Judgement(Ⅱ)(脚本)
〇一戸建て
武藤「・・・あ」
武藤「・・・ええと」
武藤「すみません」
安東「どうした流奈?」
流奈「・・・」
安東「うちに何か御用ですか?」
武藤「あ、いや、その・・・」
武藤「すみません」
流奈「行人・・・」
流奈「行人でしょ!」
武藤「・・・」
武藤「・・・はい」
流奈「やっと来てくれたのね」
武藤「え?」
流奈「元気だった?」
流奈「山田の叔父さんはよくしてくれてる?」
流奈「いとこのみんなとは仲良くしてる?」
流奈「今はマックス印刷に勤めてるんだっけ?」
武藤「なんで・・・知ってるの?」
流奈「あなたが高校を出るまでちょっとだけ様子は聞いていたの。だから安心してたわ」
武藤「安心・・・」
流奈「あ・・・」
流奈「・・・」
流奈「ごめんね」
武藤「・・・」
流奈「ごめんなさい。行人・・・」
武藤「・・・やめろよ」
武藤「頭なんて下げないでよ」
武藤「顔、上げてよ」
流奈「・・・」
安東「初めまして。安東と申します」
流奈「息子の輝人」
輝人「誰?ママ・・・」
流奈「いつも話してるお兄さんよ。挨拶して」
輝人「こんにちは」
武藤「・・・こんにちは」
武藤「・・・」
武藤「・・・」
流奈「家族には全部話してるの。あなたの事も。昔やってた仕事も」
流奈「私の過ちを全て・・・」
武藤「過ち?」
流奈「私は狂ってたの・・・」
流奈「世界の外側で・・・たった一人で・・・ 孤独で・・・孤独で・・・」
武藤「たった一人?」
流奈「だから行人に全部ぶつけてたの。怒りも、憎しみも、苛立ちも」
武藤「・・・」
武藤「だから何?」
武藤「それが、過ち?」
安東「い、いや違うよ。君の存在が過ちってわけじゃ・・・」
武藤「あんた関係ないだろ!黙ってろよ!」
流奈「パパ。輝人と車乗ってて」
安東「・・・ああ」
流奈「酷い生活をさせてたわね」
流奈「自分でも分かってた」
流奈「あの時の私には、あなたを育てる力なんて無かったって」
流奈「でも今は大丈夫」
武藤「え?」
〇一戸建て
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