ「リンゴォ!」
エイジ「お~良く出来てるじゃないか!」
エイジ「やるな、ショウタ!」
ショウタ「でしょ!!」
ヤス「・・・」
ヤス(隣のクラスか)
ヤス(注意不足だったな)
「あの」
エリ「ヤスおじさん」
ヤス「おっと」
ヤス「何ですかい?」
エリ「これ」
ヤス「おや、こりゃバナナで?」
ヤス「うめぇもんだ 良く描けてる」
エリ「頭に付けるの」
ヤス「ほう」
ヤス「こう、ですかい?」
エリ「うん!」
エリ「ほら見て!」
エリ「お揃い!」
ヤス「ありゃほんとだ」
ヤス「こりゃお揃いだ!」
エリ「えへへっ!」
エイジ「・・・」
ユウコ「なに見てるの?」
エイジ「あっ、いやちょっとね」
  ブルブルブル!
エイジ「っ!?」
エイジ(緊急通信!)
エイジ「すまんちょっとトイレ!」
ユウコ「え~またぁ?」
ショウタ「お父さ~ん?」
エイジ「ごめんショウタ!」
エイジ「ちょっとお母さんと遊んでてくれ」
エイジ「すまん!」

〇体育館の裏
エイジ「クソッ なんだってんだよ」
  ピッ
エイジ「俺だ」
  情報班、クロノです
エイジ「休暇中だぞ」
  知ってますけど
  こっちも仕事なので
エイジ「・・・」
エイジ「用件は?」
  外道組の構成員が
  武装して車で移動中です
エイジ「警察に通報しろ」
  してます
  でも、真っすぐ進んだら警察より
  そっちに着く方が早いんです
エイジ「こちらに向かってるのか?」
  方角的には
エイジ「狙いは?」
  不明です
  でも一応報告をと思いまして
エイジ「・・・」

〇校長室
  外道組
  武闘派として知られてる
  ヤクザ連中がなぜ・・・

〇体育館の裏
エイジ「・・・」
エイジ「!!」
エイジ(確か2年前 ヤスが連中の宝石を盗んだはず!?)
エイジ(狙いはヤスか!?)
エイジ(となると目的地は)

〇白い校舎
  この学校!?
  正気か!?

〇体育館の裏
エイジ「乗ってる人数と車の車種 それと連中の現在地を教えろ!」
  えっ?
エイジ「俺が片づける」
  でも休暇―
エイジ「休日出勤する!」
エイジ「いいから教えろ!」
  は
  はぁ
  情報送ります
  ピピッ
エイジ(20分)
エイジ(いや15分で片づければ言い訳できる)
エイジ(でもショウタとフルーツバスケット・・・)
エイジ(そもそもヤスのせいならあいつが―!)
「おじさんこっちだよ!」
エイジ「!」

〇体育館の舞台
ヤス「いやはや」
ヤス「こう言う遊びは久しぶり過ぎて」
ヤス「体が動くかどうか」
エリ「大丈夫!」
エリ「エリが隣で教えてあげるから!」
ヤス「ヘヘッ」
ヤス「頼みやすよ」

〇体育館の裏
エイジ「・・・」
  女の子にだって
  大泥棒にだって

〇体育館の舞台
  家族との時間は必要だ。

〇体育館の裏
エイジ「行くか」
エイジ「まずは変装だな」

〇体育館の舞台
ミサワ先生「は~い!」
ミサワ先生「それじゃ始めますよ~!」

〇車内
ヤクザA「おい、全然進まねーじゃねぇかよ」
ヤクザB「すいません」
ヤクザB「いや、信号が赤なんで」
ヤクザA「うるせぇ!口答えすんな!」
ヤクザB「は、はい!」

〇体育館の舞台
ミサワ先生「皆ルールは分かるね?」
ミサワ先生「鬼がフルーツの名前を言うから」
ミサワ先生「その絵を付けた人は立ち上がって 別の椅子に移動してくださーい!」
「はーい!!」

〇車内
  ガラッ。
エイジ「失礼」
「!?」
エイジ(6人)
エイジ(情報通り)
  バタン。カチャ。
ヤクザC「えっ?」
ヤクザD「あ、あんた誰」
エイジ「『鬼』だよ」
エイジ「お前らを食いに来た」
「はぁ!?」

