エピソード20(脚本)
〇ストーカーの部屋
部屋一面に貼られている女性の顔写真。
棚に飾られた瓶には、指輪をはめた女性の薬指がホルマリン漬けにされている。
戸村龍也「これは、本物だわ」
久保田光「パソコンがある」
戸村龍也「久保ちゃんの分野だね。しくよろ~」
光がパソコンを起動する。
パソコンの隣には、新聞記事が張られていた。
戸村龍也「それ、なんの記事?」
久保田光「火事で協会が焼けて、花嫁が亡くなったって。 ちょうど三年前」
久保田光「・・・あれ、この女の人」
光が部屋中に貼られた写真を眺める。
久保田光「壁の写真の人と同じだ」
戸村龍也「婚約者が式当日に火事で死んで、何かが狂っちまったと、ふーん」
久保田光「動画がある。再生してみる」
〇広い公園
飯島美穂「正男も一緒に映ろうよ」
赤地正男「俺は、いいよ」
〇ストーカーの部屋
久保田光「・・・なんだ。何か変な気がする」
戸村龍也「全部が変だよ、この部屋」
久保田光「そうじゃなくて、婚約者の写真と動画しかない」
戸村龍也「猟奇的な愛だねぇ、やだやだ」
久保田光「・・・愛」
戸村龍也「もういいっしょ、こんだけいい趣味の部屋みせりゃ、さすがに警察も動くでしょ」
久保田光「あ、うん」
パソコンをシャットダウンしようとする光。
久保田光「あれ?」
戸村龍也「ん、どした、エロサイトの履歴見とく?」
久保田光「いや、アプリが起動中って・・・え」
久保田光「防犯カメラ・・・!?」
〇開けた交差点
赤地正男「あーあ、バカだな、本当に」
〇マンションの共用廊下
戸村龍也「久保ちゃん、ちょ、どした!」
久保田光「撮られてたんだ、僕らがあの部屋に行ったこと、全部バレてたんだよ!」
戸村龍也「マジかよ!」
猛ダッシュで駆けていく光。
戸村龍也「たく、俺は足遅いんっだっつーの」
〇開けた交差点
久保田光「ハァッ・・・ハァッ・・・」
走りながら、電話をかける光。
〇ダイニング(食事なし)
プルルル・・・プルルル・・・
〇開けた交差点
久保田光「クソッ、繋がらない!」
「久保ちゃーん!」
久保田光「え?」
久保田光「戸村――」
戸村龍也「げっちゅー!」
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