それは夢か現か

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それは夢か現か(後編)(脚本)

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〇タクシーの後部座席
「・・・っちゃま! ・・・しおぼっちゃま! 着きましたよ、 起きてください敦おぼっちゃま!」
鈴木 敦?「・・・んん、んー」
鈴木 敦?「はっ!ここは?」
池田 春康(執事)「お疲れのようで道中お眠りになられてましたが、ご自宅にご到着いたしましたので起きてくださいませ」
鈴木 敦?「え、あ・・・はい」

〇ファンタジーの学園
鈴木 敦?「ここが僕の家?? というかあなたは誰ですか??」
池田 春康(執事)「ええっ!?!?」
池田 春康(執事)「ご冗談は勘弁してくださいよ 敦おぼっちゃまの執事、池田春康ですよ そしてこちらは敦おぼっちゃまのご自宅でございますよ」
鈴木 敦?「あ、あぁ・・・そうだったね どうやら寝ぼけてド忘れしてたみたい あはは・・・」
鈴木 敦?(全然知らねー?!?! 執事?? 母方の実家はお金持ちだけどたしかもう 執事はいなかったはず・・・)
鈴木 敦?(でもおぼっちゃまってことはその実家の子ということだよね?)
鈴木 敦?「ということはまあ、 せっかくお金持ちの夢見れるわけだし、 今回はこのままでも悪くはないのかも!!」
池田 春康(執事)「敦おぼっちゃま お金持ちの夢とは??」
鈴木 敦?「あ、いや気にしないで!!」
鈴木 敦?(ヤバッ! 思わず口に出しちゃったよ 気を付けないとな)
池田 春康(執事)「どうやら今日はひどくお疲れのようですね 今日は造園施工管理技士のお勉強はやめておきましょうか?」
鈴木 敦?「え?造園施工・・・なんて?」
池田 春康(執事)「造園施工管理技士ですよ 来月にその検定の試験が控えてますからね」
鈴木 敦?「僕そんなのやってましたっけ?」
池田 春康(執事)「えぇ、半年前から勉強なさってますよ」
鈴木 敦?「あぁ〜、池田さん なんだか今日は気分がすぐれないので自分の家に帰ります」
池田 春康(執事)「なんとまあ!!!!」
池田 春康(執事)「お許しくださいませ、敦おぼっちゃま まさか記憶を無くされるほど ひどくお疲れになられてるとはお気付きになりませんで・・・」
池田 春康(執事)「なんともお労しくてなりません 至急メイドに指示して看護して頂きましょう」
池田 春康(執事)「お母様には私からお伝えしておくので どうかご安心してご自愛くださいませ」
鈴木 敦?「あ、いや・・・そうじゃなくて えっと、その・・・うう」
  敦は池田執事にそのまま屋敷へ
  連れていかれるのだった

〇貴族の部屋
  それから敦は池田執事に敦の部屋へと案内され、
  僕の家系やこれまでの経緯などを聞かされた
鈴木 敦?「えーっと、つまり藤井家は代々造園施工管理技士の一族だから、」
鈴木 敦?「農学部の僕が造園施工管理技士1級の資格を取得して、まずはこの家の庭を立派な庭園にするのが今の目標なのね?」
池田 春康(執事)「そうでございます さすが敦おぼっちゃま、飲み込みが 早いですね」
鈴木 敦?「うーん、たしかに僕の母親は旧姓は藤井だし、ガーデニング好きではあるけども、」
鈴木 敦?「僕は藤井じゃなくて鈴木だし別に造園のために農学部に入ったわけじゃないからなぁ」
池田 春康(執事)「いえいえ、敦おぼっちゃまのお父様は婿入りされてますから敦おぼっちゃまは立派な藤井家の人間ですよ」
藤井 敦「それなら父親が継げばいいんじゃないの?」
池田 春康(執事)「それがその・・・ 藤井家のしきたりで、藤井家の血が流れてない者は対象外だそうで・・・」
池田 春康(執事)「申し訳ないのですが、そういう意味では お父様は鈴木家の人間と見なされてしまうようです」
池田 春康(執事)「しきたりとはいえ、敦おぼっちゃまの前でお父様を蔑むような発言をどうかお許しくださいませ」
藤井 敦「そっかー、 気にしないで! しきたりなら仕方ないよね」
藤井 敦(なんというか、ピアノのコンクールとか あるいは作法や礼儀、英語の勉強とかの イメージをしてたのにまさか)
藤井 敦(造園施工管理技士1級という、妙に現実的だしやってることはすごいけど、地味というか周りにあまり自慢しにくいものだとはなぁ)
池田 春康(執事)「あぁ、なんてお優しいのでしょう ありがとうございます、敦おぼっちゃま」
藤井 敦「ところで、その造園施工管理技士1級の勉強はいつからどれくらいやるの?」
池田 春康(執事)「えーと、お母様と相談した結果 3日後から毎日5時間の座学と実技を交互に 学んでいただきます」
藤井 敦「毎日5時間!?」
池田 春康(執事)「はい、平日は5時間ですが 休日は座学と実技合わせて10時間の予定です」
藤井 敦「え!? それってまさか・・・」
池田 春康(執事)「はい! 昨日までの敦おぼっちゃまは みごとに毎日休まず真面目に一生懸命に自信を持ってはりきって精一杯こなしていましたよ!」
藤井 敦「やっぱそうなのか 昨日までの僕は頑張ってたんだね」
藤井 敦(なにそのスパルタ教育・・・ やりたくない・・・)
  コンコンッ!
  部屋の扉をノックする音が聞こえた
「お母さんだけど、入っていいかしら?」
  どうやら扉をノックしたのは母親らしい
藤井 敦「うん、大丈夫だよー」
藤井 敦(そういえばしばらく帰省してなかったから 母さんの顔見るの久しぶりだなぁ)
藤井 敦(って、これ夢だから意味ないか)
藤井 小瑠璃(母親)「敦、あれから体調は良くなったかしら?」
藤井 敦「母さん、最初よりはだいぶマシになったよ」
藤井 小瑠璃(母親)「敦、貴方今"母さん"って言った?」
藤井 敦「え、言ったけど それがどうかしたの?」
藤井 小瑠璃(母親)「まあ! あれほど"お母様"と呼ぶように躾けたのに 一体どこでそんなはしたない言葉を 覚えてきたのかしら」
池田 春康(執事)「まあまあ、お母様」
池田 春康(執事)「敦おぼっちゃまはまだ疲れが残ってますし、 記憶が曖昧な部分もあるようなので おおめに見てあげてはいかがでしょうか?」
藤井 敦「ゴメン、母さ・・・お母様」
藤井 小瑠璃(母親)「"ゴメン"!?」
池田 春康(執事)「ま、まあ 反省はしているようですし ここはおおめに・・・」
藤井 小瑠璃(母親)「池田さん、貴方は黙って! というより申し訳ないけど部屋から 出ていただけるかしら?」
池田 春康(執事)「は、はい!」

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