エピソード22(脚本)
〇高層ビルのエントランス
真田紅音「・・・はあ」
若山柿之介「紅音さ、おお、紅音さだべ!」
真田紅音「柿之介・・・」
若山柿之介「紅音さ、どうしただ? こんなとこに座り込んで」
真田紅音「なんでもない、少し休憩してただけだ。 柿之介は?」
若山柿之介「あ、紅音さ見てけろ」
真田紅音「すごい! どうやって・・・?」
若山柿之介「これだべ」
真田紅音「梅干しの・・・壺?」
〇お土産屋
競馬場で仲良くなっだ変な人が、なんか偉ぇひとだったみてーで
店員「え、オーナー、どうされたんですか?」
謎の老人「す、すぐに、すぐに彼をもてなすのだ」
店員「は?」
〇黒
そんで、おらのばっちゃに電話しで──
〇お土産屋
謎の老人「もしもし? ええ、そうです」
謎の老人「ぜひあの梅干しを、私どもの店に置きたいと考えていまして、ええ、ええ」
謎の老人が柿之介の方を見て話しかける。
謎の老人「きみ、きみのおばあさまは、きみがいいならうちにその梅干しを置いてもいいと言っているが」
若山柿之介「よぐわがんねけど、ばっちゃの梅干しをたくさんの人が食うのはうれしいだ」
若山柿之介「んだども、おらいま急いでっから、もう行っていいだか?」
謎の老人「百万かね?」
若山柿之介「んだ、16:00までに稼がなきゃなんねんだ」
謎の老人は店の奥に向かって大声をあげる。
謎の老人「すぐに百万を用意しなさい。手付金だ。 何としてもこの梅干しを逃さんように!」
若山柿之介「・・・?」
〇高層ビルのエントランス
若山柿之介「そんで、この通り、百万円を手に入れてきただ」
真田紅音「・・・そうか、よかったな」
若山柿之介「紅音さは?」
紅音は黙って首を横に振る。
若山柿之介「そうだべか・・・」
真田紅音「まあ、会社はエリートピアだけじゃないからな」
真田紅音「別に、どうしてもエリートピアじゃなきゃダメだというわけでもない」
真田紅音「どこに行ったところで、僕の能力は変わらないから」
真田紅音「きっとエリートピアは、他の会社で活躍する僕をみて、不採用にしたことを後悔するんじゃないかな」
若山柿之介「そうだべ、紅音さはほんとに優しくてすげぇ人だ、ぜってー大丈夫だ」
真田紅音「そうだな、優しくてすげえんだ、僕は」
真田紅音「ほら、もうあと2、3分しかない。行け」
若山柿之介「んだ、行ってくるだ」
真田紅音「・・・ッ」
〇おしゃれなリビングダイニング
真田紅音「お願いします、チャンスをください。どうか、百万円を貸してください」
真田博史「プライド無いのか、お前は」
真田雅美「そうやってテレビで恥をさらす前に、落選しておきなさい」
〇高層ビルのエントランス
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