シュミそーぶ!

マツモトスギ

第1話「隠れるのが趣味です。」(脚本)

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  ──高校生になったら・・・。
  今度こそ、楽しい生活を送ってやる。
  俺には、何も無い。
  趣味も無ければ友達もいない。
  得意な事も無ければ才能も無い。
  何かをする気力も無い。
  だからこそ、自分自身を変えたい。
  中学校生活の最後、俺は確かに決意した。
  ・・・はずだった。

〇学園内のベンチ
松本裕樹(あー・・・)
松本裕樹(なんもねぇ・・・)
  ──高校生活が始まって、早2ヶ月。
  俺は結局、無心で日々を過ごしていた。
  学校に来て、授業を受けて・・・。
  休み時間は、校庭のベンチでぼーっと空を眺める。
  こんなはずじゃ無かった。
  どうしてこうなってしまったのか。
  ・・・いや、思い当たる節が一つだけある。
  あれは、入学当日のこと・・・。

〇教室
先生「えー、という事で皆さん」
先生「今から皆さんには、1人ずつ自己紹介をしてもらおうと思います」
松本裕樹(うっ!来た・・・!遂にこの時が・・・!)
  俺は、所謂"高校デビュー"を画策していた。
  この自己紹介で、今までの陰気な自分を捨て、新しい自分を証明する。
  だがしかし、失敗すればまた無の3年間を送ることになるだろう。
  これは、俺の運命を賭けた世紀の一戦なのである・・・。

〇教室
先生「よし、えー、次は松本くんね。お願いします」
松本裕樹「は!はいっ!」
松本裕樹(お、落ち着け・・・。大丈夫だ。信じろ!自分を信じるんだ!)
  俺は呼吸を整え、そっと立ち上がる。
松本裕樹「・・・」
松本裕樹「・・・!」
松本裕樹「みだざん!!!!ごんにぢは!!!え!!えっどですね!?!?」
松本裕樹「ぼっ!!!僕は松本裕樹!!!え!!!ええと!!!すっ!!!好きな食べ物は!!」
松本裕樹(やべぇ・・・。俺は一体何を言ってるんだ・・・)
松本裕樹「え!えっと!好きな食べ物!!!そうそう!!」
松本裕樹「えっとしゃぶしゃぶ!!!しゃぶしゃぶが好きですね!!!はい!!!!」
松本裕樹「・・・」
松本裕樹「あっ・・・。以上です・・・」
先生「あ、はい。ありがとう・・・。 では、次──」
松本裕樹「終わった・・・」

