プロローグ「終戦」(脚本)
〇地球
・・・
ある日、何者かの手によって世界各国にばら撒かれた情報データ。
それは、それまでの科学の概念を覆す、様々な技術・理論を記した福音だった。
「グリモワール」と呼ばれるこのデータにより、各国の技術競争は激化。
電脳、バイオ、物理学と、様々な新技術が確立された。
それは程なくして、各国に「機神」と呼ばれる全高50m前後の戦略巨大兵器を生み出スに至った。
思えば、これが始まりだったのだろう。
機神の登場による各国の緊張感は、やがて第三次世界大戦という形で我々に襲いかかった。
グリモワールから産まれた超兵器同士の戦いは、世界中を前例の無い規模の戦火に包んだ。
そこには男の魂も熱血もなく、ただ破壊と殺戮、そして息絶えた無数の屍が広がるばかりであった。
〇荒廃した街
???(・・・・・・)
???(いつ見ても、慣れるものではないわね・・・)
その時、女は同盟国たる日本を守る外人部隊の一員であった。
だが、女が任務として守るべき同盟国を守り切れたかどうか。
その答えは眼前の廃墟が教えてくれる。
???(・・・まあ、最後の最後まで平和だのなんだのほざいて戦わず)
???(挙句の果てに「滅びる事こそ運命」なんて言い出して、自分で死んでゆくような民族だし)
???(自業・・・)
自業自得。自己責任。
そう、彼らの好きな言葉で吐き捨てるには目の前の惨状は凄惨が過ぎた。
現に、彼女のいう愚民ばかりではない。
母国に難民として送り届けた人々の中には、居場所を守るために戦った者もいた。
死にたくないと願う者もいた。何もこの国の民全員が、狂った自殺主義者ばかりではないのだ。
・・・もっとも、こうして国家が滅びてしまった今となっては、何もかも「タラレバ」である。
???(・・・・・・帰りの便が近いわね)
???(もう行かなきゃ・・・)
???「・・・・・・う、う・・・・・・」
???「!?」
???「まさか生存者・・・・・・誰かいるの!?」
???「うう・・・・・・あ、う・・・・・・」
???「子供・・・あの東京絨毯爆撃の中を生き延びたっていうの・・・?」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)