Chart1-3.重さ(脚本)
〇殺風景な部屋
『ぜろぐらびっと伯爵』
右目は数字の0(ゼロ)で‥
左目はアルファベットの『g』を
モノクル風に模した、垂れ耳うさぎ
口は大文字の『A』みたく縦長に開いて、
ついクスッと笑える面白さがある
ファー「行ってくるね、ぜろぐらびっと」
私が生まれた時からずっと、
側に居てくれてたぬいぐるみ
いつかパパとママが言っていた‥
『国の偉い方が贈ってくださった』
『大切にしなさい』──と
〇黒
だったら、どうして
パパとママは
私を突き落としたの?
私は
いらない子だったの?
もう、私には
あの子しか、いない
〇近未来の闘技場
【2日目】
PiC:トレーニングルーム
トバリノ「おはよう」
トバリノ「朝食はきちんと食べたかい?」
ファー「はい!」
ファー「シーさんの料理、とっても美味しくて!」
トバリノ「だろ? 俺達管理者もイチオシなんだ!」
トバリノ「──元気出たみたいで、よかった」
ファー(頭、撫でられてる‥!)
トバリノ「君を心配しているのかも、ね」
ファー「リコさんが、私を?」
トバリノ「ああ」
トバリノ「君がサバイバルで生き残れるのかを、ね」
〇近未来の闘技場
トバリノ「さて、今日は "重さ"について学ぼうか」
トバリノ「対象の重量を調整する為の特訓をね」
ファー「調整、ですか?」
トバリノ「単に重くすれば良い訳じゃないからね」
トバリノ「力の加減を知る事が重要なんだ」
トバリノ「能力が強大であれば、尚更ね」
ファー「た、確かに!」
ファー(あのタワーを壊すほどのチカラ‥)
ファー(あの時、制御できていれば‥)
〇オレンジ(ライト)
〇基地の広場(瓦礫あり)
〇近未来の闘技場
ファー(パパとママも‥)
ファー(タワーに居た人たちも‥)
ファー(無事だったのかもしれない‥)
トバリノ「例えば、自転車に乗るような感覚だろうか」
トバリノ「スピードを加減しないと、 制御出来なくなるし‥」
トバリノ「強過ぎず、弱過ぎず‥ 感覚を掴んでいこう」
ファー(これ以上、 あんな被害を出さない為にも‥)
ファー「トバリノ先生、お願いします」
トバリノ「──いい心掛けだ」
必ず使い熟してみせるんだ
ファー「あぅ‥」
トバリノ「感じ取るんだ、力の度合いを」
トバリノ「何度もやって、加減を覚えていこう」
ファー「はいっ」
ファー(無重力と逆だから、余計に力んでしまう‥)
ファー(両手で支えないと‥!)
ファー(──両手で?)
ファー(そういえば私、 なんで両手を使っていたんだろう‥)
〇東京全景
オ チ ル の は
ファ ー を イ ジ メ ル
ワ ル イ や つ ら だ
〇近未来の闘技場
ファー(あの時、私は"どちらの手を向けた"?)
ファー(やっぱり‥!)
ファー(私の左手は──)
ファー("重力"を与える‥!)
ファー(そして──)
ファー(今度は右手で──)
ファー(間違いない‥)
ファー(右手は無重力、左手は重力‥)
ファー(そういう仕組みだったんだ‥!)
トバリノ「何か掴んだようだね」
トバリノ「さあ、どうする?」
ファー(右手で支えながら‥)
ファー(左手で‥!)
ファー(お願い、もう少し耐えて‥!)
ファー(なにが、起きた──)
ファー(の)
トバリノ「一度──無重力を与え、 後付けで重さの負荷を軽減させたか‥」
トバリノ「なるほど‥」
トバリノ「疲れたかい? 休憩しようか」
ファー「はい‥」
ファー「ありがとう、ございます」
トバリノ「一度に二つの事を行ったんだ スタミナの減りも倍だったろう」
トバリノ「課題は多いが、先ずは一段落かな」
トバリノ「さて、もう一度やってみよう」
ファー「はい!」
ファー(不思議なチカラ‥ また疲れが取れていた‥)
ファー(リコさんがくれたチャンス、 無駄にはできない‥)
ファー「よろしくお願いします!」
〇研究施設の玄関前
【3日目】
PiC:トレーニングルーム前廊下
トバリノ「今日はフォビック同士の組み手だ」
トバリノ「今回の相手は凄いぞ! すでに恐怖症を使い熟していたからな!」
ファー「すでに、ですか?」
トバリノ「保護した時にはもう、 "自らの意思"で能力行使していたんだ」
トバリノ「これは本当にレアなケースなんだよ!」
ファー「どんな人だろう、ワクワクします!」
ファー(トバリノ先生、なんだか嬉しそう)
なでよし((👋🏻))なでよし
Now training‥
トバリノ「もう中に居るみたいだ」
トバリノ「会えば分かるよ、行っておいで」
ファー「はい!」
トバリノ(リコがファーさんに 興味を持ち始めているな‥)
トバリノ(今まで誰にも心を開かなかったのに‥)
トバリノ(俺ですらも‥)
〇近未来の闘技場
トバリノ「紹介しよう、 フウリ・カンナギ さんだ」
トバリノ「彼女と手合わせして貰うよ」
フウリ「え、ホントにこの子と手合わせするの?」
フウリ「話には聞いてたけど、本気?」
ファー(女の人でした、よかった‥)
ファー(てっきり、コワモテな男の人かと‥)
フウリ「てか、シーさんの店で見かけた子じゃん!」
フウリ「ヤッホー! よろしくねー♪」
〇中華料理店
おっとりした少女「ふえ〜、豪華なレストランだねえ」
フウリ「でしょでしょ? リクハにも来てもらいたかったんだ〜」
フウリ「シーさん、小籠包セット一つ!」
〇近未来の闘技場
ファー「あの時の──」
ファー「あ、申し遅れましたっ!」
ファー「ファーです! ファー・ミルフィーユといいます!」
ファー「よろしくお願いしますっ!」
フウリ「え、ホンッットに手合わせするの!?」
フウリ「めちゃめちゃ良い子じゃん!」
なでこ((👋🏻))なでこ
フウリ「ちょっと気が引けるんだけどー? 先生ぇ」
トバリノ「見た目に騙されるな?」
トバリノ「潜在能力は君より優れているぞ」
フウリ「へぇ、あたしよりも?」
フウリ「それは楽しみね!」
ポン((✋🏻))ポン
ファー「フウリ──さん?」
フウリ「"カーニバル"──」
ファー「ふうせん‥」
ファー「えっえっ!?」
〇水玉
フウリ「キミのチカラ、見せてもらうよ!」
超能力もそうですが、頭撫で撫でなど、
タップで難しい表現を、想像力を刺激する形でされていて興味深いです!!
重力と浮力。相反する力を持ってるのが面白いですね😀
超能力物でも、大抵片方の力しか持っていないので珍しいと思いました!
次の訓練、あるいは対決がどうなるか楽しみです👍
ファーちゃんをなでなでしたい回!
ぜろぐらびっとがなんだか気になる……。
力の使い方を理解してきたところで手合わせとはこの先どんな戦いが待ち受けているのか気になりますね!
2日目のトレーニングで、浮力と重力を操れる事を把握した様ですね。
3日目の手合わせ。相手は食堂で知り合ったフウリさん。
リコさんみたいにファーちゃんの頭を撫で撫でするも、バトルとなった瞬間に本気に。
風船を使った個性。一体何をするのか。
楽しみにしてます。