〇学園内のベンチ
  ──それ以降も、結局俺の高校デビュー計画は空回り。
  最終的には、変なやつというレッテルを貼られてしまい、誰からも相手にされなくなってしまった。
松本裕樹(あー、学校つまんね・・・)
松本裕樹(でも家に帰っても、やる事無いしなぁ)
松本裕樹(あー、やっぱり俺はダメダメだ)
松本裕樹(どうせ何も出来ない、ダメダメな人間さ・・・)
  目に映るのは、澄んだ青空と陽の光。
  だが、俺の心の中は決して晴れることは無い。
  今日もまた、無駄な1日を過ごす。
  きっと、明日からもそれは同じだろう。
  そんな事をぶつぶつと考えていた。
  その時──
  ”ねぇ、そこのキミ”
松本裕樹(ん?)
  "そこの暇そうなキミ?"
松本裕樹(えっ、俺・・・?)
  俺は青空からそっと目を下ろす。
???「どこ見てるの?」
  そこに立っていたのは、知らない女子生徒だった。
  見た事も無いので、おそらく上級生だろう。
松本裕樹「あっ、はい・・・。すいません」
???「ふふっ、謝らなくていいよ。キミ、面白いね」
松本裕樹「は、はぁ・・・」
  俺に対して、こんなに警戒心も無く話しかけてくる人は中々いないもので、俺は軽く動揺してしまった。
???「キミ、名前は?」
松本裕樹「えっ、あ、えっと、松本です・・・」
???「ふーん。松本くんかー。キミ、逸材だよ」
松本裕樹「逸材・・・?」
???「さっきのキミのぼーっとしてる姿、私惚れ惚れしちゃった」
???「本当に、空っぽって感じでさ。 なんだろう。もう自然と同化しそうなくらい、"無"って感じだったもん」
松本裕樹「・・・へ?」
松本裕樹(なんだ・・・?褒められているのか・・・? それともバカにされてるのか・・・?)
???「ねぇ、松本くん?」
松本裕樹「はい・・・?」
???「松本くんは、"趣味"ってある?」
  ──趣味。
  勉強や仕事では無く、個人的に熱中出来るほど愛好している事柄。
  そんなもの、もちろん俺には無かった。
松本裕樹「趣味なんて、ありませんよ・・・。何も」
  俺がそう答えると、彼女はやたらと嬉しそうな顔をする。
???「そうだよね?やばいね、最高だね? ちょっと待ってよ?」
松本裕樹「え・・・?」
  俺が困惑する中、彼女は気にも留めず、ポケットから何かを取り出した。
???「はい、これ」
松本裕樹「これは・・・?」
???「ふふっ、放課後、待ってるね」
松本裕樹「あっ!ちょっと・・・!」
  俺の声を聞く間も無く、彼女は走り去っていった。
松本裕樹(一体、なんなんだあの人は・・・?)
松本裕樹(・・・っていうか待てよ?これ・・・)
  俺は彼女から手渡された封筒に目をやる。
松本裕樹(女の子から渡された封筒・・・。手紙・・・)
松本裕樹「これ!ラブレターじゃね!?」
松本裕樹「俺、告白されちゃったんじゃね!?」
  彼女いない歴15年。
  遂に、俺にも運命の時が来たようだ。
松本裕樹(ただ、待てよ?あの子、ちょっと・・・ってかだいぶ変な感じだったな・・・)
松本裕樹(なんというか、俺がぼーっとしてる事だとか、趣味が無いとか聞いて喜んでたし・・・)
松本裕樹(・・・)
松本裕樹(まあいいや!とりあえず開けてみよう!)
  俺は高鳴る鼓動を抑えながら、ゆっくりと封を開けていく
  すると、中からは1枚の紙が出て来た。
松本裕樹(や、やべぇ・・・。何が書かれているんだろう・・・。めっちゃ緊張する・・・)
  震える手で、折り畳まれた紙を開く。
  そこには・・・。
松本裕樹(・・・)
松本裕樹(何これ・・・?)
  その紙は、どうやら校内の地図のようだ。
  しかし、とある部屋に"ココ!"と手書きで赤い印が付けられている。
松本裕樹(どういう事だ・・・?2階の廊下・・・。1番奥・・・。 ここに何かあるのか・・・?)
松本裕樹(・・・はぁ、ったくなんだよこれ。期待して損したぜ・・・)
松本裕樹(・・・まあいいや・・・。放課後って言ってたな・・・。授業終わったら、行ってみるか・・・?)
  ──キーンコンカーンコーン!!!
松本裕樹(あー、ヤベ。もうそんな時間か・・・ 戻らなきゃ・・・)
  俺は、貰った謎の地図が気になるのを堪え、教室に戻る。
  あんな奥の部屋、そもそも行った事ないが一体何があるのだろう・・・。

〇教室
  ──その後も俺は、あの地図の事が気になって仕方が無かった。
  使い古されるように流れていくこの日常に飛び込んで来た刺激としては、十分過ぎるものである。
松本裕樹(マジで大丈夫だよな・・・?拉致されたりしないよな・・・?)
  少し、不気味というか、怖い気持ちもあった。
  さっきの女の子も、果たしてまともなのかどうかも怪しい。
  何か、事件に巻き込まれてしまうのでは無いか。そんな大袈裟な恐れもあった。
松本裕樹(ま、まあいいや・・・。とりあえず、近くまでは行ってみよう・・・)
  ──俺は、夕日に照らされる教室を後にした・・・。

