Couple buster 〜別れさせ屋〜

セーイチ

別れさせ屋とは(後)(脚本)

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セーイチ

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〇綺麗な一戸建て
田代キリア「~♪」
田代キリア「あっ!」
伊集院セイア「おっと」
伊集院セイア「はい、道路で遊んでると危ないよ」
田代キリア「オジサンありがとう!」
伊集院セイア「オ、オジ・・・」
田代キリア「!?」
真成見イズミ「こんにちは」
田代キリア「こ、こんにちは」
田代キリア「・・・」
田代キリア「おねえちゃん、目が見えないの?」
真成見イズミ「ええ、そうですよ」
田代キリア「・・・」
田代キリア「・・・かわいそう」
真成見イズミ「・・・体に不自由があるからと言って、必ずしもそれが不幸とは限りません」
真成見イズミ「少なくとも今の私は日々の生活で生きる幸せも感じられていますし、不幸とは思っていませんよ」
田代キリア「ご、ごめんなさい」
真成見イズミ「いえコチラこそ」
真成見イズミ「お説教っぽくなってしまいましたね、すいません」
伊集院セイア「そうそう気にしなくて良いよ、このお姉ちゃん鋼のメンタルだから」
真成見イズミ「セイアさんは喋らないで貰えますか?」
伊集院セイア「なんでっ!?」
・・・「キリト~」
田代アオト「キリト、お庭で遊びなさいとあれほど・・・」
伊集院セイア「あ、どうも、こんにちは」
田代アオト「は、はぁ・・・こんにちは・・・」

〇豪華な部屋
田代アオト「そうですか、最近引っ越して来られて・・・」
伊集院セイア「ええ、それで妹を連れて散歩にきまして」
真成見イズミ「セイアさんの妹なんて屈辱です」
伊集院セイア「ちょっと黙っててくんない?」
田代アオト「?」
伊集院セイア「そ、それで、散歩中につい道路で遊んでいるキリト君に声を掛けてしまいました」
伊集院セイア「申し訳ございません」
田代アオト「いえ、本来は私が注意しなければならなかったところです」
田代アオト「ありがとうございます」
伊集院セイア「いえ、とんでもない」
田代キリア「おねえちゃん、コレ!この手ざわりが良いんだよ!」
真成見イズミ「犬のぬいぐるみですね、ありがとうございます」
真成見イズミ「なるほど、確かにサラサラもふもふで良い手ざわりです」
田代キリア「でしょ~♪」
田代アオト「この子は産まれた時から弱視で、一時期はほとんど目が見えなかったんです」
田代アオト「今は治療で良くなっているんですけど・・・」
田代アオト「目の見えない妹さんに、思うところがあるのかも知れません」
伊集院セイア「そうなんですか・・・」
伊集院セイア「大変でしたね」
田代アオト「いいえ、大変だったのは息子です」
田代アオト「私にはお医者様に頼る以外、息子のそばに居ることしかできませんでした」
田代アオト「情けない限りです」
伊集院セイア「そんなことはありませんよ」
伊集院セイア「キリト君も、お母さんがそばに居てくれてくれたから安心して治療できたはずです」
田代アオト「・・・そうでしょうか」
伊集院セイア「ええ、だからそんな寂しそうな顔をしないでください」
伊集院セイア「お母様のキレイなお顔には、笑顔の方がお似合いですよ」
田代アオト「え!?いえ・・・そんな・・・」
伊集院セイア「ふふふ♪」
真成見イズミ「・・・ちっ」
伊集院セイア「・・・オイ、今舌打ちしただろ」
真成見イズミ「さて?何の事でしょうかお兄様」
伊集院セイア「コイツ・・・」
田代アオト「どうかされましたか?」
伊集院セイア「い、いいえ何でも!」
伊集院セイア「あっそうだ!宜しければ、またキリト君に遊んでいただいても構いませんか?」
伊集院セイア「引っ越してきたばかりで、まだ妹にも友達がいなくて!」
真成見イズミ「はい、いないんです」
田代アオト「ええ、喜んで」
田代キリア「おねえちゃん、また来てくれるの?」
真成見イズミ「はい、そのようになったみたいです」
田代キリア「やった~♪」

〇綺麗な一戸建て
伊集院セイア「突然お邪魔した上にお茶までご馳走になってしまって、申し訳ございませんでした」
田代アオト「いえ、キリトと遊んでいただいてありがとうございます」
田代キリア「おねえちゃん、またね」
真成見イズミ「はい、またです」
伊集院セイア「それにしても立派なお家ですね」
伊集院セイア「これなら次に来るときも迷わないで済みそうだ」
田代アオト「こんな贅沢な暮らしをさせて貰って、主人には本当に感謝しています」
田代アオト「本当に・・・ありがたいことです」
伊集院セイア「ご主人のこと、愛していらっしゃるんですね」
田代アオト「はい・・・」
真成見イズミ「・・・」

〇車内
伊集院セイア「・・・」
真成見イズミ「それで、今日も朝から人妻を口説き落としに向かう訳ですね」
伊集院セイア「・・・」
真成見イズミ「セイアさん?」
伊集院セイア「・・・」
真成見イズミ「無視ですか?」
伊集院セイア「わかってるよ」
真成見イズミ「え?」
伊集院セイア「俺は別れさせ屋だ、法に触れない限り誰が相手でも任務を完遂させなければならない」
伊集院セイア「それが、誰かの幸せを奪うことになっても」
伊集院セイア「でも・・・イズミの言いたいこともわかる・・・」
真成見イズミ「・・・そうですか」
伊集院セイア「・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
真成見イズミ「ここは?」
伊集院セイア「確かめたいことがあるんだ」
伊集院セイア「悪いけど少し待っててくれ、すぐに戻る」
真成見イズミ「ちょ、ちょっとセイアさん説明を・・・」
真成見イズミ「私は放置ですか?」
真成見イズミ「・・・」
真成見イズミ「・・・まったく」
真成見イズミ「不器用ですね、私の相棒は」
真成見イズミ「配偶者を無情に切り捨てようとする輩もいる一方」
真成見イズミ「相棒は自分の心に従うためだけに、理由を見つけないといけないんですから・・・」

次のエピソード:別れさせ屋として(前)

コメント

  • 物語の本筋やセイアさんの葛藤など、本当に魅力あふれるストーリーですね。その中でもイズミさんの個性が際立っていて、もう大好きです!

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