ユニバーサル・ユニットバス

戸羽らい

その家族は時空を超える(脚本)

ユニバーサル・ユニットバス

戸羽らい

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〇アパートのダイニング
田中篤史「突然ですが、この世界はすっかりダメになってしまいました」
田中篤史「そこで今日は皆さんに、ちょっと」
田中蓮子「殺し合わねえよ?」
田中篤史「世界線移動をしてもらいます」
田中蓮子「何言ってんだこいつ」
田中蓮子「ダメなのはお前の頭だろ」
田中篤史「この世界は終わってる」
田中篤史「なんかもう、色々と終わってる」
田中篤史「失業手当がどうとかハローワークがどうとかよく分からんし」
田中蓮子「いやそこは分かれよ!手続きの中でも分かりやすい方だろ!」
田中蓮子「貰っとけよ!失業手当!」
田中蓮子「てかいつのまに無職になってんだよ!」
田中篤史「俺は気付いた。国なんかアテにならねえ」
田中篤史「世界もアテにならねえ」
田中篤史「何かをアテにするのはやめだ。つまり」
田中蓮子「自己防衛・・・?」
田中篤史「世界線移動!」
田中篤史「この世界からの脱出だ!」
田中蓮子「その思考の迷路からとっとと脱出しろや!」
田中蓮子「現実を見ろ!現実を!」
田中篤史「ふっ。その現実とやらを変えるのだ」
田中篤史「ついてこい」
田中蓮子「ったく。なんなんだよ」

〇白いバスルーム
田中篤史「とりあえずユニットバスを改造してパラレルワールドへ行けるようにしたぞ」
田中蓮子「とりあえずで世紀の発明してんじゃねーよ」
田中蓮子「その技術力を世界のために活かせよ」
田中篤史「いやもう世界終わってるし。こんな世界で頑張るよりも別の世界行った方が早いし」
田中篤史「色々と手続きが面倒だし。特許?とかよく分からないし」
田中篤史「あ〜〜もうダメだ!こんな世界!」
田中篤史「よく分からねえ!」
田中蓮子「世界の仕組み(物理学)は分かるのに、社会の仕組み(法律・制度・常識)は分からないのな・・・」
田中蓮太郎「・・・」
田中蓮太郎「世界を改変するより、常識改変してあんなことやこんなことがしたいよな」
田中蓮子「・・・」
田中蓮太郎「親父さ、技術力はあるんだからもっと人の役に立てるもの作ってくれよ」
田中蓮太郎「例えば、催眠アプリとか」
田中蓮太郎「世界線移動っつーことはよぉ、この風呂場が別の風呂場に繋がるってことだよなあ!?」
田中蓮太郎「キャ〜!蓮太郎くんのエッチ〜!的な展開が待ってるってことだよな!?」
田中蓮太郎「あんなことやこんなことができたらいいなァ!?」
田中蓮太郎「みんなみんな叶えてくれるんだろうなァ!?」
田中蓮太郎「ぐふっ」
田中蓮子「少し黙ろうか」
田中篤史「はははっ。どこに着くかはお楽しみだ」
田中篤史「とりあえず行くぞ!新世界!」
田中蓮太郎「新世界かァ。そそるぜ、これはァ」
田中蓮太郎「俺の股間がドクタースト」
田中蓮太郎「ドクターストップ!」
田中篤史「お前ら仲良いなぁ」

〇清潔な浴室
田中蓮子「うおーすげー」
田中篤史「もうな・・・お父さん、高度に複雑化された情報社会はこりごりなんだよ」
田中蓮子「高度に複雑化された情報空間でいう台詞じゃねえだろ」
田中篤史「SNSとか電子マネーとかリモートワークとかよく分からん」
田中篤史「昔はもっとシンプルな世の中だったんだけどな・・・」
田中蓮太郎「俺はこの時代好きだぜ!」
田中蓮太郎「スマホがあればエロ動画が見放題だからな!」
田中蓮子「お前の存在をフィルタリングしてやろうか」
田中篤史「そこで俺は思った」
田中篤史「こんな俺でも適応できるような、シンプルな世界に行きたいと」
田中篤史「これから行くのは、そういう世界だ」
田中蓮子「古代ローマにでも行くのか?」
田中蓮子「ん?」

〇清潔な浴室
田中篤史「ついたぞ」
田中蓮子「大丈夫?湯気出てるけど」
田中蓮太郎「湯気とかマジいい加減にしろよ!」
田中蓮太郎「あのシーンがアニメ化!?って期待させといて、湯気で何も見えないとか舐めてんのか!?」
田中蓮子「ブルーレイでは湯気消えてるかもよ」
田中篤史「ユニットバスから出たら、そこは新世界だ」
田中篤史「お前ら覚悟はいいか?俺はできてる」
田中蓮子「バカ親父とエロガキ、両方の面倒を見なきゃいけねえってのが姉のつらいところだな」
田中篤史「では行くぞ!」
田中篤史「Dive to new world!」