〇体育館の舞台
ミサワ先生「それじゃ始めますよ~!」
ミサワ先生「最初は~」
ミサワ先生「リンゴ!」
ショウタ「わぁ~!」

〇車内
ヤクザC「テメェなめ―」
ヤクザC「ブギャッ!」
ヤクザA「!!」
ヤクザA「や、やれ!!」
ヤクザA「やっちまえ!」
エイジ「フッ!」

〇体育館の舞台
生徒A「パイナップル!」
「キャ~!」

〇車内

〇体育館の舞台
生徒D「バナナ!」
エリ「おじさん行くよ!」
ヤス「ヘヘヘッ!」

〇車内
エイジ「──!!」
「ヒッ!」

〇体育館の舞台
ヤス「ありゃ~ 鬼になっちまった」
ヤス「しょうがありやせんね」
ヤス「いっちょここは」
ヤス「フルーツバスケット!」
「わぁ~~!!」

〇車内
エイジ「シャッ!」
エイジ「フゥッ!」

〇体育館の舞台
エリ「あははっ!」
ヤス「ヘヘッ」
ヤス「ヘヘヘッ!」

〇車内
  ブロロ~
ヤクザA「ぅぅ」
ヤクザA「て、てめぇどこの組のもんだ?」
エイジ「・・・」
ヤクザA「へっ」
ヤクザA「どうせ極屯組のもんだろ?」
ヤクザA「どこでカチコミの情報聞いた?」
ヤクザA「どこの馬鹿が漏らしや―?」
エイジ「黙れ」
エイジ「・・・」
エイジ「極屯組?」
エイジ「・・・」
エイジ「・・・・・・」
エイジ「!!」
エイジ(や)
エイジ(やらかしたあ!!)
エイジ(そりゃそうだ!)
エイジ(大泥棒であるヤスの動きを)
エイジ(たかがヤクザが追えるはずない!)
エイジ(目的はアイツじゃなかったんだ!)
エイジ(別の組が目標で!)
エイジ(学校は通り道で!!)
エイジ(俺は完全に無駄骨!!)
エイジ「クソッ!」
エイジ「ちくしょう!」
エイジ「やっちまった!!」
  ブロロロッ!

〇入り組んだ路地裏
  キィッ!ガチャ!
クロノ「お疲れさ―」
エイジ「後は頼む!」
クロノ「え?」
エイジ「この着ぐるみも返しとけ!」
クロノ「えっ、いやこれどこの―」
エイジ「じゃあな!お疲れ!」
クロノ「あの」
クロノ「ええ~」

〇街中の道路
エイジ「ハァハァッ!」
エイジ(フルーツバスケット!)
エイジ(ショウタとフルーツバスケット!!)

〇白い校舎
エイジ(間に合え!)
エイジ「間に合ってくれフルーツ!」
エイジ「間に合ってくれバスケット!」
エイジ「頼むぅ!」

〇体育館の舞台
ミサワ先生「じゃあフルーツバスケットはここまでぇ!」
エイジ「フルスケットォ!!」
ユウコ「あっ あなた!」
ショウタ「パパッ!?」
ユウコ「どこ行ってたのよ!?」
エイジ「スケットぉ」
ショウタ「助っ人?なんの?」
エイジ「フットぉ」
ユウコ「フットボールの?」
ユウコ「何言ってんの??」
エリ「楽しかったね、おじさん!」
ヤス「ええ」
ヤス「久しぶりに燃えやした」
エイジ「!!」
エリ「おじさん」
エリ「次はいつ会える?」
ヤス「あ~」
ヤス「そうですねぇ」
エリ「・・・」
ヤス「・・・」
ヤス「しばらく日本で仕事するのも」
ヤス「悪くないかもしれやせんね」
エリ「ほんと!?」
エイジ「いや悪ぃよ!!」
ヤス「!?」
エイジ「お前!お前のせいで俺は!」
エイジ「俺の!俺のぉ!!」
エイジ「俺のフルスがぁ」
ヤス「な」
ヤス「なんのことですかい?」
ヤス「『仕事』関係ですかい?」
エイジ「違う」
エイジ「違うけど」
エイジ「俺が悪いんだけど」
エイジ「でもやっぱりお前のせいだぁ・・・」
ヤス「??」
エイジ「次はもう絶対助けてやらないからな!」
エイジ「覚悟しとけよ!」
ヤス「えぇ?」
エイジ「俺のフストぉお」

コメント

  • 公安×家族なんてどうなるんだろうと思いましたが、面白かったです😆ヤスとエイジがルパンと銭形みたいで。
    二人ともちゃんと「父親」で、二人の子供愛がすごく伝わってきて、コメディなはずなのに子供の成長に涙する男たちのシーンではうるっときちゃいました…🥹
    家族の時間って大事ですよね。改めて、家族を大切にしようって思えた作品でした(あれ、こんなはずじゃ…)

  • エイジがヤクザをボッコているシーンとヤスのノリノリのフルーツバスケット。同時進行の絵面の落差が素晴らしい。ヤスとエリの頭にバナナの画が可愛すぎたし、エイジの中でフルーツバスケットがゲシュタルト崩壊してフストになっていくのも面白すぎました。

  • 思わず「頑張れ!」と応援したくなるお父さん! クールなようで人情味もあるエイジ。とても好きなキャラです^^
    アクション多めの話になりそうなので、たしかにアニメにすると映えるシーンが多そうですね。実写でも面白くできそうな予感がします!

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