〇学校の廊下
松本裕樹(・・・)
松本裕樹(ここだな・・・)
  2階廊下の1番奥の部屋。
  印に示された場所は一見、何の変哲も無いように思える。
松本裕樹(静かだし、人気も無い・・・。本当にあの子はいるのか・・・?)
  俺は何だか無駄な時間を過ごしているように思えて来た。
  しかし、普段から無駄な事しかしていない俺はすぐにその考えは誤りだと気づく。
松本裕樹(こんなところに突っ立ってても仕方ない。中に誰かいるかもしれないし、行ってみるか・・・)
  俺は、部屋の扉にそっと手をかける。
  そして、音も立たないほどに、静かに扉を開ける。
  まるで、忍びの如く・・・。
松本裕樹(さあ・・・。一体、何が出るんだ・・・?)
  寂れた辺境の教室。
  誰も来ようとは思わない忘却の場所。
  その中には・・・。

〇学校の部室
  ・・・
  すー・・・
松本裕樹(おわっ・・・!びっくりした・・・!)
  部屋の中は、思ったほど広くは無かった。
  だが、そんな事よりもずっと気になるのは、そこの机に伏せて寝ている人物である。
松本裕樹(さっきのあの子では無い・・・ それにしても、なぜこんなところで・・・)
  大体、こんな校舎のはずれにある部屋で1人、眠っているのもおかしな話である。
松本裕樹(もしかして俺、場所間違えたのか・・・?絶対ここだと思うんだが・・・)
  俺は自分に疑いをかけ、再度地図を確認する・・・。
松本裕樹(いや、あってるな・・・。やっぱり間違い無い・・・)
松本裕樹(んー・・・。参ったな・・・。結局、あの子も見当たらないし・・・)
松本裕樹(大体、ここにいてこの子が起きたら、驚かれるよな・・・。見知らぬ男が突っ立ってるわけだし・・・)
  何故だかわからないが、徐々に不安な気持ちに襲われてくる。
  もうここから立ち去りたい。気づけば俺はそう考えていた。
松本裕樹(よ、よし・・・。帰ろう。 もしあの子に何か言われても、この状況を説明すればいいし・・・)
  俺は足早に部屋を出ようとした、その時だった。
松本裕樹(──っ!?)
  まずい。
  廊下の向こうから、こちらに向かってくる足音と話し声。
  俺は確かに今、聞こえた。
松本裕樹(やっ、やべぇどうしよう!こんなところにいたら、怪しまれる・・・!)
  眠っている少女の元に、謎の男が1人。
  もし見つかれば、あらぬ疑いをかけられるのでは無いか。
松本裕樹(まずい・・・。何か、何か抜け出す策は・・・)
  俺は必死に部屋の中を見渡す。
  廊下は一本道。今出ていけば確実に見つかってしまう。
  窓から出る事も出来るが、ここは2階。飛び降りるには怪我を覚悟しなければいけない高さだ。
  それなら、俺に残された手段は・・・。
松本裕樹(あっ・・・!そこだ・・・!)
  部屋の隅に置かれた棚。
  そこには、わずかに壁との隙間が出来ていた。
松本裕樹(ちょっと棚をずらせば、裏側に回れそうだ・・・)
松本裕樹(逃げられないなら・・・。 隠れるしか無い・・・!)
松本裕樹(もう時間は無い!実行だ!)
  俺は全力で棚を引っ張り出し、棚の後ろに隠れるためのスペースを生み出す。
  そして、体を壁につけながら、何とか隙間に入り込むことに成功した。
松本裕樹(くっ・・・。狭いが何とか・・・)
  そうこうしているうちに、こちらに向かってくる声が鮮明に聞こえるようになって来た。
  "──でさー"
  "──だね"
  "──そうそう・・・。って、あれ。ドア開けっぱじゃん。"
松本裕樹(閉めるの忘れてた・・・)
  そして・・・。
???「ちーっす!」
???「ってあれ、りいちゃん、また寝てんじゃん!?」
???「くくくくっ・・・これは、イタズラチャンスだね・・・!」
???「えっ・・・」
松本裕樹(あの2人はなんだ・・・?その子の友達か・・・?)
