青春盗聴譚

穂橋吾郎

エピソード19(脚本)

青春盗聴譚

穂橋吾郎

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〇マンションの共用廊下
戸村龍也「くっそ、鍵なんかかけんなよな」
戸村龍也「!」

〇マンションの共用廊下
  やってきた赤地が周囲を見渡すが、廊下の奥には誰もいない。
赤地正男「・・・・・・」

〇飾りの多い玄関
戸村龍也「はー、はー」
少年「・・・・・・」
戸村龍也「ういー、死ぬかと思ったー」
少年「あの」
戸村龍也「あ?」
少年「ひっ」
戸村龍也「元気?」
少年「え、あ、はい」
戸村龍也「このキックボードお前の?」
少年「は、はい」
戸村龍也「お前ん家、金持ち?」
少年「わ、わからない」
戸村龍也「お前、ひとり?」
少年「あ、お母さん、仕事で」
  玄関に飾られている写真を見る龍也。
戸村龍也「この写真、母ちゃんしか映ってないけど、父ちゃんは?」
少年「・・・いないです」
戸村龍也「そうか、じゃあピッキングを覚えるといいよ」
少年「ぴっきん・・・?」
戸村龍也「いつか役に立つから」
少年「?」

〇マンションの共用廊下
戸村龍也「もしもし、久保ちゃん? いまアイツが部屋から出てった」
戸村龍也「マンション前で隠れて待機しといて。 完全にどっか行ったの確認したら迎えに行く」

〇マンションのエントランス
  光が物陰に隠れて電話をしている。
久保田光「うん、わかってる」
久保田光「今外に出ていった、中はいる」
赤地正男「・・・・・・」

〇高級マンションの一室
久保田光「部屋のドア、あっさり開いたね」
戸村龍也「技術がありますから、へえ」
久保田光「普通の部屋、だ」
戸村龍也「うん、普通の部屋、だ」
久保田光「何かないか、探してみよう」
戸村龍也「あいあいさー」
  部屋の中を探し始める二人。
久保田光「戸村、鍵のかかった引き出しがある。 ここに何か――」
戸村龍也「こいつ、漫画の趣味はいいな。 迷探偵コマルが全巻ある」
久保田光「・・・真面目に探してよ」
戸村龍也「うん、ところでさ、久保ちゃんのそのナウでヤングなグローブ何?」
  龍也が、光の手をを指さす。
  光は両手にグローブをはめている。
久保田光「え、ああ、これはえーっと」
  グローブをはめた手を軽く握る光。
  すると、台所から勢いよくスプーンが飛んでくる。

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