ぼくらの就職活動日記

大杉たま

エピソード21(脚本)

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〇競馬場の払い戻し機
若山柿之介「馬券、なんで外れただか・・・」
謎の老人「元気な三頭がそのまま速い三頭ではないのだよ、ちみ」
謎の老人「人間とて同じだろう、やる気だけではどうにもならんもんだ」
若山柿之介「困ったべ・・・」
  そう言って梅干しを一つ口に入れる柿之介。
謎の老人「あー、きみ。 その、梅干しを一つ私にくれんかね」
若山柿之介「あれ、あげてなかっただか?」
若山柿之介「ばあちゃが漬けた梅干しだ。うめえぞ」
謎の老人「ばあちゃが漬けた、梅干し・・・」
  謎の老人は、手のひらに梅干しを載せて観察したあと、口に含む。
謎の老人「ほわあっ!」
若山柿之介「どうしただ!?」
謎の老人「・・・・・・」

〇公園のベンチ
真田紅音「・・・はあ」
  ブー・・・ブー・・・
真田紅音「はい、誰?」
  誰ってことないだろ。
  俺の番号登録してないのか
真田紅音「・・・正兄か」
  なんだお前、泣いてんのか?
  鼻声だぞ
真田紅音「別に、ちょっと風邪ひいただけだけど。 何の用? 百万円貸してくれんの?」
  なんの話だ
真田紅音「理由はなんでもいいから、百万貸してくれ」
  無理だな、俺も金無い
真田紅音「ホントに何の用だよ」
  いや、特に用はないんだけどな。
  ちょっと、話したくて
真田紅音「切るよ」
  ああ、切ってくれていい。
  あ、でもな、紅音──
真田紅音「なに」
  お前は、お前のままでいいんだぞ
  プツッと通話が切れる。
真田紅音「いや、そっちが切るのかよ」
  時計を見る紅音。15:30である。
真田紅音「・・・あと30分」
真田紅音「・・・お前はお前のままでいい?」
  そのとき、スマホにメッセージが届く。
  内容を確認する紅音。
  一茶『百万用意できたか?』
  紅音がメッセージに返事を送る。
  紅音『出来てない』
  一茶『二百万用意できた、百万貸したるわ』
真田紅音「!」

〇電車の中
  一茶『とりあえず本社に来てや、俺はもうおるから、そこで渡すわ』
  紅音『時間的に本社に行ったらもうそこ以外行けない、信じていいのか?』

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