???「へっへっへ・・・りいちゃん・・・。 寝てるのがいーけないんだ!」
  そういうと、彼女は手を構えて、寝ている女の子の元へ飛び掛かる!
???「こしょこしょこしょこしょ〜!!!!!」
???「いやっ!?!?あはっ!あはははははははっ!!!!ちょ、あっ!あははははっ!!!」
???「どうだー!愛奈ちゃんの超高速くすぐり攻撃は!」
???「あはははははっ!!!!こ!この!!やめな、さ!!!あはははははっ!!!」
???「ちょ!!!あ!!あははははっ!!!!!! ゆ!!!優奈!!!!ちょっ!!!!!あはははははっ!!!たっ!!!!助け!!!」
???「も、もう・・・。愛奈ちゃん・・・? そ、それくらいにしときなよ・・・」
???「へいへい!すいません優奈の姉貴!」
  もう1人の少女に注意を受け、彼女はようやく手を止める。
???「は、はぁ・・・。はぁ・・・!!! マジでなんなのよあんたは!!!!」
???「いやー、違うのよ。 りいちゃんと遊びたかったのよ。本当よー?」
???「あたしと遊びたいならもっと違うものにしなさいよ!!!! マジで心臓止まるかと思ったじゃない!!!!!」
???「へーい、ごめんちゃい!」
???「反省してないでしょ!全く・・・」
???「ね、ねぇ、そういえばさ。ひまりちゃんはまだ来てないの・・・?」
???「えっ?多分、まだ来てないと思うけど・・・」
???「部長のくせにいっつも来るの遅いんだよなー。もう私たちだけで始めちゃう?」
???「あんた、そもそも何するか決めてあんの?」
???「いや、探すとこから」
???「はぁ・・・」
???「あはは・・・。いつも通りだね」
???「ほんと、こんなんじゃ永遠に趣味なんて見つかんないっつーの!」
松本裕樹(あの子たちは何のために集まってるんだ・・・?)
松本裕樹(・・・それにしても、ここ・・・。埃がすごいな・・・)
松本裕樹「・・・」
松本裕樹(や、やべぇ・・・!くしゃみ出そう・・・!)
???「・・・っていうかさ・・・? ぶ、部員って、結局どうなったんだろう・・・?」
???「あー、前に部長が何とかするって言ってたけど・・・。無理じゃない?」
???「普通の部活ならまだしも、こんな意味わかんないところ、来ないっしょ」
???「そうよね・・・。やっぱり、諦めるしか無いんじゃないの?」
???「学校で出来なくなっても、誰かの家とかでやればいいし・・・」
???「えー、そうだけどさー。 この部室から離れるの、ちょっと寂しく無い・・・?」
???「そ、それは・・・まぁ、ちょっとは寂しい・・・かもだけど・・・」
???「学校から言われた事だから、仕方ないよね・・・」
松本裕樹「ふっ・・・!ふぐおおおっ・・・!!!ぐふぉっ!!!」
???「あれ?ちょっと待って?」
???「何よ?」
???「なんか、変な音しない?」
???「変な・・・音?」
???「うん・・・。ちょっと一回静かにしてみて?」
  ・・・
松本裕樹「ふぐっ・・・!!!???ぶごごごごごご!?!?!?うぶっ・・・!?!?」
浜崎愛奈「ほらっ、なんか今聞こえたよね!?」
???「た、確かに・・・。な、何よこれ・・・」
浜崎愛奈「まさか・・・。お化け・・・?」
???「や!やめなさいよ!!そ、そんな!お化けとか・・・!いるわけないじゃない!?」
???「待って・・・あの棚の裏・・・」
???「あそこから・・・聞こえる・・・」
浜崎愛奈「ほんと?」
???「うん・・・」
松本裕樹「ぶぐぐぐごぼぼごぼぼぼっ!!!ぐぼぼぼぼっ!!!?」
松本裕樹(ま!まずい・・・!こ、このままでは・・・!!!)
松本裕樹(なんとか・・・!!!た、耐えないと・・・!!!)
  だが、耐えようと思えば思うほど、俺は鼻腔を襲う強烈な不快感に苛まれる。
  俺は、埃アレルギーだという事を忘れていた。
