募集 メタ地蔵 対策課(脚本)
〇大会議室
阿僧祇 リンネ「識者さん!」
阿僧祇 リンネ「調査任務に私が行く件!」
阿僧祇 リンネ「まだですか!?」
識者「分かった、分かった」
識者「じゃあ次の地蔵調査任務はお前と不動で行ってこい!」
阿僧祇 リンネ「やったー」
阿僧祇 リンネ「ちなみに次の地蔵って?」
識者「次の地蔵は・・」
〇開けた交差点
おじいさん「ハァ・・」
おじいさん「今日も惨敗じゃ・・」
おじいさん「4コーナーでモーモーブヨウがこけなければ、12倍入ったんじゃが・・」
おじいさん「はぁ・・」
おじいさん「この貧乏ライフから抜け出したいのう」
おじいさん「ん!?」
おじいさん「・・地蔵にでも祈るかの」
おじいさん「お地蔵様」
おじいさん「ワシはこんな底辺での暮らしはもうごめんじゃ」
おじいさん「この生活を”超えて”」
おじいさん「貧乏から抜け出したいんじゃ」
おじいさん「・・なんてな」
おじいさん「心が参っているのぅ・・」
〇古いアパートの一室
おじいさん「さて、寝るかの」
おじいさん「誰じゃこんな夜更けに・・」
おじいさん「どなたですかな?」
???「私は・・」
???「地蔵を超えし、万物の理を識る者」
おじいさん「な、なんじゃあ!?」
???「其方の祈りにて顕現せし存在」
???「其方に福音を与えんと、馳せ参じた」
おじいさん「宗教の勧誘であれば間に合っておる」
おじいさん(何度もこられても迷惑じゃからな! 直接ガツンと言ってやるわい!)
おじいさん「ひっ」
おじいさん「本当に地蔵!」
メタ地蔵「私はメタ地蔵」
おじいさん「メタ地蔵!?」
メタ地蔵「私は其方の祈りにて、高次な存在・・」
メタ地蔵「特異地蔵として覚醒した」
メタ地蔵「低次元で蠢く其方を救いし事は」
メタ地蔵「高次なる存在の務め」
メタ地蔵「一種のノブレス・オブリージュと言えば理解が出来るか?」
おじいさん(ま、まったく言ってる事は分からんが)
おじいさん「要はワシの力になってくれるということか!?」
メタ地蔵「そうだ」
おじいさん(まるでお伽話のような話じゃ)
おじいさん「ワシは金持ちになりたい!」
メタ地蔵「容易い話よ」
おじいさん「本当か!?」
メタ地蔵「私に全て任せるといい」
〇銀行
〇病院の待合室
おじいさん(メタ地蔵の言う通り銀行に来たワケじゃが)
おじいさん(この紙とカバンを受付に見せればよいと言っておったが)
銀行員「本日はどういったご用件でしょうか?」
おじいさん「ああ、うむ」
おじいさん「これを・・」
銀行員「は、はぁ・・」
銀行員「し、少々お待ちください!」
おじいさん「なんじゃあ、血相を変えて・・?」
銀行員「お待たせしました!」
おじいさん「ん?」
おじいさん「金がパンパンに詰まっておる」
おじいさん「こ、これもらってよいのか?」
銀行員「ひぃ、は、はいっ!」
おじいさん「なんか知らんが・・」
おじいさん「これがメタ地蔵の力かのう」
〇銀行
おじいさん「ん?」
おじいさん「な、なんじゃあ!?」
警察官「警察だ!動くな!」
おじいさん「ど、どういうことじゃ!?」
おじいさん「まさかこの金・・」
おじいさん「ワシが盗ったことになっとるんか!?」
おじいさん「メタ地蔵のやつに理由を聞かねば!」
警察官「オイッ!待て!」
阿僧祇 リンネ「追跡は待ってください!」
警察官「あ、あんたは誰だ!?」
阿僧祇 リンネ「私は内閣府直属特異地蔵対策課 阿僧祇リンネ」
警察官「は!? 何を言って・・」
警察官「ん!? 特異地蔵対策課・・ 阿僧祇・・!?」
警察官「阿僧祇防衛大臣の娘さん!?」
阿僧祇 リンネ「父の事は今は関係ありません・・」
阿僧祇 リンネ「この案件はウチが預かります!」
警察官「わ、わかりました」
阿僧祇 リンネ「・・」