〇学校のトイレ
田中蓮子「どういう仕組み?」
田中篤史「3点ユニットバス理論を応用した」
田中篤史「世界線をリンクさせる上でも、風呂とトイレは繋げやすいんだ」
田中蓮子「風呂とトイレが繋がってるタイプの風呂嫌いだわ」
田中篤史「とりあえず街に出よう」

〇商店街
田中篤史「なんだろう。どことなく昭和の風を感じるような」
田中蓮子「そうか?」
田中篤史「商店街とか昭和だろ」
田中蓮子「令和でも頑張ってるだろ」
田中篤史「おい!見ろ!」
田中篤史「坊主にパーマにおかっぱ!」
田中篤史「間違いない!ここは昭和だ!」
田中蓮子「偏見だろ」
女性「もしもし」
田中篤史「ポケベルか?」
田中蓮子「スマホだろ」
少女「お兄ちゃん!公園でかけっこしよう!」
少年「おう!」
田中篤史「かけっことか昭和だろ」
田中篤史「令和の時代に外で遊ぶ子供なんて存在するのか?」
田中蓮子「するだろ」
田中蓮太郎「俺も混ざってきていい?」
田中蓮子「何で?」
田中蓮太郎「パンツ見えそうだから」
田中蓮子「・・・」
「・・・」
田中篤史「なんか、子供っていいな」
田中蓮子「それはまあ分かる」
女性「今日は良い天気ですね」
田中蓮子「はっ、はい」
田中篤史「天気の話とか昭和だろ」
女性「昭和?」
田中蓮子「なっ、なんでもないです。うちの父、ちょっと頭おかしいので」
女性「確かに今は昭和ですけど」
田中蓮子「えっ」
田中篤史「やっぱり昭和じゃねーか」
田中蓮子「で、でもさっきスマホ・・・」
女性「?」
女性「スマホがどうかしましたか?」
田中蓮子「えぇ・・・」
田中篤史「多分、そういう昭和なんだよ」
田中蓮子「どういう昭和だよ」
女性「良ければ、うちで夕飯食べていきませんか?」
女性「子供たちも楽しそうですし」
田中蓮子「えっ、え」
田中篤史「昭和はこれが普通だから」
田中蓮太郎「お邪魔させてもらおうぜ、親父〜」
田中篤史「だな。世話になるぜ、ご婦人」
女性「あらあら」

〇古風な和室(小物無し)
父親「今日は泊まってけぇ〜」
田中篤史「お言葉に甘えて〜」
田中蓮子「ったく」
女性「蓮子ちゃんたちはどこから来たの?」
女性「ここらへんの人じゃないわよね」
田中蓮子「あぁ、ええ、えーと」
田中蓮子「ちょっと、トイレ」
母親「洗面所向かって右よ〜」

〇広い玄関
田中蓮子「ふぅ」
田中蓮子「浮かれやがって」
田中蓮子「・・・」
田中蓮子「何であんなに馴染めるんだろうな」
田中蓮子「コミュ力がすげーよ」
田中蓮子「・・・ん?」
田中蓮子「アルバムか」
田中蓮子「勝手に見るもんじゃないけど、なんか気になるんだよなこういうの」
田中蓮子「・・・」
田中蓮子「・・・え?」

〇古風な和室(小物無し)
田中篤史「うぃ〜」
田中蓮子「親父」
田中篤史「ん?」
田中蓮子「ちょっと来い」
田中篤史「何だぁ?」

〇広い玄関
田中蓮子「これを見ろ」
田中篤史「うーん?」
田中篤史「アルバム?」
田中蓮子「まずこれが去年の写真」
田中篤史「良い写真だな」
田中蓮子「これが一昨年の写真」
田中篤史「何の変哲もない写真だな」
田中蓮子「・・・」
田中蓮子「これが十年前の写真」
田中篤史「・・・」
田中蓮子「そしてこれが二十年前の写真」
田中篤史「・・・」
田中蓮子「そしてこれが三十年前の・・・」
田中篤史「・・・変わってないな」
田中篤史「風景はその時代を表してるのに、映っている人間は何一つ変わってない」
田中篤史「家族の誰一人、歳を取ってない」
田中蓮子「親父、これ・・・」
田中篤史「・・・ああ」
田中篤史「・・・」
田中篤史「時空が歪んでる」
田中篤史「ユニバーサル・ユニットバスは時空にも干渉するからな」
田中篤史「変な時空に迷い込むこともあるだろう」
田中蓮子「ユニバーサル・ユニットバスて」
田中篤史「かっこいいだろ」
田中蓮子「・・・どうなんだ?この世界」
田中蓮子「なんか嫌な予感がするんだが」
田中篤史「そうだな」
田中篤史「早急に脱出しないと、俺たちまでこの時空に取り込まれる」
田中篤史「永遠に歳を取らない代わりに、永遠に似たような日々をループすることになるだろう」
田中篤史「まさに、某国民的アニメのようにな」
田中蓮子「・・・」

