読切(脚本)
〇宇宙ステーション
宇宙皇帝「なんじゃ、どうした」
シン康夫「陛下、共和国軍の奴らが襲ってきました」
シン倫子「何と卑怯な・・・お逃げください陛下」
シン倫子「応戦しろ」
シン康夫「ハッ」
〇落下する隕石
???「ミット砲撃来ます」
シン薫「全員、衝撃に備えよ」
???「エンジン大破」
シン薫「脱出ポッドへ急げ」
〇地球
シン康夫「あの星に引き寄せられてます。お后様」
シン倫子「仕方ない不時着して救援を待つわ」
〇地球
シン薫「あの星に墜落するわね」
〇荒廃した街
シン倫子「皆の者大事ないか?」
シン康夫「生き残りは我々だけですお后様」
シン倫子「兎に角連邦にバレぬよう街全体偽装して」
シン康夫「畏まりましたお后様」
シン倫子「おお、生存者だ」
一ノ瀬武志「あなた方は?」
シン倫子「ま、マズいこの子の親族に変身じゃ」
一ノ瀬倫子「何寝ぼけてるのおばあちゃんよ」
一ノ瀬康夫「昼間からどうした、パパを忘れたのか?」
一ノ瀬武志「街並みが」
〇繁華な通り
一ノ瀬武志「あれ?夢見てたのかなぁ僕」
一ノ瀬康夫「困った奴だな佳子ちゃんと遊んでおいで」
一ノ瀬武志「ウン」
一ノ瀬倫子「やれやれ、」
シン薫「むっ、今度こそ」
一ノ瀬倫子「ま、待ちなさいお互い街を破壊した罪を連邦に問われてしまうわ」
一ノ瀬康夫「ここは救助されるまで何もなかった事にね」
一ノ瀬倫子「それじゃぁ、変身して」
一ノ瀬倫子「さぁ、今日からアンタは私の息子の嫁ですからね」
一ノ瀬康夫「お后様、何でこいつが私の嫁なんですか」
一ノ瀬薫「私こそなんでドラキュラ族のこいつと夫婦にならなきゃいけないの?」
一ノ瀬倫子「それでは連邦に見つかって刑務所に入るかい?」
一ノ瀬薫「ムムム・・・」
一ノ瀬薫「か、勘違いしないでねドラキュラ」
〇実家の居間
一ノ瀬康夫「頂きます」
一ノ瀬倫子「救難信号は?」
一ノ瀬康夫「はいお后様、既に」
一ノ瀬倫子「これからは、おばあちゃん、と呼びなさい康夫」
一ノ瀬康夫「はい、それでは店の工場に行ってます」
一ノ瀬武志「おばあちゃんおはよう」
一ノ瀬倫子「おはよう・・・もう保育園に行く時間かい」
一ノ瀬武志「ウン・・・一緒に行こうよ」
一ノ瀬薫「よろしくお願い致します」
〇繁華な通り
一ノ瀬倫子「保育園は楽しいかい武志」
一ノ瀬武志「ウン」
エルドアン星人「お久しぶりですお后様」
一ノ瀬倫子「あっ、お前はエルドアン星人・・・武志、家に戻ってなさい・・・」
エルドアン星人「皇帝の指輪を出せ」
一ノ瀬倫子「嫌だね」
一ノ瀬倫子「止めなさい」
一ノ瀬倫子「力を我に」
シン倫子「覚悟して」
エルドアン星人「残念でした」
一ノ瀬康夫「お、おばぁちゃん」
シン倫子「早く二人で」
シン康夫「お任せくださいお后様」
シン倫子「ダブルで」
エルドアン星人「くっ、ならばこちらも本気を」
シン康夫「ぐはぁ・・・やられた」
エルドアン星人「さてとお后様指輪を頂ければ暴れませんよ」
シン倫子「お前になんか絶対に渡さない」
一ノ瀬薫「もう、私の康夫に何したのよ全く」
シン薫「覚悟しなさいエルドアン星人」
シン倫子「喰らえ」
エルドアン星人「や、やられた」
一ノ瀬倫子「やれやれ、アンタもやるわね」
一ノ瀬武志「ママもおばあちゃんも強いんだね」
一ノ瀬倫子「さっ、保育園へ行こうか」
一ノ瀬薫「本当に指輪の力はあるのかしら?」
〇実家の居間
シン倫子「はぁ・・・」
一ノ瀬薫「どうされたんですか?お后様」
シン倫子「救助に来るのは1時間後」
一ノ瀬薫「やったー!」
シン倫子「地球時間で100年後」
一ノ瀬薫「ええっ!一生出られないのこの星から」
シン倫子「我々ドラキュラ族でない貴女はね」
シン倫子「それに陛下の行方が・・・」
一ノ瀬薫「だから、あの時降伏していれば」
シン倫子「降伏の文字はありません陛下には」
一ノ瀬薫「ところで、后様のはめている指輪」
シン倫子「この指輪の効力は陛下と共に使えば絶大な力を出せますけど・・・」
一ノ瀬薫「単独では、無力」
シン倫子「半分の力しか出せませんわ」
〇ケーキ屋
一ノ瀬康夫「おーい薫、商店街の寄り合いに言って来る」
一ノ瀬武志「あれ?行ってきますのハグしないの?」
一ノ瀬薫「ええっ!」
一ノ瀬武志「だって、何時もやってるじゃん」
一ノ瀬薫(血を吸われたらどうしよう)
