機神戦記ベーオウルフ

情無合成獣スフィアマザコンザウルス

第一話「孤狼、降り立つ」(脚本)

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〇黒
  第一話
  「孤狼、降り立つ」

〇空
  寒空の下、その機械の渡り鳥は腹に兵力という卵を載せて飛翔する。
  かつての大戦と違うのは、それが”敵国の侵略、攻撃”が目的ではなく、あくまで世界秩序のためという事。
通信士「・・・・・・」
通信士「レイヴンより本部へ、レイヴンより本部へ」
通信士「定時連絡、現在ボーゲン公国距離3000キロ地点 時刻・・・」

〇潜水艦
リサ・パトリケエヴナ「おはよう、よく眠れたか?」
  リサ・パトリケエヴナ。年齢35。階級・大佐。
  国連独立戦後処理軍NEST第三機動部隊「レイヴン」隊長。
  かつてユーラシア同盟軍の一員として、激戦区となった日本で戦った過去を持つ。現在は部隊長だが、元機神パイロット。
  「ある事情」もあるが、部下と共に自ら前線に赴きく女傑。スリーサイズは上からB97 W63 H90。
カゲロウ・パトリケエヴナ「はい、ヘリの揺れが心地よくてじっくりと」
  カゲロウ・パトリケエヴナ。年齢15。階級・中尉。
  国連独立戦後処理軍第三機動中隊「レイヴン」副隊長。
  戸籍上リサとは母子であるが、血は繋がっていない。未成年であるが優秀な機神パイロットで、軍には特例で所属。
リサ・パトリケエヴナ「それぐらい言えるなら上等だな、じゃあもう一度今回の任務について説明する」

〇綺麗な港町
リサ・パトリケエヴナ「今から我々が向かうのはボーゲン公国。東南ヨーロッパはバルカン半島に位置する国で、かつてローマ帝国の一部だったとされている」
リサ・パトリケエヴナ「国としての規模はそこまでだが、結構な規模の金の鉱山を保有しており、私達NESTにも出資してくれている」
リサ・パトリケエヴナ「で・・・そのボーゲン公国だが、最近反政府勢力の活動が活発化しているらしい」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・大戦の「遺物」を手に入れて、な」

〇潜水艦
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・で、私達が相手するってワケだ」
リサ・パトリケエヴナ「まあ国連としては、貴重な金の鉱山を守りたいってわけなんだろうがな」
カゲロウ・パトリケエヴナ「はは・・・まあ、そうでしょうね」
リサ・パトリケエヴナ「まったくだ、でなければベーオウルフなど寄越す・・・・・」
NEST兵士「・・・!!」
NEST兵士「ボーゲン公国国際空港より緊急連絡!!」
NEST兵士「・・・・・・敵の攻撃を受けているとの事です!!」
リサ・パトリケエヴナ「なんだと!?」

〇空港のロビー
  ──ボーゲン公国国際空港
  その一団は、さながらオリンピック選手を待つ開催国の使節団である。
  ただ違うのは、それがスポーツの祭典ではなく、紛争解決のための軍事行動のための来客ということ。
  故に、誰も笑顔を浮かべていないということ。
アルミリア・ボーゲン「・・・・・・」
  特に──彼女はそれが顕著であった。
アルミリア・ボーゲン「・・・・・・国の平和のために、軍に頼るなどと・・・」
アルミリア・ボーゲン「天国のお母様が聞いたらどう思うか・・・!!」
  アルミリア・ボーゲン。年齢14。ボーゲン公国公女。
  国を背負う覚悟こそあれど、まだ若く未熟な所もある。
ディーンショ大臣「まったくです!!それに姫に相談もせぬとは、ホーク将軍は何を考えておられるのですか!!」
ホーク将軍「ふん、文官の貴様にはわからんだろうが、奴らが「遺物」を手に入れた以上、我が国の軍事力では限界がある」
ホーク将軍「現状「遺物」に対抗できるのは同じ「遺物」それこそ機神のような超兵器のみだ!!だから機神を有する国連に協力を仰いだんだ!!」
ホーク将軍「・・・・貴様が軍拡を止めなければ、こうはならんかっただろうがな」
ディーンショ大臣「何を!?卑しい出の分際で・・・!」
アルミリア・ボーゲン「おやめなさいディーンショ!それ以上は人として言っていい事ではありません!!」
ディーンショ大臣「は・・・はい、出過ぎた真似をして申し訳ありません、姫様・・・」
ホーク将軍「・・・姫様も姫様です」
ホーク将軍「病床の国王に代わり、国を守るためにやってくるNESTを出迎えるというのは王族として当然、それは解ります」
ホーク将軍「しかし今は、そう気安く出歩いていい状況では・・・」
アナウンス「緊急事態発生!!現在当空港は攻撃を受けて・・・・・・」
ディーンショ大臣「てっ、テテテ・・・敵襲!?」
ホーク将軍「・・・・・・ほれみろ!!言わんこっちゃない!!」