不動 明夫「リンネちゃん・・」
阿僧祇 リンネ「・・ごめん不動君、大丈夫」
阿僧祇 リンネ「さぁ、あのおじいさんを追おう」
〇古いアパートの一室
おじいさん「メタ地蔵」
おじいさん「言う通りにしたら警察に追われたんじゃが」
おじいさん「あの紙には何て書いてあったんじゃ!?」
メタ地蔵「単に人間の心理を抉り死の予感が伴う文章をしたためただけだ」
メタ地蔵「現に今、金を手にしているだろう?」
メタ地蔵「効率的な手段だ」
おじいさん(コイツ何を言っておるんじゃ・・)
おじいさん(まるで・・)
阿僧祇 リンネ「いた!特異地蔵!」
おじいさん「な、なんじゃアンタ!? 警察か!?」
おじいさん「聞いてくれ! 私は悪くない・・こいつが・・」
おじいさん「うっ」
不動 明夫(いくら麻酔銃だからってノータイム射撃は・・)
不動 明夫(またおじさんに怒られるよ・・)
阿僧祇 リンネ「さぁ!神妙にお縄につきなさい」
メタ地蔵「ふむ、低次元存在が私を縛ると・・」
メタ地蔵「滑稽だな」
阿僧祇 リンネ「何ですって!」
不動 明夫「そんな簡単に煽られないでよ」
不動 明夫「メタ地蔵・・ 僕が相手になるよ」
メタ地蔵「笑止千万! 私の相手が務まるものなどおらぬ!」
メタ地蔵「そのような口を聞いた事!死して後悔せよ!」
阿僧祇 リンネ「不動君!まだ変身してないのに!?」
メタ地蔵「ぬっ!?」
メタ地蔵「どういう事だ!?」
不動 明夫「ちょっと残酷なようだけど」
不動 明夫「メタ地蔵・・」
不動 明夫「君は弱いし頭が悪い!」
メタ地蔵「えーーーー!?」
不動 明夫「大体、地蔵を超えし者って・・」
不動 明夫「普通の特異地蔵じゃん」
阿僧祇 リンネ(たしかに)
メタ地蔵「そ、そんな・・!?」
不動 明夫「自分が賢いつもりで色々思いついて」
不動 明夫「万能感に浸るのは」
不動 明夫「よくあることだけど」
不動 明夫「それにしても君の発想はひどいね」
メタ地蔵「う、うう・・」
不動 明夫「銀行強盗なんか唆してその後のこと考えてなかったんでしょ?」
不動 明夫「悪いけど特異地蔵としても下の下だよ」
不動 明夫「君、地蔵としての才能ないよ」
不動 明夫「喋り方も無駄に難しい言葉使おうとしてるし」
不動 明夫「中学生じゃないんだから」
メタ地蔵「や、やめてくれぇぇ」
メタ地蔵「私は高次元の・・」
不動 明夫「うん、高次元の”アホ”だね!」
メタ地蔵「めめたぁぁあ」
不動 明夫「自分のアイデンティティが保てなくなって崩壊したね」
阿僧祇 リンネ(え、えぐい・・)
不動 明夫(大体、メタ的に考えて、おじさんがリンネちゃんの初任務にあてがってるんだから)
不動 明夫(強いわけないじゃん)
不動 明夫「さて、帰っておじさんに報告しよ」
阿僧祇 リンネ「そうね・・」
阿僧祇 リンネ(結局、簡単な任務を任されただけ)
阿僧祇 リンネ(お父さんの事もあって過保護にされてる・・)
阿僧祇 リンネ「いつかきっと・・」
阿僧祇 リンネ「見返してやるんだから!」
メメタァ!🐸
なるほど~、高次の存在感を出しつつ、締めはライター的に馴染みの深いメタネタで…😂
ネットでよく見かける感じの全能感あふれつつ微妙に言葉のチョイスがおかしい感じ、絶妙でした👍 笑
募集地蔵は鮮度が高い方が 美味しそうなネタなので数話飛ばして来ちゃいましたが、対策課も話が進んでていい感じに熟成してるみたいなので、また改めてチェックします!🤤
いち募集地蔵にそんな高次の最強格っぽいのが出てくるわけ…うーん、メタ(笑)
不動くんの容赦なさに笑いました😂
今回もおじいさんが酷い目にあって……なんだかホッとしました☺️
不動君も場馴れしてきているのか、ベテラン地蔵感があり、メタ発言にも説得力がありましたね😃