一ノ瀬康夫「そうだ、パパ忘れてたよ・・・行ってくるねママ」
それは、ぎこちないハグであった
一ノ瀬武志「愛してるよの言葉は?パパ」
一ノ瀬康夫「イヤ、そこまでは」
一ノ瀬薫「そ、そうよ」
一ノ瀬武志「分かった、喧嘩してるんだ・・・仲直りしてよ僕悲しい」
一ノ瀬康夫「愛してるよママ」
一ノ瀬薫「わ、私もよ」
一ノ瀬薫「行ってらっしゃい、遅くならないでね」
〇ホストクラブ
商店街の組合長「ほれ、着きました」
一ノ瀬康夫「な、何ですか?ここ」
キャパクラ嬢「いらっしゃい・・・初めて?ミルカと申しますよろしくね!」
商店街の組合長「胸を見るか・・・なーんちゃって」
商店街の組合長「じゃぁ・・・商店街の発展を祈って乾杯」
キャパクラ嬢「カンパーイ・・・ねぇパパ、カラオケしなーい?」
商店街の組合長「いいねぇー」
〇ライブハウスのステージ
商店街の組合長(ムフフ俺に気があるあるな・・・よーし帰り誘っちゃおうかなぁ)
キャパクラ嬢「やぁーだこのエロ爺いやらしい目つきで私を見てる」
キャパクラ嬢「さぁ、お次は康夫さんね」
キャパクラ嬢「もうちょっと近くに」
一ノ瀬康夫(ああぁ血を吸いてぇ・・・あの首筋にガブリと・・・たまんねぇ)
キャパクラ嬢(よし、こいつを喰ってやるわ)
キャパクラ嬢「歌お上手ね、隠し芸あるんだったら見たいわ」
一ノ瀬康夫「そんなもんありませんよ」
キャパクラ嬢「嘘、変身なんかできるんじゃないの?」
シン康夫「これですか?」
キャパクラ嬢「ス、凄い」
キャパクラ嬢「ねぇ、送ってくれないかな?」
商店街の組合長「宴たけなわではありますがお開きにしたいと思います」
〇繁華な通り
キャパクラ嬢「康夫さんこっち、こっち」
一ノ瀬康夫「お待たせしました」
一ノ瀬康夫(ああっ!この子の血が吸いてぇ)
キャパクラ嬢「じゃぁ、腕を組んで行きましょう」
キャパクラ嬢(ああぁ、早くこの男の肉を食べたい)
一ノ瀬薫「何やってるの康夫・・・隣にいる女は誰?」
一ノ瀬康夫「か、薫・・・どうして?」
一ノ瀬薫「寄り合いじゃないでしょうが」
一ノ瀬康夫「商店街の組合長がキャパクラに行こうと誘ってくれて」
一ノ瀬薫「アンタも店の子なら店外に康夫を連れ出さないで・・・誘惑するつもり?」
キャパクラ嬢「冗談じゃない・・・誰がこんな男を誘惑するもんですか」
一ノ瀬薫「アンタこの星の住人じゃないでしょ・・・本当の姿を見せなさいよ」
キャパクラ嬢「チェ!バレたか」
一ノ瀬康夫「エセックス星人」
一ノ瀬薫「食べる気だったの?康夫を」
エセックス星人「そう言うアンタも本性を見せなさいよ」
エセックス星人「共和国軍じゃない?・・・どうして、皇帝の部下といるのよ」
シン薫「う、うるさいわね・・・色々と事情が・・・」
エセックス星人「食べ物の恨みは深いわよ」
シン薫「えぇっ、康夫とエッチしたの?」
エセックス星人「する訳ないじゃない・・・」
エセックス星人(しようとしたら、アンタに出くわしたのよ)
エセックス星人「とにかく、喰わせてもらうわ」
一ノ瀬康夫「ひえぇー」
エセックス星人「チェッ、逃げられた」
シン薫「今後康夫に近づかないで頂戴」
エセックス星人「知るか」
シン薫「何よ、やる気?」
シン薫「ゲホゲホ・・・何処へ」
〇ケーキ屋
一ノ瀬武志「あっ、パパ・・・お帰りなさいママは?」
一ノ瀬康夫「まだ起きてたのか・・・ママは後から帰ってくるよ・・・早く寝ようね」
一ノ瀬倫子「康夫こんな遅くまで何処をほっつき歩いてたんだい」
一ノ瀬武志「パパこれあげる」
一ノ瀬康夫「こ、これは僕の誕生日ケーキ」
一ノ瀬倫子「武志が作ったんだよ康夫にって」
一ノ瀬康夫「武志・・・ありがとう」
一ノ瀬薫「良かったね武志」
一ノ瀬武志「ウン・・・僕将来パパと同じケーキ屋になる」
一ノ瀬康夫「そうか、そうかケーキ屋になるか・・・嬉しいよパパは」
一ノ瀬薫「さぁ、遅いからもう寝ましょうね」
一ノ瀬武志「ウン」
それにしても1時間後の救助が地球時間で100年後って・・・。そうこうするうち康夫と薫は完全に本物の夫婦になって、武志はケーキ屋を継いで、后様も皇帝の指輪をどっかになくしちゃいそうですね。
なりゆきで家族になったとはいえ、家族ごっこのようなことを続けてると色々と新たな感情が芽生えそうですね。
嫉妬心とか…芽生えるのかも?