〇潜水艦
リサ・パトリケエヴナ「現地の映像、出せるか!?」
NEST兵士「衛星カメラにアクセスしてみます」
NEST兵士「アクセス成功、映像出ます!!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
  それは、機体名通り太古の昔に存在した獣脚類・ティラノサウルスのようなシルエットで、空港を踏みにじる。
  見様によっては怪獣映画に見えたが、あいにくポップコーンを食べている余裕などあるわけがない。
  破壊は、画面の絵空事ではなく現実なのだから。

〇潜水艦
NEST兵士「データベースに照合が取れました!!目標、レックスカノンです!!」
リサ・パトリケエヴナ「レックスカノン・・・あの荷電粒子砲に脚つけただけの移動砲台か」
リサ・パトリケエヴナ「今でこそ珍兵器扱いだが、あれも立派な「遺物」。危険なことには変わりない・・・!!」
カゲロウ・パトリケエヴナ「そも荷電粒子砲を撃たれたら、空港が無くなりますよ!!」
リサ・パトリケエヴナ「わかってる。間に合いそうか!?」
NEST兵士「こいつで間に合うのは無理そうです、が・・・」
リサ・パトリケエヴナ「が?」
NEST兵士「・・・”ベーオウルフ”を空中で切り離し、ブースターで滑空させれば、すぐに」
リサ・パトリケエヴナ「な・・・!?バカを言うな!!!そんな・・・」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・ようは、無茶すりゃなんとかなるって事ですよね」
リサ・パトリケエヴナ「カゲロウ!?お前・・・!!」
カゲロウ・パトリケエヴナ「いや、こんな事は初めてじゃないでしょ?慣れてますよ」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・安心してください、生きて帰ってきますよ」

〇宇宙戦艦の甲板
「ベーオウルフ、出撃準備!!」
「出撃準備!?ここ上空ですよ!?」
「目標まで「落とす」そうだ!!急ぐぞ!!」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・いいか、死ぬなよ中尉」
カゲロウ・パトリケエヴナ「大佐は心配性ですね。安心してください、簡単には死にはしませんよ」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・死ぬのは、あなたのでかい胸の中でと決めてるので」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・まったく!!」
カゲロウ・パトリケエヴナ「えと・・・・・・それで、なんですが・・・」
リサ・パトリケエヴナ「!!」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・ふふ」
カゲロウ・パトリケエヴナ「その・・・”おまじない”を・・・」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・二人の時はどう言うか忘れたのか?”ボクちゃん”♡」
カゲロウ・パトリケエヴナ「う・・・・・・」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・ママ」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・ちゅーして?」
リサ・パトリケエヴナ「んんっ・・・ちゅうっ♡」
カゲロウ・パトリケエヴナ「!!!!」
リサ・パトリケエヴナ「んっ・・・むっ・・・♡」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・ぷはぁ♡」
カゲロウ・パトリケエヴナ「あっ・・・はぁ、はあ・・・っ」
リサ・パトリケエヴナ「・・・・・・今夜、たっぷり”ご褒美”をあげような、私の愛おしい”ボクちゃん”♡」
  ・・・・・・
  この鉄の巨人に感情がなくて良かったと言える。
  自分のパイロットの倒錯した情事など、見たくはないだろうから。