松本裕樹(ぬぐおおっ・・・!も、もうダメだ・・・!!!!)
松本裕樹(た、耐えられない・・・!!!!)
松本裕樹「ふあっ・・・!」
松本裕樹「ふああっ・・・!!!」
松本裕樹「ふああああっ・・・!!!!!!」
「ブゥエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエクショォォオオオオン!!!!!!!!!!!!」
「いやあああああああっ!!!!!!!!」
  ──突如、室内にこだまする強烈な爆音。
  気のせいでは無い。
  間違い無く、そこには何かがいる。
???「うっ・・・!うっううううっ・・・!!!優奈っ!!!!!怖いっ・・・!!!!助けてっ・・・!!!!」
???「ま、間違いないね・・・。あの棚の後ろ・・・」
???「うん・・・」
???「・・・どうする?確認する・・・?」
???「いや!?ま!待って!む!無理っ・・・!!! あ、あたしは帰るっ・・・!」
???「あっ!りいちゃんずるい!」
???「危ないかもしれない・・・わ、私が行くよ・・・・・・」
???「だっ!ダメだよ。ゆうちゃんだけに怖い思いはさせないよ!」
???「・・・あ、ありがとう、愛奈ちゃん」
???「じ、じゃあ、そおっとだよ?そおっと・・・」
???「うん・・・」
  2人はゆっくり、音のする棚へと近づいていく。
松本裕樹(や、やべぇ・・・。終わった・・・)
???「わ、私が先に・・・行くね・・・?」
???「え、あ、うん・・・」
  少女は、棚の側面から体を覗かせるように、裏側へと忍び寄る。
  そこに、何が潜んでるのかも知らずに・・・。
???「あ・・・!」
???「ゆ!ゆうちゃん!?」
???「あ・・・あ・・・」
???「えっ、何?」
???「ひ・・・ひ・・・」
???「ひ・・・?」
???「ひ・・・ひ・・・ひ・・・と・・・」
???「ひ・・・と・・・?」
  ──もうダメだ。
  こうなったら、潔く行くしかない。
  ・・・スッ
???「──うっ!?」
松本裕樹「すっ・・・」
松本裕樹「すいませんでしたあああああああああああああああ!!!!!!!!」
  ・・・。
  ・・・。
???「やっ!やばい!マジもんの不審者だ!!!」
???「ゆ!ゆうちゃん!は、早く逃げよう!!」
???「・・・」
???「ゆっ!ゆうちゃん!!し、しっかりしてよ!!」
???「・・・」
???「やっ・・・やばい・・・。どうしよう・・・」
???(仕方ない・・・。こうなったら・・・)
???「おい、不審者!」
松本裕樹「へっ・・・!へいっ!?」
???「わ、私が・・・!お前を!成敗してやる!!」
松本裕樹「い!いや、ちょ!?ちょっと待っ──」
???「ゆ、ゆうちゃんは・・・!渡さないっ!」
  まずい。本気で不審者だと思われている。
  いや、まずくはないのか。実際、不審者だと思う。俺も。
松本裕樹(このまま通報されて、退学とかになったら・・・。どうしよう!?)
  "みんな大丈夫?"
「!?」
???「なんか、りいちゃんから部室に何かが潜んでるって・・・」
???「・・・って、あれ?」
松本裕樹「あっ・・・」
???「松本くん!来てくれたんだ。やばい、最高だね?」
「えっ!?」
  ──つづく。

次のエピソード:第3話「動画を撮るのが趣味です。」

コメント

  • 主人公の彼のように、半ば人生に諦めを感じているような若者がそう多くないことを願いたいですが、無の境地から何かすごいものが生まれることもあるかもしれないですね!

  • 初めまして。
    タイトルがすごくそそられます!
    危機迫るBGM と過剰なセリフが楽しいww
    学園生活がとてもスペクタクルでした😳

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