エピソード22(脚本)
〇街中の交番
戸村龍也「久保ちゃん、これって・・・」
久保田光「・・・・・・」
〇男の子の一人部屋
「・・・・・・」
スマホを手にしたまま沈黙する光。
画面には櫻からのメールが表示されている。
『八時においで、式を挙げよう』
時計を見る龍也。時計は七時を指している。
戸村龍也「あと一時間・・・。久保ちゃ──」
久保田光「・・・っ」
唐突に光が立ち上がり、押入れを開く。
戸村龍也「久保ちゃん?」
光は押入れから取り出したスパイグッズをナップサックに詰め込んでいく。
ナイフの仕込まれた靴を手に取る光。
戸村龍也「久保ちゃん、ダメだ、行ったら殺される。 そんなの全然面白く──」
次の瞬間──光が靴のナイフを勢いよく床に突きつけた。
戸村龍也「!」
久保田光「ふう、くっ・・・」
久保田光「許さない」
戸村龍也「・・・・・・」
久保田光「絶対許さない」
戸村龍也「久保ちゃん、冷静にならなきゃ」
久保田光「嫌だ」
戸村龍也「・・・・・・」
久保田光「・・・龍也」
戸村龍也「?」
久保田光「一緒に戦ってほしい」
久保田光「僕だけじゃ、あいつを倒せない。 櫻さんを救えないんだよ」
戸村龍也「・・・・・・」
久保田光「・・・ごめん、自分勝手でごめん。 こんなお願い、できるわけないのに」
久保田光「でも、一人じゃ怖くて、ふるえが止まらなくて、あいつに勝てないんだよ」
久保田光「龍也、ごめん、頼む、一緒に戦ってくれ。 僕を、助けてくれ」
下唇を噛んでうつむく光。
龍也はそんな光の手を握りしめる。
久保田光「・・・龍也」
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