〇空港の滑走路(飛行機無し)
  ・・・さて、視点を空港に戻すとしよう。
ボーゲン軍兵「姫様の所に行かせるな!!撃て!!撃て!!」
テロリスト「はははっ!!流石機神だ!!マシンガン程度じゃ傷一つつかねぇ!!」
テロリスト「このまま任務を遂げさせてもらおう!!」

〇空港のロビー
アルミリア・ボーゲン「き、機神がこっちに来る!?」
ディーンショ大臣「ひ、ひひひいっ!!なんでこんな日に限ってテロリストがぁ!?」
ホーク将軍「だから言ったのだ!!格好の的になるだけだと!!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
テロリスト「ははははは!!死んじまえよクソ公女・・・」
テロリスト「・・・・・・・・・ん?」

〇空港のロビー
アルミリア・ボーゲン「・・・!!」
アルミリア・ボーゲン「あれは!?」
ホーク将軍「間に合ったか!!」

〇空

〇コックピット
カゲロウ・パトリケエヴナ「システム、オールグリーン。10秒後にバーニアオフ、衝撃に備える」
カゲロウ・パトリケエヴナ「・・・・・・・・・・”親孝行”の時間だ、ベーオウルフ!!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
  金属でできた巨大な足が、滑走路を3000tの衝撃で踏み砕く!

〇空港のロビー
ディーンショ大臣「あ、あれがNESTの機神・・・!!」
ホーク将軍「JMG-014ベーオウルフ・・・・・・」
ホーク将軍「・・・・・・機神を狩る機神だ!!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
テロリスト「モスグリーンのヒトガタ・・・さてはNESTの遺物狩りか!!」
テロリスト「あのクソ公女はないとして・・・呼んだのはホーク将軍か!!あのチョコボールハゲめ!!」
カゲロウ「そーだよ、NESTだよ。オジサン達が調子に乗りすぎたからきちゃったよ」
カゲロウ「とりあえず国連の条約にあるから聞いとくけど、投降してくれない?」
テロリスト「誰がするか!!」
カゲロウ「そうかい、じゃあ・・・」

〇コックピット
カゲロウ・パトリケエヴナ「ボコしていいって事だよねえ!?」

〇空
カゲロウ・パトリケエヴナ「ホーミングミサイル、ファイア!!」
リサ・パトリケエヴナ「発射、承認!!」

〇空港の滑走路(飛行機無し)
テロリスト「うわああ!?」
カゲロウ「そこだ!!」
カゲロウ「その強力な荷電粒子砲も、組み付かれたら発射できないね?」
カゲロウ「じゃ、このまま捻り潰しちゃうから」
  巨大な腕が、レックスカノンを締め上げる!
  それは巨大な砲であるレックスカノンそのものは勿論、設計段階で後付されたコックピットの装甲をも歪ませ、潰す。
テロリスト「ひ、ひいい!!やめてくれえ!!」
テロリスト「お、俺には病気の家族が・・・!!」
カゲロウ「知らないよそんなの、家族ごと地獄に落ちれば?」
テロリスト「ぎ、ぎゃああああ!!!!」

〇空港のロビー
アルミリア・ボーゲン「・・・!!」
  彼女にも、最初は救世主にみえた鉄の巨人であるが、すぐに異常さに気づいた。
  彼女の聡明さは、あの鉄の奥に潜む歪んだ心を見透かすには十分であった。
アルミリア・ボーゲン「いけない!!」
ホーク将軍「ひ、姫様!?」
  ・・・・・・確かに、アルミリアは聡明な女性である。
  だが、残念なことに聡明さと迂闊さ、そして幼さは共存し得るのである。

〇空港の滑走路(飛行機無し)
テロリスト「うぎゃあああああ!?!?」
カゲロウ「じゃあね、テロリストのおじさん」

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