闇の眷属

鍵谷端哉

エピソード1(脚本)

闇の眷属

鍵谷端哉

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闇の眷属
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〇特別教室
透真「うおおお!華憐、逃げろ・・・ 。お、俺の左腕が・・・暴走・・・ する!」
華憐「ほう?封印術を施した包帯でも抑えきれんか・・・」
華憐「ふむ、もっと強力なものに変えんとならんな」
華憐「・・・ いや、そもそも、包帯などを使うのが間違いか?ここは本格的な魔具を使うべきだな」
透真「う、ぐぐぐ。解説はいいから、逃げるんだー」
華憐「見くびるでない、透真よ。儂がお前を置いて逃げるとでも?」
華憐「死ぬときは共に。そういう契約であったろうが」
透真「・・・ くっ!強情な奴だ。そんなことを言われたら、死ぬ気で抑えるしかないな」
透真「うおおおおおおお!我に仕えし闇の眷属よ!我が名に従い、力を鎮めろ!はあああああ!」
華憐「・・・ どうじゃ?」
透真「ふう。心配かけたな。もう、安心だ」
華憐「そうか。それは何よりじゃ。さて、次は透真の番じゃ。打て」
透真「あ、はいはい。えーっと・・・ じゃあ、こう、かな」
  パチンと将棋の駒を打つ。
華憐「ふむ。それでよいのか?では、こうじゃ!」
  パチンと勢いよく将棋の駒を打つ。
華憐「王手、じゃよ」
透真「あっ!」
華憐「詰み、じゃな」
透真「はあ・・・ 。さっぱり勝てないなぁ」
華憐「透真は攻めに偏り過ぎじゃ。少しは防御も考えんとな」
透真「守りは性に合わないんだよなー」
華憐「攻め、一辺倒では勝てんぞ」
透真「ふーむ・・・」
華憐「しかし、まあ、途中で力の暴発もあったことだしな。集中力が切れたということもあろう」
透真「え?ああ、そうそう。そうなんだよ」
透真「あーあ、せっかく、いい手思いついていたのに、忘れちゃったんだよな」
華憐「それは残念じゃな」
透真「あ、もうこんな時間か。そろそろ帰らないと、魔王の荒神、見逃しちゃうな」
華憐「魔王の荒神・・・ ?ああ、アニメというやつじゃな」
透真「そうそう。今季、始まったんだけど、結構面白いんだ。お勧めだから、華憐も見たら?」
華憐「ふむ。考えておこう」
透真「あ、もし、一気に見たいなら、僕、円盤買うと思うから、貸すよ」
華憐「すまんの。透真には世話になりっぱなしじゃな。感謝してもしきれん」
透真「何言ってんの。感謝してるのはこっちだって」
透真「・・・ こんな僕に付き合ってくれるのなんて、華憐だけだよ」
華憐「透真こそ、何を言っておる。儂はおぬしに興味があって、こうして一緒にいさせてもらっておる」
華憐「闇の眷属の力・・・是非、完全な形で復活してもらいたいものだ」
透真「・・・ くっくっく。驕るなよ、華憐」
透真「そうやすやすと、この身を眷属に明け渡す気はない。貴様の計画は徒労に終わるだろう」
華憐「ほう、言いよるわ。儂がいないと、ろくな封印術を扱えんくせに」
透真「ふん。例え、封印術がなかったとしても、俺の精神力で抑えこんでみせるわ!透真の力を舐めるなよ」
華憐「ふむ。頼もしい限りじゃの。ところで、透真から借りた、この魔導書じゃが・・・」
華憐「術式と契約文言が間違っておったぞ」
透真「え?そうなの?」
華憐「まあ、なかなかいい線はいっておったんだがな。詰めが甘い」
華憐「ここで血の契約を持ってくるなら、魂の返還にも関わってくるんじゃ。つまり、そのときの術式は・・・ ・・・」
  カリカリと本に文字を書いていく華憐。
華憐「こうじゃな」
透真「へー。この魔導書、結構、人気なんだけどなー。ネットでも本格的って書いてあったんだけど」
華憐「今まで見た中では、一番、惜しいところまでいっておったよ」
透真「ねえ、華憐ってそういう知識、どこで調べてくるの?」
華憐「ん?こんなのは基本じゃよ、基本」
透真「・・・ ふーん。ねえ、今度、教えてよ」
華憐「ダメじゃ」
透真「え?どうして?」
華憐「それでなくとも、お主の闇の眷属の力は脅威じゃからな」
華憐「それに術式を応用してさらなる力が加わったとしたら、さしもの儂でも抑えきれんかもしれん」
透真「・・・ ふむ。そういうことなら仕方ないな」
透真「まあ、そんな術式などに頼らずとも、闇の眷属の力などコントロールして見せるわ」
華憐「そうそう。その意気じゃ」
教師「あ、田中!また、勝手に部屋を使って!魔導クラブは部として認めらてないんだからな」
透真「・・・ すいません」
教師「八神も、変に付き合うことないんだぞ」
華憐「儂は自分の意志で付き合っておるのだ。貴様が口出すことではないわ」
教師「ぐっ・・・」
華憐「それに、もう帰るとこじゃ。お主も儂らに関わっておらんで、さっさと去ね」
教師「お、俺、教師なんだぞ」
華憐「だからなんじゃ?」
教師「・・・ いいか、もうここは使うなよ。それと、さっさと帰れよ」
透真「ふう・・・」
華憐「危なかったのう」
透真「え?」
華憐「儂が止めなかったら、あの教師・・・透真の力で消し炭になっておったろうな」
透真「・・・ ふ、ふん。余計なことを。だが、ここで騒ぎを起こすわけにはいかん」
透真「右目の邪眼の発動も考えたが、闇の眷属にどういう作用が現れるか、わからんからな」
華憐「ふふ。相変わらず懐が深いのう。あそこまで愚弄されて、許せるとは」
透真「大きな目的の前では気にするに値せんわ」
華憐「ふむ。儂も見習わんとな」
透真「あっ!ヤバい、ホント、そろそろ帰らないと!僕、もう帰るね」
華憐「ああ、気をつけてな」
透真「それじゃ、また明日ね!」
華憐「・・・ いるんじゃろ?出て来い」
悪魔「・・・ さすが、姫。バレておりましたか」
華憐「学校内では華憐と呼べ」
悪魔「はっ!申し訳ありません、華憐様」
華憐「まあ、よい。どうせ、悪魔のお前は人間たちから見えんのだからな。見えるとしたら透真くらいじゃな」
悪魔「恐れながら、華憐様。私にはあの人間・・・ 透真という奴からは全く力を感じません」
華憐「貴様もまだまだじゃな。闇の眷属の力じゃぞ」
華憐「どんな力を持っているかは未知数。魔力を感じさせない性質を持っているというのも考えられる。油断は禁物じゃ」
悪魔「はっ!申し訳ありません」
華憐「今は慎重にいかねばならぬ」
悪魔「・・・ はい」
華憐「ふふふ。だが、もうすぐじゃ。もうすぐ儂が闇の眷属の力を手に入れられる」
華憐「そうすれば魔界は我がものじゃ!わははははは!」
  終わり。

次のエピソード:エピソード2

コメント

  • 中二病全開の闇の眷属くん vs. ホンマもんの悪魔ちゃん、この組み合わせには笑ってしまいました。この設定を念頭に置いて読み返すと……はい、二度美味しいです

  • まるでアニメを観てるような感覚でした!
    やはり声が入るとストーリーも一層盛り上がりますね!

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