天使と悪魔が蔓延るこの世界で…

哉戸

忌み嫌われるもの(脚本)

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〇教会の中
  悪魔憑きだ! 殺せッ!!

〇怪しげな祭祀場
  光の気配を感じる、奥へ連れていけ!!

〇空
???「・・・・・・・・・・・・誰が」
???「大人しく捕まってなんてやるかッ」

  僕の話をしよう

〇散らかった居間
  僕の両親は宗教狂いだった
母「天使様を信じていれば、 きっとあなたも救われるわ」
父「悪魔様は偉大なんだ、 きっとお前も分かる時が来る」
  毎日毎日──
  ガキの頃から洗脳のようにそれぞれ別に信仰している宗教の
  ありがたーい教えとやらを毎日のように聞かせて来た
  どっちかに染まらずにこの年(16歳)になれたのは奇跡と言っていいだろう
  まあどれだけ二人が宗教狂いでも
  生活が訳の分からない二人の宗教の教えが基準でも
  時々本当に両親が親なのかと思うような関係でも、
  僕は別に良かった
  ──だって母さんも父さんも、僕のことを愛してくれていたから
  悪いことはしっかり悪いと教えてくれたし、
  両親は宗教にお金をつい買いすぎて自分たちの生活に支障をきたしても──
  僕の学と衣食住は絶対に疎かにしなかった。
  将来搾取子にするためとかだったら多少は考えないとだけど、
  少なくとも今は親からの愛情だと信じてる
  だから僕も普通の子として、
  普通の人間として両親の前では過ごしていた
  それをこんな嫌な形でよかったと思うなんて思わなかった。
  ──思いたくなかった

〇空
???「はぁ、はぁ」
???「ここまで来れば、まけた、はず・・・・・・」
???「クソッ! 何なんだよッ」
  僕の誕生日は夏休みの始まり頃、7月の終わりあたりにある
  だから夏休みで一日おきに両方の宗教に顔を出すようにと、
  珍しく両親から宗教関連で言われて、その程度ならと僕も了承した

〇教会の中
  母さんの天使宗教の教会と・・・

〇怪しげな祭祀場
  父さんの悪魔宗教の儀式場・・・

〇空
  俺は今。
  その両方から追われている
  忌み嫌われている者として・・・

次のエピソード:きっかけ

コメント

  • やっぱり両方の宗教に顔を出していたから
    双方から追われることになってしまったのでしょうか…?
    お父さんとお母さん真逆の宗教を信仰しているのに
    結婚まで行けたのがすごいと思いました😂
    考え方や価値観でぶつからなかったのか、ぶつかりそうになったらそこはお互いを尊重し合って、揉めずに済んだのか…どちらにしてもすごいです😄

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