〇古めかしい和室
田中蓮子「蓮太郎!帰るぞ!」
田中蓮太郎「帰らんが?」
田中蓮子「いいから帰るぞ!」
田中蓮太郎「少なくとも朝までは帰らんが?」
田中蓮子「うるせえ帰るぞ!」
田中蓮太郎「和佳子ちゃんと一緒の布団で寝るまで帰らんが?」
少女「れ、蓮太郎くん」
田中蓮子「帰るぞ!」
田中蓮太郎「帰らねえっつってんだろがァ!」
田中蓮子「うるせえ帰るぞゴルァ!」
田中蓮太郎「・・・」
田中蓮太郎「仕方ねえ。じゃあ一つだけ頼みを聞いてくれ」
田中蓮子「何だ?」
田中蓮太郎「和佳子ちゃん」
少女「私に頼むの!?」
田中蓮太郎「頼む。下着を・・・見せてくれないだろうか」
少女「えっ」
田中蓮子「・・・」
田中蓮太郎「だってさ、おかしいだろ」
田中蓮太郎「おかっぱ頭でミニスカート」
田中蓮太郎「本来なら常に下着が見えていてもおかしくないのに」
少女「な、何の話?」
田中蓮太郎「つまりだな・・・」
田中蓮太郎「お前のパンツは何色だァ〜!?」
少女「きゃああ!」
田中蓮子「てめぇの血が何色だァ!?」
田中蓮太郎「あべしっ」
少年「不埒だなぁ」

〇広い玄関
田中蓮子「蓮太郎連れてきた」
田中蓮子「早いとこ戻ろう」
田中篤史「ああ」
女性「あら、帰っちゃうの?」
田中蓮子「あっ・・・はい」
女性「残念。不老不死も悪くないのに」
田中蓮子「えっ」
女性「ずっと変わらないって、素敵なことよ」
田中蓮子「・・・そうかもしれないけど」
田中蓮子「でも、私は・・・」
田中蓮子「姉になったり、進学したり」
田中蓮子「そういった変化を楽しむタイプだから」
女性「・・・そう」
女性「変化に疲れたら、またいらっしゃい」
田中蓮子「お邪魔しました」

〇商店街
田中蓮子「変化かぁ」
田中蓮子「まあ永遠の17歳も悪くないけどな」
田中蓮太郎「永遠の18禁は勘弁だぜ」
田中蓮太郎「子供は不便すぎる」
田中篤史「次はどんな世界に行こうか」
田中篤史「異世界ファンタジーとかどうだ?」
田中蓮太郎「ファンタジーかぁ。エルフとかいる?」
田中篤史「いるかも」
田中蓮太郎「ぐへへ」
田中蓮子「ゴブリンならここにいるけどな」
田中篤史「もう俺は何も考えずスライムでも狩って過ごしたい」
田中篤史「手続きやら何やら、ありとあらゆる社会制度から解放されたい」
田中蓮太郎「大人って大変だな」
田中蓮子「ファンタジーの世界にも社会制度くらいあるだろ」
田中篤史「そんなのファンタジーじゃない」
田中蓮太郎「姉ちゃんは夢がねえなあ」
田中蓮子「夢ならあるぞ。億万長者」
田中蓮子「百億円欲しい」
田中篤史「そんな大金入ったら税金やばいだろ」
田中篤史「税金のこと考えるくらいなら貰わない方がマシ」
田中蓮太郎「夢なさすぎだろ親父・・・」
田中蓮子「ふふっ」

〇学校のトイレ
田中篤史「色々あったが」
田中篤史「俺たちの旅はこれからだ」
田中蓮子「なんだか終わりそうだな」
田中蓮太郎「次はえっちな展開を頼むぜ」
田中蓮子「ったく」
田中篤史「旅が終わっても、また新たな旅が始まる」
田中篤史「待ってろよ、新世界」
  END?

コメント

  • ウワー!めちゃくちゃ好きですこれ!コミカルな家族関係がたまらない😍
    全シーン面白かったけど、ラストの一人ずつ消えていくシーンが『センス良すぎ!』て思いました👏
    遅くなりましたが、最終候補&プロジェクト参加権GETおめでとうございます🎉😆🎊
    オリジナル作品でもプロジェクト作品でも、これからも戸羽さんにしか産み出せない作品を楽しみにしています!

  • 修正前もかなり好きでしたが、こちらは笑いに加えてしっとりきた雰囲気を出して来ましたね。セリフの端々に光るセンスが良すぎます😂コメディ最終選考まで残っちゃうんだから流石の一言…。アノべプロジェクト、参加なされるのかはわかりませんが、また戸羽さんの作品が読めるのを楽しみにしています!!

  • あぁー!!!!!これはめっちゃ面白いですねっ!!!!!✨😂👍
    要所要所で笑いました!!男子トイレに出たところとか吹き出しちゃいましたね!!😂

    お父さんそんなすっごい大発明できるならなんでも適応できそうですが、やはりそこは苦手分野とかあるから仕方ないんでしょうね!!✨
    お父さんが行きたそうな世界というので考えるベースができますし、それぞれに世界考えられるので、色んな方が作りやすそうですね✨

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